【照明計画の完全ガイド】注文住宅の照明計画で注意するポイント4選

注文住宅を考えている皆さん、家づくりって本当に大変ですよね。

外観や間取りも大切ですが、照明の種類や配置は毎日の暮らしの中で作業ひとつひとつに影響します。

暮らしはじめてから、ここに照明が足りなかったと気づいて照明を追加購入するようになるのは嫌ですよね。

逆に、無駄にたくさんつけてしまったという失敗もあります。

照明が足りなかったらどうすればいいの?

照明器具を増設する場合は天井を剥がすなどの大掛かりな電気工事が必要になる場合があります。

特に屋根裏や点検口のない天井にダウンライトを設置するのは難しいです。

調光、調色機能のある照明器具をうまく使い、少し過剰なくらいに照明器具を設置した方がいいと思います。

私は17年間(2023年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきました。

長年、店舗や旅館の設計をやっていた経験を活かして注文住宅の照明計画をするのですが、お客様にとって満足度の高い照明計画を実現できています。

今回は照明の選び方と配置の仕方をプロの視点でアドバイスします。

この記事を読むと以下のことがわかります。

この記事でわかること

・照明計画での注意点

・LDK照明で気を付けること

上記のことがわかります。

日本の注文住宅の照明計画は均一な明るさを求める傾向が強いです。

夜には夜の雰囲気を演出するための暗さがあった方がいいというのが長年の私の経験上の考えです。

しかしながら、調理作業をしたり勉強したりする空間にはそれなりの明るさが必要になるのも事実です。

場所ごとの必要な明るさをしっかりと考えて、どの空間でも快適に過ごせる照明計画を作りましょう。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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照明計画での注意点

