【一級建築士の家づくり】知らないと手遅れになる!窓で失敗したポイント7選

注文住宅を建てるまで「窓」の種類や配置を意識したことがなかった人もいるかと思います。

しかし、家づくりで「窓」に関する「後悔」は意外と多いので、

きちんと勉強しておかないと取り返しのつかない「失敗」をしてしまいます。

窓でどんな失敗が多いの?

すべり出し窓での網戸の失敗や方位によってまぶしすぎた窓など、さまざまな失敗があります。

私は18年間(2024年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、

窓の設計には室内側での使い勝手だけでなく、外観を決める際のデザインバランスなど設計的な配慮をすることが重要だと考えています。

今回は知らないと手遅れになる窓の失敗したポイントをご紹介します。

この記事を読むと以下のことがわかります。

この記事でわかること

・窓で失敗したポイント7選

・家づくりの窓の設計的な配慮

上記のことがわかります。

窓での失敗は後から変更するとなると、外壁を一部さなければならないので大掛かりな工事になります。

また、採光や換気など確認申請に関係する変更になるので、軽微な変更の範囲内での変更するのが一般的です。

窓の種類を変えるだけで防ぐことのできる失敗もあるのでしっかりと確認しておきましょう。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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窓で失敗したポイント7選

窓で失敗したポイントは以下の7つになります。

窓で失敗したポイント7選

・カムラッチハンドルのすべり出し窓の網戸

・東・西向きのまぶしすぎる窓

・結露する出窓

・手動シャッターがついている窓

・子供部屋の大きな窓

・洗濯機の上の高窓

・大きさと配置がバラバラな窓

カムラッチハンドルのすべり出し窓の網戸

気象条件によって起こる害虫の大量発生は予測ができないことも多いです。

窓選びに失敗してしまうと家の近くで予期せぬ虫の大量発生が起こった際に、

窓から家の中に大量の虫が侵入してくるなんてこともありえます。

窓は簡単には交換できない箇所のため、新築時の窓選びはそれぞれの特徴をしっかりと把握して、慎重に行いましょう。

例えば、すべり出し窓はよくある引き違い窓と違って網戸が室内側にくる特徴があります。

オペレーターハンドルといってくるくる回すことで窓の開閉ができる

ハンドルがサッシの部分についているものであれば、窓の開閉時に網戸を動かす必要はありません。

一方、カムラッチハンドルのように窓の開閉の際に、窓枠についているハンドルを操作しないといけないタイプは、開閉時に網戸を開ける必要があります。

そのため、カムラッチハンドルの場合は固定式網戸ではなく、アコーディオン網戸や横引きロール網戸、ロールアップ網戸など開閉可能な網戸が採用されています。

網戸は固定されているよりも、開閉可能な方が便利な気がするかもしれませんが、

実はカムラッチハンドルタイプのすべり出し窓には致命的なデメリットがあります。

それは、網戸の外側に虫がついた状態で窓を閉める際に、虫が室内に侵入してくることです。

夜、室内の光につられて網戸にくっついていた虫が大量に室内に入ってきたら、と想像するとゾッとします。

すべり出し窓を設置したいけれど、虫は苦手という方はオペレーターハンドルがついている固定式網戸のすべり出し窓を検討しましょう。

東・西向きのまぶしすぎる窓

大きな窓には室内が明るくなって開放感が出るというメリットがあります。

現在住んでいる家の日当たりに不満があるほど、大きな窓のある間取りにする傾向にあります。

しかし、東・西向きの壁に大きな窓を設置すると時間帯によってはまぶしすぎるということがあるため注意が必要です。

特に、西向きの吹き抜けの窓は周囲に日差しを遮る建物があれば問題ないこともありますが、西日がまぶしい上に夏は夕方暑くなりやすいというデメリットがあります。

間取り上、吹き抜け窓をどうしても西向きにせざるをえない場合は、カーテンやロールスクリーンを設置することである程度デメリットを解消することは可能です。

吹き抜け窓は高い場所にあるため、カーテンやロールスクリーンを設置するのであれば、操作のためにチェーンを垂らすか電動にする必要があります。

電動のカーテンやロールスクリーンはコンセントが必要なものもあため、電動にするのであればコンセントの設置を忘れないようにしましょう。

結露する出窓

出窓は外壁から飛び出している場所に窓があるため、外気の影響を受けやすい特徴があります。

そのため、冬場は他の窓よりもガラスが冷たくなるので、出窓は結露が発生しやすい窓だと言われています。

出窓は人が乗ることを想定して作っていないため、窓拭きをする際は上に乗るのではなく脚立などを利用しないといけません。

また、出窓の上はインテリア小物などを置く方が多いですが、掃除のたびに移動させるのは少し面倒です。

しかし、掃除がしにくいからといって結露を放置してしまうと、サッシやゴムパッキンだけでなく、クロスや窓枠内部にまでカビが発生してしまう危険性があります。

