設計事務所での心構えとは？建築士が設計事務所に所属するメリット・デメリット

建築士の資格があれば簡単な事務手続きをすれば建築士事務所を開業することができます。

独立すれば設計事務所内の人間関係やストレスから解放されて自由に設計を楽しむことができます。

しかしながら、独立してからわかるのですが、設計事務所に所属していた頃が如何に恵まれた環境だったのかを知ることになると思います。

いちばん大きいのは仕事をとりに行かなくてもいいことだと思います。

営業活動がないと設計の仕事だけに集中することができるからです。

私は17年間(2023年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、

独立してからは常に次の仕事をとることが頭から離れず、不安を抱えることが多くなりました。

しかしながら独立したからこそ得られた知識や経験、人脈もあります。

今回は建築士が設計事務所に所属するメリットとデメリットや設計事務所での心構えをご紹介します。

この記事を読むと以下のことがわかります。

上記のことがわかります。

建築士としての成長を考えるのであれば、いちどは独立をしてみることを私はおすすめします。

設計事務所に所属していると出会えない人脈や経験が得られるからです。

建築士資格があればいつでも再就職できるので、自分に合った働き方を積極的に探してみましょう。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士　第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成！

住宅に関する悩みを解決すべく、ブログやTwitterで情報発信しています。

「いいね!」や「フォロー」していただけるとうれしいです。ヨロシク(b･ω･d)デス♪

それからコメント欄はこれまで皆さんが経験してきたことを発信する場として使っていただければ幸いです。

役立つ情報をみんなで共有できるような書き込みは大歓迎です。

• Facebook
• Twitter
• Instagram

設計事務所で働く時の心構え

設計事務所で働く時の心構えは以下になります。

独立や転職を視野に入れておく

設計事務所で働く時の心構えは、独立や転職を視野に入れておくことです。

一級建築士をとったのであれば、設計事務所として独立することができるからです。

また、今の仕事がキャリアアップにつながるかどうかも考えましょう。

いま自分が担当している仕事のマニュアルや資料整理をし、いつでも仕事を引き継げるようにしておくことが大切です。

独立や転職のチャンスは突然巡ってくる場合が多いです。

日頃からの仕事の仕方をしっかりと整理して資料を作っておきましょう。

自分自身の影響力を身につける

設計事務所で働く時の心構えは、自分自身の影響力を身につけることです。

自分自身の影響力があれば、その後の人生が楽になるからです。

SNSやブログ、youtubeなどで有益な情報を発信することで身につけることができます。

影響力があれば協力してくれる人脈も増えるので、チャンスが巡ってきた時に独立することも可能です。

独立することが最終的な目的でないとしても影響力があれば、

人に働きかけることが容易になるのでさまざまなビジネスチャンスに恵まれます。

設計事務所で働いている間に人脈を活かした人間関係をうまく構築して自分自身の影響力を高めていきましょう。

伝えるための建築設計をする

設計事務所で働く時の心構えは、伝えるための建築設計をすることです。

建築設計するときは説明すること前提で図面を描くべきです。

説明できない図面はただの絵やスケッチになってしまいます。

また、意図が伝わらない図面では実現することができないからです。

細部の納まりや施工方法まで考えた上で図面を描くことが必要になります。

また、施主だけでなく施工担当者や職人さんたちにも伝わるようなわかりやすい設計をする必要があります。

建築設計をするときは常に誰かに説明することを前提に図面を描くクセをつけておきましょう。

相談のできる人脈を作る

設計事務所で働く時の心構えは、相談のできる人脈を作ることです。

