こういう平屋だと後悔する?注文住宅を平屋にする場合の意外なデメリット5選

平屋はどの世代にも人気があります。

特に50代以上の方々は、いま家を建てるなら断然平屋がと感じるそうです。

平屋にするメリットってどんなことがあるの?

平屋のメリットとしては以下のようなことが挙げられます。

・階段の上り下りがない

・移動が少なくて済む

・屋外と効果的に繋がれる

・家族とのつながりを感じられる


などが挙げられます。

段差がなくワンフロアで全てが完結する暮らしはあらゆる面での負担が軽減されます。

私は18年間(2024年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、

平屋の間取りを希望する人は年々増えていると感じています。

今回は平屋だからこそ感じる意外なデメリットについてご紹介します。

この記事を読むと以下のことがわかります。

この記事でわかること

・平屋の意外なデメリット

・平屋の間取りの注意点

上記のことがわかります。

平屋の間取りは土地が広くないと難しい場合が多いです。

また、高齢の家族がいる場合はトイレを寝室の近くに2カ所つくった方がいいと思います。

建坪が大きくなると建築コストも高くなってしまいますが、

平屋の場合は間取りがとても重要になるのでしっかりと納得のいくまで考えましょう。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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平屋の意外なデメリット5選

平屋の意外なデメリットは以下の5つになります。

平屋の意外なデメリット5選

・仕切りが多くて不便
→開放感や楽な動線を重視
→引き戸で仕切る

・トイレへの動線が不便

→迷ったら2カ所設ける
→広めのトイレと引き戸にする

・室内に物干しスペースが欲しかった
→洗面所を広くし物干しポールを設置
→換気できる窓、送風機、除湿機

・断熱対策が不十分だった

→窓や屋根をしっかりと断熱する
→天井断熱、屋根断熱
→樹脂サッシ+Low-Eガラス

・もっと広い土地に建てたかった
→土地選びで妥協しない

仕切りが多くて不便

平屋のよさを最大限に感じたいのであれば、開放感や楽な動線を重視した間取りを考えることが大切です。

平屋のデメリットのひとつとして挙げられることが多いのは、プライバシーが損なわれることですが、

その対策として、部屋数を多くしたり、用途ごとに仕切りを多くしたりすると、開放感も移動のしやすさも無くなってしまいます。

壁や扉が多い分だけ費用もかかります。

平屋は2階建てに比べて間取りの自由度は高いです。

階段の位置を考える必要がないし、2階を支える必要がないので柱も少なくて済みます。

そのようなメリットを活かして間取りを考えるようにしましょう。

どうしても空間を分けたいのであれば、

壁や開き戸でしっかりと仕切ってしまうのではなく、必要に応じて仕切られるような引き戸がおすすめです↓

こちらの写真はPanasonicさんの間仕切り開閉壁「スクリーンウォール」です。

このようなものであれば、リビングの一角を寝室にすることもできます。

寝室は個室にしたほうが落ち着くという考え方もありますが、

平屋のように生活空間に近いところに寝室があるなら寝るためだけの部屋にしてしまうのはもったいないです。

寝る部屋としてつくってしまうとベッド以外の家具が置けなかったり、閉めっぱなしになって湿気がこもったりします。

高齢になってからは寝室をなるべく開放的にしておいたほうが、便利なことが多くなると思います。

トイレへの動線が不便

2階建はトイレを2カ所にすることが多いのですが、平屋の場合は迷うことがあります。

高齢になるとトイレが近くなるので迷ったら2カ所設けましょう

トイレを2カ所設置するゆとりがないなら、位置をよく考えなければ後悔することが多いです。

平屋では寝室からトイレが遠かったり、玄関の脇にあって冬は寒かったという後悔の声があります。

便利な位置を考えると

・寝室から近いほうがいい

・食事のスペースに面していないほうがいい


などが挙げられます。

お子さんが独立して夫婦2人で暮らす平屋の間取りでは、洗面所とトイレの扉が面している場合はトイレを少し広めにして引き戸にしましょう。

広めとトレイや引き戸にすれば、老後に介助が必要になった時に備えられます

洗面所と脱衣室が一緒になっていると使いにくいことがあるので、できれば仕切りがあったほうが良いでしょう。

室内に物干しスペースが欲しかった

平屋は庭に面しているので、洗濯物を庭に干すように考える人も多いのですが、

道を歩いている人や来客者の目に入ってしまって気になるという声もあります。

