【住宅展示場の攻略】モデルハウス見学で騙されないためのポイント
家を建てたいと思った時に、とりあえずモデルハウスの見学をしてみようと考える人は多いと思います。
特に住宅展示場はキャラクターショーがあったりプレゼントを配ったりとお子さんが喜ぶイベントをやっていることが多いです。
しかし、なんとなくでモデルハウスの見学をしてしまうと、モデルハウスの隠された罠にうっかり騙されてしまう場合があります。
隠された罠ってなに?
いちばん被害が大きいのは、ハウスメーカーの担当者の客の囲い込みと営業に押されて選択肢が狭められてしまうことです。
私は17年間(2023年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきました。
週末には建築のプロである素性を隠して、住宅展示場でモデルハウスを見学するのが趣味で、現在はやっている注文住宅を市場調査しています。
そんな私ですが、モデルハウスの隠された罠にハマってしまうこともしばしばあります。
今回はモデルハウスの闇に焦点をあてて、見学の際の注意点や罠についてご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・モデルハウスの注意ポイント
・騙されないための対策
上記のことがわかります。
設計事務所を運営している立場で考えると、ハウスメーカーの住宅展示場はとてもよくできたシステムだと思います。
見込み客だと認識されると1年以上は付き纏われることもあるので注意が必要です。
また、注文住宅はハウスメーカーだけでなく、地元の工務店や設計事務所でも建てられるという選択肢を常に頭の片隅においておきましょう。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!
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目次
住宅展示場に行く前に用意する道具
住宅展示場に行く前に用意する道具は以下になります。
用意する道具
・スマートフォン
・メモ帳とペン
・トートバッグ
・コンベックス
・ずっと使いたい自宅の家具のサイズメモ
スマートフォンがあれば写真や懐中電灯の代わりになるので必ず持っていきましょう。
スマホのアプリで「コンパス」や「計測」などがあります。
とても便利ですので活用しましょう。
トートバッグはパンフレットやカタログ、プレゼントを収納するために必要となります。
コンベックスとはメジャーのことです。
メジャーは一般に「コンベックス」と呼ばれています。
展示場に持っていくならタジマの5m以上のものがおすすめです↓
タジマ(Tajima) コンベックス 剛厚テープ5m×25mm
¥2,582
5m以上あると天井高を測ったり、部屋の端から端まで一度で測ることができます。
また、こちの商品は落下防止用ベルトホルダーが付いているので、サッと取り出しカチャッと収納することができるのでおすすめです。
モデルハウスの注意ポイント
モデルハウスの注意ポイントは以下の9つになります。
モデルハウスの注意ポイント
①プレゼントや特典目的で行かない
②営業担当者の態度
③耐震性、気密断熱性は基準値を超えているか
④広さの単位は「何㎡か」で聞く
⑤小さな子供はなるべく預ける
⑥間取り図をもらう
⑦モデルハウスと同じ仕様にできない
⑧小さな家具で部屋を大きく見せる
⑨見学の際はメジャーを持参する
①プレゼントや特典目的で行かない
「見学予約をしてご来場いただいた方にはQUOカード何千円分プレゼント!」
などのキャンペーンをよく見かけます。
見学するだけでプレゼントがもらえるならと思うかもしれませんが、軽い気持ちで参加するのはあまりおすすめではありません。
数千円の特典と引き換えに、担当者やハウスメーカーを自由に選ぶチャンスを失ってしまう危険性があるからです。
見学予約のプレゼントに限らず、大体のプレゼントや特典はアンケート記入でもらえるというシステムが一般的ですが、
そこで気軽にアンケートに記入してしまうと、そのときたまたま話しただけの営業担当者がそのままあなたの担当になってしまいます。
次のポイントで詳しくお話ししますが、家づくりにおいて担当者の質は非常に重要となります。
後悔しないためにも、気軽にアンケートを書かないようにしましょう。
なぜハウスメーカーはプレゼントを渡してでもモデルハウスを見学して欲しいのかというと、何千万円もする家を建ててもらいたいからです。
アンケートに記入する内容は
・住所
・氏名
