【失敗しない土地選び】家を建てるのはやめた方がいい土地の特徴
これから土地を購入して家を建てようと考えている皆さんは、どのようなことを重視していますか?
最寄り駅までの交通や周辺施設の利便性、子育てのしやすさ、お子さんの学区、治安の良さといった地域を選びたいという人は多いと思います。
そんな中でこれだけは譲れない、これだけは避けたいという条件があります。
どんな条件があるの?
軟弱地盤や不整形地、市街化調整区域の土地などです。
私は18年間(2024年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、
土地選びは希望の条件を100%とすると70%で上出来、80%叶えば大ラッキーと考えています。
今回は土地選びで失敗しない方法と建てるのはやめた方がいい土地をご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・あとで後悔する土地
・やめた方がいい土地
上記のことがわかります。
土地は暮らしはじめてから失敗に気づいても建物のように変えることはできないです。
また、土地によってそこに建てられる住宅の間取りにも大きく影響してきます。
土地探しは家を建てる場所ではなく、何十年も暮らす場所探しだと考えて慎重に選びましょう。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!
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目次
あとで後悔する土地
条件のよい土地が見つかったものの、契約後や暮らしはじめてから失敗に気づくこともあります。
あとで後悔する土地で多いのは以下になります。
あとで後悔する土地
・注文住宅の予算が足りなくなった
・最寄り駅までの交通の便が悪かった
・周辺道路の交通量が多かった
注文住宅の予算が足りなくなった
住宅ローンの事前審査で借入額の目安がついている場合、土地の購入費用で予算をオーバーしてしまうと建築費用が足りなくなってしまいます。
予算が足りなくなった理由としては以下のようなことが考えられます。
予算が足りなくなった理由
・地盤改良工事費用が高額だった
・駐車場やフェンスなど外構工事費用を考えていなかった
などがあります。
特に地盤改良工事には注意が必要です。
相場では50万円〜200万円と言われるようにかなりひらきがあり、契約してからでないとどれくらいかかるかわかりません。
土地を安く購入できてもこのような問題があって、高額な地盤改良工事がかかると安い土地にした意味がなくなってしまいます。
施工会社も不動産会社も
「改良の必要はないと思います」
と太鼓判を押していても、
いざ調査してみたら地盤改良工事が必要で200万円以上かかると言われたご家庭もあります。
そうなると、手持ち資金が十分でない場合は、住宅面積を縮小したり、設備をあきらめて調整することになります。
家が完成しても駐車場などの外構工事ができなくなることも多いです。
最寄り駅までの交通の便が悪かった
一般的には最寄り駅から離れるほど土地の価格は下がります。
通勤や通学に利用する最寄り駅まで3〜4キロ離れてしまうと、徒歩や自転車では大変で車やバスを利用することが多くなります。
交通の便を調べるには以下のことに注意しましょう。
交通の便を調べる方法
・最寄り駅までのバスは走っているか
・近くにバス停はあるか
・どのくらいの頻度で運行しているか
などを調べずに選んでとても不便な思いをしているという後悔もあります。
バスの運行状況によって朝晩の時間のロスが多くなって、ストレスを感じることもあるので、軽視してはいけません。
周辺道路の交通量が多かった
常に渋滞が発生している道路は以下のような特徴があります。
常に渋滞が発生している道路の特徴
・近くに工場があって朝晩の通勤時間に渋滞する
・近くに朝晩、侵入禁止の道路がある
・車のすれ違いができない道路がある
・近くに開かずの踏切がある
などのがあると、目的地までほんの数キロの道のりでも必ずゆとりをもって出かけなければならなくなります。
また、狭いわりに交通量の多い道路も要注意です。
すれ違いが大変で車で出かけるのが嫌になったという人もいます。
このように、事前にわかりにくいことほど後悔につながることが多いです。
土地の状態だけでなく、周辺の道路状況もしっかり調査してから契約するようにしましょう。
やめた方がいい土地
やめた方がいい土地は以下になります。
やめた方がいい土地
・軟弱地盤、不整形地
・市街化調整区域
軟弱地盤、不整形地
軟弱地盤の場合は、地震や台風大雨などの自然災害が発生した際に家に甚大な被害が及ぶリスクがあります。
軟弱地盤の可能性が高い土地としては以下のような特徴が挙げれあれます。
軟弱地盤の可能性が高い土地の特徴
・田畑を宅地に造成した場所