でも、ほとんどの場合は、庭は日当たりが良くて洗濯物がよく乾くんですよね。

乾きにくいものや大きなものは、テラスやウッドデッキの物干しスペースに干して、

下着や日陰干しがいいものは室内に干せるスペースがあるといいですよね。

ランドリールームをつくるゆとりがない場合は、洗面所を少し広めにして物干しポールを設置しましょう。

その際は、湿気が多くなるので風が通るような窓や送風機、除湿機などを設置しておきましょう。

最近は洗濯乾燥機にするご家庭も多いのですが、洗濯機の横に乾いた洗濯物をたたむ作業台をおくと便利です。

断熱対策が不十分だった

2階建てでも平屋でも、断熱性能を高くすることは快適に暮らすために大切なことです。

平屋はすべての空間が屋根の下にあるので、屋根や天井の断熱性能が低いと夏はとても暑くなります。

また、窓の断熱性能も大切です。

最近では真夏の気温がとても高く、地面からの照り返しでも暑さを感じます。

平屋はどちらからも影響を受けるので、断熱対策はしっかり行わなければなりません。

上からの熱気を抑えるには「天井断熱」と「屋根断熱」があります。

天井断熱と屋根断熱についてのそれぞれのメリット・デメリットは以下の記事をご参照ください↓

天井断熱

天井部分に断熱材を入れて天井を断熱する工法です。

ほとんどの住宅ではこの工法が用いられています。

天井断熱は断熱材を厚くしても問題ないので、厚い断熱材を使用することができますが、

天井裏の熱気がたまってかなり厚くなることがあります↓

夏は屋根の温度が80℃くらいまで上がるので、天井裏をしっかりと換気できるようにしましょう。

屋根断熱

屋根裏に断熱材を入れる工法です。

断熱材の厚みによって変わりますが、屋根が80℃まで上がっても小屋裏は35℃程度までの上昇で抑えられるとされています。

ただし、屋根断熱のほうが天井断熱よりも面積が広く、工事も大掛かりになるので費用は高くなります。

平屋では勾配天井も人気がありますが、その際も屋根断熱が必要です。

窓の断熱性能

平屋は周囲に高い建物があると日差しが遮られてしまうので、大きな窓を設置することも多いと思います。

窓の性能は室温にかなり影響するものなので、大開口の窓を採用する場合は地面からの熱気や冷気も考えて、

断熱性の高い「樹脂サッシ+Low-Eガラス」を検討しましょう。

大開口の窓は部屋の奥まで日差しを取り込むことができますが、夏は遮るものがないととても暑くて大変です。

軒や庇を設けることで夏の日差しを大幅にカットできるので、外観を決める際に検討しましょう。

もっと広い土地に建てたかった

平屋は狭い土地には不向きと言われますが、実際に費用面から十分な広さの土地を購入できなくて後悔しているという声も多いです。

平屋は建ぺい率との兼ね合いから最低でも60坪程度は必要だと思います。

2階建てや3階建てと違って、縦に床面積を増やすことができないので、

「30坪の平屋を建てたい」

と思ったら、それが可能な土地を探すことになります。

狭い土地に平屋を建てると以下のようなことが起こります。

・周囲を2階建て以上の建物に囲まれて日当たりが悪い

・目隠しフェンスを建てて窮屈になる

・駐車スペースが十分に取れない


などの不自由さが出てきます。

また、平屋はワンフロアにすべてを詰め込むので、動線のよい間取りにするためには設計の工夫も必要になります。

土地にゆとりがないと暮らしやすい家が建てられなくなることがあります。

平屋を検討する場合は土地選びで妥協しないことも大切です。

まとめ

今回は注文住宅を平屋にしたい人や平屋のデメリットを知りたい人に対して、

注文住宅を平屋にする場合の意外なデメリットをご紹介してきました。

まとめると以下になります。

平屋の意外なデメリット5選

・仕切りが多くて不便
→開放感や楽な動線を重視
→引き戸で仕切る

・トイレへの動線が不便

→迷ったら2カ所設ける
→広めのトイレと引き戸にする

・室内に物干しスペースが欲しかった
→洗面所を広くし物干しポールを設置
→換気できる窓、送風機、除湿機

・断熱対策が不十分だった

→窓や屋根をしっかりと断熱する
→天井断熱、屋根断熱
→樹脂サッシ+Low-Eガラス

・もっと広い土地に建てたかった
→土地選びで妥協しない

平屋の間取りは土地が広くないと難しい場合が多いです。

また、高齢の家族がいる場合はトイレを寝室の近くに2カ所つくった方がいいと思います。

建坪が大きくなると建築コストも高くなってしまいますが、

平屋の場合は間取りがとても重要になるのでしっかりと納得のいくまで考えましょう。

この記事が少しでも平屋を検討している人のお役に立てれば幸いです。

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