結露しにくい出窓にするには、サッシをアルミ製ではなく断熱性の高い樹脂製のものにしたり、

窓ガラスを同じく断熱性の高い複層ガラスにするなどの対策を取ると良いでしょう。

手動シャッターがついている窓

防犯上の理由から夜間は毎日シャッターを閉める方もいます。

手動シャッターだと毎日の開け閉めは非常に面倒です。

小柄な女性だとしまっているシャッターに手が届かないため、いちいち脚立を持ってくる必要もあります。

そのため、億劫になってついシャッターを閉めっぱなしにしているうちに、せっかく設置した窓が気づいたら開かずの窓になっていたという方もいます。

しかし、面倒臭いからといってシャッターを閉めっぱなしにしていると、風通しが悪くなるので、湿度が高くなりやすいです。

また、シャッターが閉まっていると当たり前ですが、紫外線も室内に入ってきません。

このように、湿度が高くて殺菌効果のある紫外線が入らない部屋というのは、カビが繁殖しやすい部屋でもあります。

カビを防ぐためにも性格的に閉めっぱなしにしてしまうだろうなと心当たりがある方は、電動シャッターにすることをおすすめします。

最近の電動シャッターは、アプリを入れればスマホから操作することができるので、外出先からでもシャッターの開閉が可能です。

急に風が強くなってきたという時もスマホひとつでシャッターを閉められるというのは、大変便利ですよね。

また、タイマーを使えばほったらかしにしていても自動で開閉してくれるので閉めっぱなしを確実に防止することができます。

子供部屋の大きな窓

子供は思春期になると精神的な自立のために反抗期に入ることが多いといわれています。

この時期になると親と距離を置きプライバシーを確保するために、自分の部屋に籠るということも珍しくありません。

この行動は健全に成長しているという証拠でもあるため、それほど心配はないのですが、

子供部屋に大きな窓があると、外からの視線が気になり、お子さんが部屋にいてもプライバシーが確保できないと感じてしまう可能性があります。

特に隣家が近かったり、人通りの多い道路に面していたりすると、大きな窓は思春期のお子さんにとってはストレスになりやすいかもしれません。

では、具体的にどのような窓にすべきかですが、120cmから140cm程度の高さの高窓にすると良いです。

この高さの高窓にすると小さいお子さんでも転落の危険性が少ないですし、思春期に入ってからはプライバシーが守られるという安心感もあります。

また、勉強机やベッドなどが配置しやすくなるというメリットもあります。

洗濯機の上の高窓

洗面所の窓は外からの視線が気になりにくい130cm以上の高さのものがおすすめです。

この高さの窓だと洗濯機を置いても窓が隠れることはありません。

しかし、だからといって窓のある壁面に洗濯機を置いてしまうと、洗濯機が邪魔で窓が開けにくくなる上に窓掃除もしにくくなってしまいます。

洗剤や柔軟剤などをしまう後付けの棚を洗濯機の上のデッドスペースに設置したいと思っても、洗濯機の上に窓があると潰れてしまいますよね。

インスタなどで人気のリンナイの乾太くんという衣類乾燥機の導入を検討されている方もいらっしゃるかと思いますが、

乾太くんを洗濯機の上に設置する場合もやはり窓を塞いでしまいます。

どちらの設置も不可能ではありませんが、

数万円から十数万円かけて設置した窓を潰してしまうのであれば、初めから窓がない方が断熱性能は上がりお金も無駄にならないです。

大きさと配置がバラバラな窓

採光性や通風性を考え最も暮らしやすい位置に窓を設置したとしても、それがベストな選択であるとはいえません。

なぜなら、実用性を重視するあまり、窓の大きさと配置がバラバラになり外観が悪くなってしまったという後悔事例は珍しくないからです。

とはいえ、窓を配置した外観を頭の中で想像しながら、実用的な場所に窓を配置するというのは非常に難しいですよね。

外観を外観を整えるコツは窓の種類や高さを揃えることです。

整えるコツは窓の種類や高さを揃えることです。

これを意識して窓を配置すると全体のバランスをとることができます。

ほとんどのハウスメーカーでは3DCGパースを作成しているので活用してみましょう。

まとめ

今回は窓での失敗したポイントを知りたい人や家づくりの窓についてどう考えればいいのか知りたい人に対して、

知らないと手遅れになる窓で失敗したポイントを7つご紹介してきました。

まとめると以下になります。

窓で失敗したポイント7選

・カムラッチハンドルのすべり出し窓の網戸

・東・西向きのまぶしすぎる窓

・結露する出窓

・手動シャッターがついている窓

・子供部屋の大きな窓

・洗濯機の上の高窓

・大きさと配置がバラバラな窓

窓での失敗は後から変更するとなると、外壁を一部さなければならないので大掛かりな工事になります。

また、採光や換気など確認申請に関係する変更になるので、軽微な変更の範囲内での変更するのが一般的です。

窓の種類を変えるだけで防ぐことのできる失敗もあるのでしっかりと確認しておきましょう。

この記事が少しでも家づくりの窓での失敗を防ぎたい人のお役に立てれば幸いです。

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