問題が起きた時に、自分ひとりで悩むよりも人脈を駆使して詳しい人に聞いた方が早いからです。

設計事務所内だけでなく、メーカーや専門業者、職人さんなど幅広い分野で相談できる人脈を作りましょう。

人脈を広げるには多くの現場で工事監理するのがいちばんいいと思います。

仕事上の付き合いだけでなく人間性をお互いに理解し、認め合える仲間を作りましょう。

細かなところまで設計的な配慮をする

設計事務所で働く時の心構えは、細かなところまで設計的な配慮をすることです。

建築設計は細かなところまでの設計的な配慮がとても重要になるからです。

どこまで考えられるかで納まりの綺麗さや完成度が変わってきます。

例えば、洗面台で使う電化製品によりコンセント位置や個数を決めたり、

洋服の種類や収納量によって作り付けのクローゼットの引き出しサイズを決めたるすることです。

また、料理の出し方や食事の仕方によってもダイニングに必要な什器や照明、コンセントなどが変わってきます。

実際に自分がその中でどのように暮らすのかを具体的にイメージしながら設計するクセをつけましょう。

建築士が設計事務所に所属するメリット

建築士が設計事務所に所属するメリットは以下になります。

仕事の安定性が高くなる

建築士が設計事務所に所属するメリットは、仕事の安定性が高くなることです。

仕事をとるために営業活動をする必要がなく、長期にわたって設計の仕事がある設計事務所が多いからです。

仕事に安定性があると経営のことに悩むことがなくなり設計の仕事に集中することができます。

また、収入の面でも安定した給与があるので設計事務所に所属するメリットは大きいです。

設計事務所の運営では安定した仕事をとるにはとても苦労します。

正社員は最小限にとどめておいて、大きな仕事がある時にフリーランスの建築士を集めて仕事を回すという組織設計事務所もあります。

自分が設計に集中したいのであれば設計事務所に所属した方がメリットは大きいです。

スキルアップが期待できる

建築士が設計事務所に所属するメリットは、スキルアップが期待できることです。

設計事務所では、個人では請負えない大規模プロジェクトなどに携わる機会があるからです。

大規模プロジェクトは最新の建築技術に触れられたり、自分自身のスキルアップに繋げるられることが多いです。

また、同僚や先輩もいるので困った時でも簡単に相談することができる点も大きいです。

同僚や先輩の仕事を盗みとり自分の設計に取り入れることでもスキルアップが期待できます。

個人で設計事務所をやっている場合はリスクを伴わないとスキルアップできないことが多いです。

失敗すれば設計事務所を畳まなければならないので、なかなかスキルアップの機会に恵まれなくなります。

設計事務所に所属すれば最終的に会社がリスクを請け負ってくれるという安心感は大きいと思います。

先輩や上司から学べる

建築士が設計事務所に所属するメリットは、先輩や上司から学べることです。

設計事務所では、経験豊富な先輩や上司から学ぶ機会が豊富にあるからです。

彼らの豊富な経験や知識を活かし、建築の専門知識や実務上のノウハウを吸収することができます。

また、自分では解決できない問題も先輩や上司に相談することができるといったメリットもあります。

私も会社員時代は先輩や上司から多くのことを学んできました。

その時に学んだ知識や経験が今の設計事務所の運営に活かされているというところもあります。

学べる体制があるうちに、多くのことを学んでおきましょう。

チームで大きな仕事ができる

建築士が設計事務所に所属するメリットは、チームで大きな仕事ができることです。

設計事務所では、複数のメンバーが協力して大規模なプロジェクトに取り組むことがあります。

チームの一員として、自身の専門性を生かし、共同作業を通じて優れた建築物を創り上げることができます。

大きなプロジェクトに携わることで、自身のキャリアにも磨きをかけることができます。

個人で設計事務所をやっていると大規模なプロジェクトにはなかなか関われないのですが、

長期的な仕事の安定性を求めるのであれば大規模プロジェクトに関わっていくことが重要になります。

大規模プロジェクトはチーム戦です。

組織の中でどのような役回りをすればいいのかや、人間関係や政治力などたくさんの学びがあります。