・以前は池や沼、湖だった場所
・河川や海岸沿いの平野を人工的に埋め立てた場所
・過去に水害が起きた場所
などが挙げられます。
いちばんわかりやすいのが、田畑を造成した土地です。
田畑は水分を多く含んでいるので、強度を確実に高める工法で土地改良をする必要があります。
また、家を建ててからも湿気が多いというデメリットがつきまつうこともあるので慎重に検討しましょう。
沼や池、河川を埋め立てた土地は地名がその土地の特徴を表していることもあります。
「池、沼、川」などの漢字が使われている土地は、水辺を疑ってみる必要があります。
古地図などで確認してみるのもよいでしょう。
地盤改良工事には多額の費用がかかることもあります。
以前はどのような用途の土地だったかを調べることはもちろん、雨の日に見に行ってみるのもおすすめです。
大雨が降った後でも水たまりがなく膨張して見えるような土地は軟弱地盤の可能性があります。
また、正方形、長方形のように整った形ではない不整形地は、相場よりも安い値が付けられていることがほとんどですが、
間取りを作る際にデッドスペースが多くなってしまいます。
どんなに広くても使用できる面積が少なく、建築コストがかかってしまうから安いという理由もあります。
購入してから希望のハウスメーカーの設計プランでは対応できないと言われることもあるので注意しましょう。
市街化調整区域
整形地で広いわりには安いという土地に市街化調整区域があります。
市街化調整区域とは「市街化を抑制する区域」と定められたところです。
周囲に高い建物が少ないので、日当たりがよく交通量も少ないので、静かな環境でのびのびと暮らしたいという人には好条件かもしれません。
市街化調整区域は原則として建物の建築は認められていませんが、
自治体に申請をして建築許可が下りれば条件に合わせて住宅を建てることができます。
ただし、市街化を抑制すべき区域というだけあってデメリットが多くあります。
市街化調整区域のデメリットは以下になります。
市街化調整区域のデメリット
・下水道や都市ガスなどのインフラが整備されていない
・規模の大きい商業施設や総合病院がない
・担保価値が低いため借入額が制限される可能性がある
などのデメリットがあります。
市街化調整区域は市街地となっている区域に比べて価格はかなり低く、
固定資産税もやすいなどのメリットはありますが、安易に購入することはおすすめできません。
・車の台数が多いから広々としたガレージが欲しい
・犬がのびのびと走り回れる庭が欲しい
など、目的がはっきりしているご家庭向けの土地になります。
予算オーバーを防ぐ考え方
色々な希望があっても注文住宅では予算オーバーをしないことがとても大切です。
土地選びの段階で大きく予算をオーバーしてしまっては、住宅にかけられる費用が少なくなってしまいます。
注文住宅の予算を考えるときは以下のような予算の考え方があります。
予算の考え方
①総予算額-土地の金額=建物にかける金額
②総予算額-建物にかける金額=土地の金額
一番流動的なのは建物にかける金額なので、
①の式のほうが断然予算オーバーしやすいことになります。
②の場合は間取りの提案をしてもらってある程度の金額が出されてから、
「この家が建てられる土地を〇〇万円程度で探してください」
とお願いすれば、大きな予算オーバーは避けられるのではないでしょうか。
人気のある地域に限定している場合はなかなか見つからないこともありそうですが、
ハウスメーカーは未公開の土地をいくつか確保している可能性もあるので、
住宅建築を依頼するのであればお得に購入できる可能性もあります。
営業担当者も必死で土地を探してくれると思います。
土地の購入は大きなリスクを伴うので、広さや価格も大切ですが、日々の生活に支障がないことが一番です。
土地探しは家を建てる場所ではなく、何十年も暮らす場所探しだと考えて慎重に選びましょう。
まとめ
今回は失敗しない土地選びがしたい人や建てるのはやめた方がいい土地の特徴が知りたい人に対して、
土地選びで失敗しない方法と建てるのはやめた方がいい土地をご紹介してきました。
まとめると以下になります。
あとで後悔する土地
・注文住宅の予算が足りなくなった
・最寄り駅までの交通の便が悪かった
・周辺道路の交通量が多かった
やめた方がいい土地
・軟弱地盤、不整形地
・市街化調整区域
土地は暮らしはじめてから失敗に気づいても建物のように変えることはできないです。
また、土地によってそこに建てられる住宅の間取りにも大きく影響してきます。
土地探しは家を建てる場所ではなく、何十年も暮らす場所探しだと考えて慎重に選びましょう。
この記事が少しでも良い土地が見つかった時にチェック項目として参考にしていただければ幸いです。
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