空間的なまとまりが重要!注文住宅でリラックスする空間を作るための手法
リラックスする空間は注文住宅で快適に暮らすためにはとても重要です。
注文住宅では空間的なまとまりを作ることがリラックスできる空間を作ることにつながります。
空間的なまとまりってどうやって作るの?
人間はゲシュタルト要因により要素のまとまりを認知することができ、
その要素のまとまりを意図的に作り出すことにより空間的なまとまりを作り出すことができます。
私は18年間(2023年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、
設計する際はゲシュタルト要因やS条件を利用して空間的なまとまりを作ることに注力しています。
今回は注文住宅でリラックスする空間を作るための手法をご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・空間的なまとまりの重要性
・空間的なまとまりを作るための手法
上記のことがわかります。
空間的なまとまりは快適な注文住宅を設計する上でとても重要になります。
また、間取りを考える際に、その空間を実際にそこで暮らす人がどのように感じるのかを考えることはとても大切になります。
空間的なまとまりを作る手法を自分なりに応用して、注文住宅でリラックスできる空間を作りましょう。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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目次
空間的なまとまりの重要性
空間的なまとまりを作ることは建築においてとても重要になります。
まとまりのない空間の中に人間がいると落ち着けなかったり、不快に感じたりするからです。
まずは空間的なまとまりがどのようなものなのかを見ていきましょう。
空間的なまとまりとは?
人間はゲシュタルト要因により要素のまとまりを認知することができます。
その要素のまとまりはS条件により空間的なまとまりを感じることができます。
人間の心理的な働きについては以下の記事をご参照ください↓
空間的なまとまりって具体的にどのようなものなの?
例えば、演劇のステージや相撲の土俵のように観客席から一段高い位置の空間や大きな欅の木陰など、
その場所をものの配置や形態、質の違いなどを手がかりに述べることが出来る場合に
人間は空間的なまとまりを感じることができます。
この「場所を述べることが出来る」ということが空間的なまとまりを意味するということになるわけです。
まとまりのある空間のリラックス効果
まとまりのある空間には落ち着ける場所を作るリラックス効果があります。
場所が強く意識できるというのは人間の心理に大きな存在として働きかけるからです。
どんな空間がリラックス効果があるの?
例えば、大きな欅の木の木陰など欅の枝葉の広がりにより作られた木の下の空間など安心感があったりします。
また、壁に囲われた空間ではビル風を防げたり、寄りかかったりできるので安心感を得ることができます。
この安心感を感じることがリラックス効果へとつながっていると私は考えています。
日々の暮らしの中で落ち着ける場所を想像すれば、その場所がどのようなものの配置になっていたりその空間を構成する要素を分析することができます。
空間的なまとまりを作るための手法
空間的なまとまりを作るための手法は様々ありますが、私がおすすめする手法は以下になります。
空間的なまとまりを作るための手法
・異なる軸を利用する
・窓の配置と自然光の利用
・使う素材を統一する
・家具の配置で家の中心を作る
・視線の高さを低くする
異なる軸を利用する
空間的なまとまりを作るための手法は、異なる軸を利用することです。
異なる軸を用いることで空間を分節して、一方から切り離して独立した性格を持たせることができるからです。
異なる軸を利用した例ってあるの?
建築家ルイス・カーンの設計したフィッシャー邸などが異なる軸を利用したお手本のような建築になります↓
LDKのある部屋と寝室や浴室などの部屋を45度傾けてドッキングした形になっています。
このことにより、それぞれの性格の異なった空間だという認識を与え、部屋の持つ性格を強調する心理的な作用が働きます。
異なる軸を用いることで他から空間を分節して、その部屋自体に空間的なまとまりを作る方法は効果的です。
窓の配置と自然光の利用
空間的なまとまりを作るための手法は、窓の配置と自然光の利用することです。
窓の配置を効果的に用いると人間の視線を誘導することができ、その景色の見える場所としての性格を強めることができるからです。
自然光はどうやって利用できるの?
冬は自然光の差すひだまりが恋しくなったり、夏は自然光を遮る庇が作る陰が心地よく感じたり、季節ごとに自然光の感じ方は変わります。
自然光をうまく建築に取り込むことで季節ごとに特徴のある場所づくりが可能になります。
窓の配置と自然光を如何に利用するかで、その場所の持つ性格を強めることができます。
使う素材を統一する
空間的なまとまりを作るための手法は、使う素材を統一することです。
使う素材を統一すればゲシュタルト要因によりひとつのまとまりのある要素として認識することができるからです。
使う素材を統一する以外に方法なないの?
中心にしたい壁をアクセントとして素材を変える方法があります。
フィッシャー邸では暖炉のある壁を石造りにしています↓
もちろん火に強い素材だからということも理由にありますが、
その空間の中心であると意識させることで空間的なまとまりを作る効果もあります。
使う素材を統一することや、アクセントに異なる素材を使うことで中心を作り意識させることで空間的なまとまるを作ることができます。
家具の配置で家の中心を作る
空間的なまとまりを作るための手法は、家具の配置で家の中心を作ることです。
中心を作れば空間的なまとまりが強くなり落ち着ける居場所を作ることができるからです。
どうやって家具を配置すればいいの?
例えば、リビングなどではソファーやテレビなどをうまく配置することでまとまりのある空間にすることができます。
食後の家族がそろってくつろげる居場所を作ることで家の中心となる空間にすることができます。
テレビを設置する壁に間接照明の演出や飾り棚を設けることも効果的です。
家具の配置によりその家の中心となるまとまりのある空間を演出しましょう。
視線の高さを低くする
空間的なまとまりを作るための手法は、視線の高さを低くすることです。
リビングではよく用いられるダウンフロアと呼ばれるものになります。
視線の高さを低くすることで落ち着きのある空間にすることができます。
なんで視線を低くすると落ち着けるの?
視線を低くすることにより心理的、物理的な要因が関係しています。
視線を低くすることで視覚的な障害物が減り空間が広く感じられたり、
地面に近い位置に視線があると安全で守られている感覚が強くなるからです。
視覚的な広がり、安定感、安心感がリラックス効果につながるので、
落ち着いた雰囲気でまとまりのある空間を作る場合は効果的な手法になります。
まとめ
今回は注文住宅でリラックスする空間を作りたい人や空間的なまとまりがなぜ重要なのか知りたい人に対して、
注文住宅でリラックスする空間を作るための手法をご紹介してきました。
まとめると以下になります。
空間的なまとまりを作るための手法
・異なる軸を利用する
・窓の配置と自然光の利用
・使う素材を統一する
・家具の配置で家の中心を作る
・視線の高さを低くする
空間的なまとまりは快適な注文住宅を設計する上でとても重要になります。
また、間取りを考える際に、その空間を実際にそこで暮らす人がどのように感じるのかを考えることはとても大切になります。
空間的なまとまりを作る手法を自分なりに応用して、注文住宅でリラックスできる空間を作りましょう。
この記事が少しでも注文住宅をリラックスできる空間にしたい人のお役に立てれば幸いです。
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