チームで大きな仕事ができるチャンスがあれば積極的に参加して自身のキャリアに磨きをかけましょう。

自分のアイデアに意見をもらえる

建築士が設計事務所に所属するメリットは、自分のアイデアに意見をもらえることです。

設計事務所では、プロジェクトごとにアイデアの出し合いや打合せが行われます。

自身のアイデアや提案に対して、先輩や上司からフィードバックをもらうことができます。

もちろん肯定的なことだけでなく叱られたりすることも多いのですが、

自分を叱ってくれる人の存在は後々になって大きかったと気づくと思います。

個人でやっている設計事務所の場合は自分のアイデアに意見をもらえる機会が少なくなります。

自分のアイデアに意見をもらうと、自身の創造性や発想力を向上させることができます。

建築士が設計事務所に所属するデメリット

建築士が設計事務所に所属するデメリットは以下になります。

設計に対する責任感が育たない

建築士が設計事務所に所属するデメリットは、設計に対する責任感が育たないことです。

特に大規模プロジェクトの場合は役割分担がはっきりしているため、プロジェクト全体の責任が自分には問われない場合が多いからです。

チームでの作業や上司の指示に従うことが主となるため、個々の設計に対する責任感を十分に育むことができないかもしれません。

クライアントが限られる

建築士が設計事務所に所属するデメリットは、クライアントが限られることです。

限られたクライアントからは同じような仕事ばかりになり、自分のやりたい仕事でない場合も多いです。

同じような仕事ばかりだと自分自身の人脈を広げるチャンスも少なくなります。

しかしながら、収入や仕事の安定を考えるとメリットが多いので限られたクライアントでも大切に接しましょう。

新しい仕事にチャレンジする機会が少ない

建築士が設計事務所に所属するデメリットは、新しい仕事にチャレンジする機会が少ないことです。

新しい仕事にチャレンジすることは自分自身のスキルアップにつながることが多いです。

また、それを実現するための人脈づくりも必要になります。

設計事務所では、長期のプロジェクトに従事することが多いので、

新しい分野や異なるスケールのプロジェクトにチャレンジする機会は限られるかもしれません。

労働時間に縛られる

建築士が設計事務所に所属するデメリットは、労働時間に縛られることです。

特に社長や営業と一緒に打合せに付き合うと土日や休日に出勤しなければならないことが多々あります。

また、締切期間があるプロジェクトの場合は、

やり終えるまでのスケジュールは個人の判断に委ねられるため、労働時間が不規則になることがあります。

プロジェクトの急な変更に対応するため、残業や夜間の作業が発生することもあります。

報酬に上限がある

建築士が設計事務所に所属するデメリットは、報酬に上限があることです。

設計・監理料がいくら多くても給与として支払われるので報酬に上限が決められているからです。

一方で個人でやっている設計事務所の場合は設計・監理料の収益やプロジェクトの利益がダイレクトに入ってきます。

設計事務所に所属すると独立して働く場合と比較して、収入の伸びしろが制限される可能性があります。

まとめ

今回は設計事務所で働く時の心構えを知りたい人や設計事務所に所属するメリット・デメリットを知りたい人に対して、

建築士が設計事務所に所属するメリットとデメリットや設計事務所での心構えをご紹介してきました。

まとめると以下になります。

建築士としての成長を考えるのであれば、いちどは独立をしてみることを私はおすすめします。

設計事務所に所属していると出会えない人脈や経験が得られるからです。

建築士資格があればいつでも再就職できるので、自分に合った働き方を積極的に探してみましょう。

この記事が少しでも設計事務所で働き時のヒントとなってくれれば幸いです。

この記事が役に立った、面白かったという方はコメントしてくださいね。

また、FacebookやTwitterでみなさんのお役にたてる情報発信しています！

「いいね!」や「フォロー」していただけるとうれしいです。ヨロシク(b･ω･d)デス♪

アーキトリック一級建築士事務所

• Facebook
• Twitter
• Instagram