照明器具は大きく分けると以下のようになります。

照明器具の種類

・埋め込み型

・直付け型

・吊り下げ型

・置き型

があります。

埋め込み型はダウンライトなど、直付け型はシーリングライトなど、吊り下げ型はシャンデリアやペンダントライトなどになります。

天井裏や壁の中に配線が必要となるため、位置を変えるには大掛かりな工事が必要になる場合があります。

それを踏まえて、ひとつずつ見ていきましょう。

LDK照明で気を付けること

それぞれの照明には作業に不自由しない明るさで照らせる範囲があります。

LDK照明で気を付けることは以下になります。

LDK照明で気を付けること

・キッチン
→ベースライトはLED蛍光灯直管型
→調理台の上に手元が暗くならないように別途照明

・ダイニング
→ダクトレールのペンダントライト

・リビング
→均一さを求めるならシーリングライト
→ワークスペースなどには個別の照明が必要

例えば、18帖のLDKで考えてみると以下のようなLDKでは3つのエリアに分けて考えるようになります↓

キッチン

キッチンが約4帖、リビングとダイニングが約14帖の場合の一般的な照明を考えてみると

キッチンは全体を照らすベースライトとしてはLED蛍光灯直管型などが選ばれます↓



細長いタイプの天井照明であれば隅々まで光が届くので料理をする際にも不自由がありません。

調理台の上に手元が暗くならないように別途照明が必要となります。

ダイニング

ダイニングはペンダントライトを採用するご家庭も多いです。

ダイニングテーブルと照明の位置がずれてしまったという失敗談もよく聞かれます。

位置が変わる可能性を考えてダクトレールを設置するといいと思います。

ダクトレールとはこのようなものです↓

Panasonicより

こちらはPanasonicさんの商品ですが、ペンダントライトの取り替えもワンタッチです。

リビング

シーリングライトをベースにすれば広範囲を均一に照らすことができます。

最近は、シーリングライトの見た目や雰囲気がイマイチということでダウンライトを選ぶご家庭も増えていますが、

ダウンライトについては後ほど触れます。

テレビを見て過ごすときには不便さを感じませんが、壁付のデスクなどがある場合は背面から照らされると手元が暗くなるので、

この間取りではダイニングの壁の部分やリビングのコーナーの壁面にあるワークスペースは個別の照明が必要になります↓

LDKのように広い空間の照明計画はどこに何を置くか、どの場所でどんな過ごし方をするかをシミュレーションして、照明器具の照射範囲と合わせて考えましょう。

調光、調色が必要な場所

調光とは明るさの調節機能で、調色とは色を変える機能になります。

LDKでは全ての照明の色を統一した方が雰囲気はとてもよくなりますが、

過ごし方によっては適切な色が変わりますよね。

LEDの色としては以下の4つの種類があります↓

LEDの色の種類

・電球色

・温白色

・昼白色

・昼光色

電球色はオレンジがかった赤みの強い暖かみのある色

温白色は電球色ほど赤みはないが暖かみのある色

昼白色は太陽の光に近い自然な色

昼光色は青みがかった明るい色

となります。

キッチンは昼白色が調理しやすいという声が多いようです。

また、読み書きする際には昼白色や昼光色が集中できるといわれています。

一方で、食事をしたりゆっくりくつろいだりするときには電球色や温白色がいいです。

このようにさまざまな過ごしかたをするLDKで、スペースごとに照明の色を変えてしまうと、同時につけたときに色が混ざり合ってしまいます。

食後にゆったりくつろいでいるときに、後片付けをしているキッチンが明るすぎて落ち着かなかったり、

キッチンも調光、調色機能のある照明にすればよかったと後悔したご家庭もあります。

また、照明の色で悩むのが洗面所になります。

ウォークインクローゼット内や洗面所は身支度を整える際には外に出たときのギャップがなうように、太陽光に近い昼白色がいいと思います。

寝室でお化粧する場合は昼白色の照明器具で顔を照らすようにブラケットライトを設けるなどの工夫をしましょう。

洗面所には洗面台のライトがあるので、全体を照らすベースライトは明るすぎない電球色や昼白色、温白色でも良いと思います。

ダウンライトをベースにする

ダウンライトはシーリングライトのように出っ張りがなく、天井がフラットなので空間がスッキリして広く見えます。

どのような床、壁、インテリアにでも合わせられるというメリットもあります。

ただし、LDKをダウンライトのみにする場合は、そのご家庭のライフスタイルによって配置がかなり変わります。

しっかりシミュレーションして決めないと快適に過ごせなくなってしまいます。

ダウンライトでの照明計画について詳しくはこちらの記事をご参照ください↓

ダウンライトは照射角度がかなり狭いので隅のほうまで光が届かなかったなんてことよくあります。

また、逆に心配で設置数を多くしすぎてしまったなどの失敗例があります。

先ほどの18帖のLDKの間取りでダウンライトの配置を考えてみるとこうなります↓

キッチンの通路には先ほどお話ししたLED蛍光灯直管型が便利ですが、

ダウンライトにするなら等間隔に3〜4個程度、調理台は手元が暗くなってしまうので、真上に数個あるといいと思います。

ダイニングには60W相当の電球を3灯縦並びに配置、リビングには100w相当の電球を5灯配置設置してあります。

ダイニングで食事をするときには点灯して、

それ以外はリビング側のダウンライトをシーンによって調光、調色しながら使用するといった配置になっています。

必要なところだけ点灯することで電気代の節約にもなります。

また、ワークスペースではお子さんたちが宿題をしたり、パソコンを使ったりすることを考えて、60w相当のものを2ヶ所ずつ設置すれば十分でしょう。

ダウンライトは基本的にましたを照らすものなので、明るさが十分でないスペースができやすいかもしれません。

角度を調整できる「ユニバーサルタイプ」もあるので、それも検討してみましょう。

寝室や子供部屋の照明の注意点

寝室や子供部屋の照明の注意点は以下になります。

寝室や子供部屋の照明の注意点

・寝室
→寝転んで真上にダンライトは設置しない
→テーブルランプ
→調光機能のあるシーリングライト

・子供部屋
→調光機能のあるシーリングライト

寝室をダウンライトのみにするご家庭も増えています。

ダウンライトは真下から見上げるとかなりまぶしく感じるので、寝転んで上を見上げるベッドの上には不向きです。

ベッドサイドには置き型のテーブルランプがあると夜トイレに起きた時など便利です。

また、ワークスペースを兼ねていたり寝室で身支度をしたりする場合は、調光機能があるシーリングライトの方がいいかもしれません。

子供部屋は部屋全体を均一に照らせるシーリングライトがよいでしょう。

中高生になると勉強をする、スマホを見る、パソコンを使うという過ごし方になります。

どこに座っても寝転んでも見やすいように部屋は明るい方が良いでしょう。

照明の種類や配置は毎日の生活に直結するものなので、失敗するととても不便になってしまいます。

設計で提案される照明プランはあくまでも一般的なものなので、そのまま採用して大失敗ということもあるので注意ましょう。

家が完成してからでは簡単に修正できないので、家族の過ごし方に合わせて慎重に考えましょう。

まとめ

今回は照明計画での注意点を知りたい人やどんな照明器具を選んだらいいのかわからない人に対して、

注文住宅の照明計画で注意するポイントを4つご紹介してきました。

まとめると以下になります。

LEDの色の種類

・電球色

・温白色

・昼白色

・昼光色

照明器具の種類

・埋め込み型

・直付け型

・吊り下げ型

・置き型

LDK照明で気を付けること

・キッチン
→ベースライトはLED蛍光灯直管型
→調理台の上に手元が暗くならないように別途照明

・ダイニング
→ダクトレールのペンダントライト

・リビング
→均一さを求めるならシーリングライト
→ワークスペースなどには個別の照明が必要

寝室や子供部屋の照明の注意点

・寝室
→寝転んで真上にダンライトは設置しない
→テーブルランプ
→調光機能のあるシーリングライト

・子供部屋
→調光機能のあるシーリングライト

日本の注文住宅の照明計画は均一な明るさを求める傾向が強いです。

夜には夜の雰囲気を演出するための暗さがあった方がいいというのが長年の私の経験上の考えです。

しかしながら、調理作業をしたり勉強したりする空間にはそれなりの明るさが必要になるのも事実です。

場所ごとの必要な明るさをしっかりと考えて、どの空間でも快適に過ごせる照明計画を作りましょう。

この記事が少しでも照明計画に悩んでいる人のお役に立てれば幸いです。

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アーキトリック一級建築士事務所

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