・電話番号
・E-mailアドレス
・年収
・土地の有無
・家の購入予定時期
などを書くことが多いです。
アンケートで購入見込みがありと判断されると他のハウスメーカーよりも先に話を進めるために、
電話はもちろんのこと度々自宅まで営業に来ることがあります。
そして、間取りを提案されたり工場見学や完成見学会に誘われたりしているうちに、話がどんどん進んでしまい、
そのまま流れで契約をしてしまったなんてことにもなりかねません。
たった数千円で選択肢を狭めてしまう危険性があるので、
プレゼントや特典に惹かれて軽い気持ちでモデルハウスに行くのはやめましょう。
②営業担当者の態度
ハウスメーカーでアンケートに記入すると最初に対応してくれた営業担当者がそのまま担当者になることが多いです。
そのため、本当に信頼できる営業担当者かアンケートを記入する前に見極める必要があります。
知識がなかったり、不誠実な営業担当者が担当になってしまうと、
受け取れるはずだった補助金の申請ができなかったり、打ち合わせの内容が現場まで伝わらなかったりすることがあります。
施主と建築士、現場監督などとの仲介役を務める営業担当者は、家づくりの成功に大きく影響を与えるほど重要な存在です。
アンケートに記入する前に
・質問にちゃんと答えてくれるか
・デメリットについても話してくれるか
などの点を意識し、会話して、営業担当者の質と自分との相性をじっくりと確認するようにしましょう。
③耐震性、気密断熱性は基準値を超えているか
耐震性はいうまでもなく地震大国の日本では重要なポイントです。
耐震性は耐震等級で判断することができます。
耐震等級1は建築基準法レベルを最低限クリアしているという程度で、最も高い耐震等級3の場合は耐震等級1の1.5倍の性能があります。
耐震、制振、免震かはハウスメーカーによって異なるため、ハウスメーカーを決める前に必ず確認しておきましょう。
また、最近は国をあげての省エネ住宅化が進められるほど住宅のエネルギー効率が重視されています。
どうすればエネルギー効率の良い家にすることができるのかというと、まずは断熱性と気密性を上げることが大切になります。
断熱性はUA値、気密性はC値で表され、数字が小さいほど性能が高くなります。
④広さの単位は「何㎡か」で聞く
住宅展示場などにあるモデルハウスは、一般的な住宅とは大きさが違うことはご存知でしょうか?
例えば、ハウスメーカーさんが過去に使用していたモデルハウスの広さを見ると延べ床面積79.17坪でした。
ハウスメーカーによって若干の違いはありますが、大手ハウスメーカーのモデルハウスは70〜80坪の広さであることが多いです。
そのため、何も知らないで見学に行くと、
「注文住宅ならこんなに素敵な家が建てられるんだ!」
と錯覚してしまう場合が多いです。
しかしながら、実際に建てられた注文住宅の延べ床面積の平均は36〜37坪程度です。
これは2世帯住宅なども含んだ平均値なので、地域によっても大きく異なりますが、一般的な戸建ての場合はもっと狭くなるかと思います。
つまり、モデルハウスは一般的な住宅の倍以上の広さがあると知っておくべきです。
しかし、そうは言っても全ての部屋が広いと広さに対する感覚が麻痺してしまいますよね。
そこで、ぜひ気をつけていただきたいのが、広さについて質問をするときの「単位」になります。
部屋の広さを「何畳か」で聞く方も多いかと思いますが、実は1畳あたりの大きさは統一された基準がないんです。
「京間」「本間」は京都を中心とした関西で主に使用されている畳の大きさで、1畳あたり1.82㎡となります。
一方、「団地間」は集合住宅で主に使用されている畳の大きさで、1畳あたり1.45㎡となっていて、京間の8割の大きさとなります。
この違いを利用してモデルハウスを数字よりも広く見せようとするハウスメーカーもあります。
そのため、広さを確認する際は「何畳か」ではなく明確な基準である「何㎡か」で確認しましょう。
⑤小さな子供はなるべく預ける
住宅展示場はもちろんのこと、特に完成見学会では小さなお子さんから目を離すのは絶対にNGです。
素手でクロスに触れて汚してしまったり、物を落としてフローリングに傷をつけてしまう危険性があります。
お子さんを連れて行く場合は抱っこや手を繋いで絶対に目を離さないようにしましょう。
また、住宅展示場内にあるモデルハウスによってはキッズスペースが設けられている場合もあります。
しかし、モデルハウスの滞在時間は30分から1時間と長くなりがちなため、お子さんが話の途中で飽きてしまうこともあります。
見学の際にしっかり話を聞きたいのであれば、住宅展示場によって無料の託児サービスがあるので、積極的に利用しましょう。
⑥間取り図をもらう
モデルハウス見学あるあるですが、予備知識なしに説明を聞くとぼんやりとした理解で、すぐに忘れてしまい、メーカーのカタログだけが増えていきます。
それではせっかく見学に使った時間と体力がもったいないです。
そこでぜひ知っておいていただきたいのが、モデルハウスの間取り図をもらうことです。
モデルハウスは見学に来た人に
「こういう家が欲しい!」
と思わせるための工夫が詰まっています。
そんなモデルハウスの間取り図を手に入れることで自分はどんな家に住みたいのか、自宅でゆっくりと間取り図を見ながら考えることができます。
さらに、キッチンや洗面所周りなどの家事動線や間取りの工夫を詳しく聞いて、間取り図にメモしておくことをおすすめします。
このような情報を残しておくことで、のちのち実際に間取りを考える際の参考にすることができます。
⑦モデルハウスと同じ仕様にできない
モデルハウスは一般的な顧客が建てる実際の家よりも広く、住宅設備もハイグレードに作られています。
そのため、再現するためには多額の費用が必要となり、基本的にモデルハウスのような家を建てることは難しいということを覚えておきましょう。
また、モデルハウスは30年50年も使用する予定では建てられていないので、実際の住宅では再現できない仕様になっていることもあります。
良いと思った仕様は
・いくらかかるのか
・実際の住宅で再現できるか
を確認しておくと、理想と現実との間に大きなギャップが生まれるのを防ぐことができます。
ハウスメーカーのお客さんが建てた住宅の完成見学会なら、現実的な仕様の住宅であることが多いので、広さや間取りなど参考になることが多いです。
⑧小さな家具で部屋を大きく見せる
部屋を広く見せるコツは余白を作ることです。
実際にソファーに座ってみたり、ベッドに横になってみたりするとよくわかるのですが、
モデルハウスに置かれている家具はあえて小さく作っていることがあります。
これは、余白を作ることで部屋を大きく見せるというよくある罠になります。
モデルハウスのサイズ感を鵜呑みにしてしまうと、このくらいの広さなら3人掛けのソファーをおいても余裕があると考えていたのに、
実際においてみると窮屈になってしまったなんてこともありえます。
モデルハウスのベッドに横になるのは流石に抵抗があるという方は、
置かれているベッドの大きさを測ってみて自宅のものとサイズ感を比較してみましょう。
⑨見学の際はメジャーを持参する
部屋の広さがどのくらいなのか、本当にモデルハウスのような家具の配置ができるのかなど、
これらの疑問を確実に解消するために、モデルハウスの見学の際はメジャーを持っていくようにしましょう。
さらに、自宅の広さや家具の大きさをメモしていくとより具体的なイメージをつかめます。
メジャーは一般に「コンベックス」と呼ばれています。
展示場に持っていくならタジマの5m以上のものがおすすめです↓
タジマ(Tajima) コンベックス 剛厚テープ5m×25mm
¥2,582
5m以上あると天井高を測ったり、部屋の端から端まで一度で測ることができます。
また、こちの商品は落下防止用ベルトホルダーが付いているので、サッと取り出しカチャッと収納することができるのでおすすめです。
まとめ
今回はモデルハウスの見学で騙されたくない人や住宅展示場を賢く利用したい人に対して、
モデルハウス見学で騙されないためのポイントをご紹介してきました。
まとめると以下になります。
モデルハウスの注意ポイント
①プレゼントや特典目的で行かない
②営業担当者の態度
③耐震性、気密断熱性は基準値を超えているか
④広さの単位は「何㎡か」で聞く
⑤小さな子供はなるべく預ける
⑥間取り図をもらう
⑦モデルハウスと同じ仕様にできない
⑧小さな家具で部屋を大きく見せる
⑨見学の際はメジャーを持参する
設計事務所を運営している立場で考えると、ハウスメーカーの住宅展示場はとてもよくできたシステムだと思います。
見込み客だと認識されると1年以上は付き纏われることもあるので注意が必要です。
また、注文住宅はハウスメーカーだけでなく、地元の工務店や設計事務所でも建てられるという選択肢を常に頭の片隅においておきましょう。
この記事が少しでもモデルハウスの悪質な営業に騙されたくない人のお役に立てれば幸いです。
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