どうすればシンプルになる?シンプルな建築にするための5つのデザイン手法
シンプルな建築は、その簡潔さと洗練された美しさによって、私たちの目を引きつけます。
注文住宅においてシンプルさを表現するためにはコツが必要です。
シンプルな建築にするためのコツってどんなことなの?
ゲシュタルト要因を理解してデザインに取り入れることが必要になります。
ゲシュタルト要因とは心理学的な原則で、複数の要素が組み合わさって一つのまとまった形やパターンを認識する傾向を指します。
これにより建築空間はひとつのまとまりを持つことができます。
このまとまりをどう構成するのかがシンプルさを表現するために必要な手法になります。
私は17年間(2023年現在)注文住宅やリノベーションを中心に設計事務所を運営してきましたが、
各部の納まりや注文住宅の外観を決めるときはシンプルさを重視して設計するようにしています。
今回はそんな私がいつも考えているシンプルな建築にするための5つのデザイン手法をご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・シンプルな建築とは?
・シンプルな建築のデザイン手法
上記のことがわかります。
注文住宅は実際の暮らしやすさが重視されるので、どうしても設備や機能が付加的になって美しさが失われがちです。
シンプルな建築が一概にいいとはいえませんが、人間は乱雑さの中で法則性を見出せた時に感動や美しさを感じる生き物です。
シンプルさの表現は建築空間の把握のしやすさでもあり、落ち着いた雰囲気や無駄のない洗練された空間を実現することができます。
これを機に自分にあったシンプルな建築デザインを考えてみるのも良いかもしれませんね^_^
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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目次
シンプルな建築とは?
シンプルな建築の魅力は、その無駄を削ぎ落とした美しさにあります。
何も余計なものがないデザインは、見る者に直感的な心地よさをもたらし、機能性と美しさが融合した作品を生み出します。
ここで、シンプルな建築の要素やそのゲシュタルト要因との関係について考えてみましょう。
シンプルさとゲシュタルト要因の関係
ゲシュタルト心理学によれば、我々は簡単な要素の組み合わせを認識しやすく、それが我々によって一つのまとまった形として捉えられます。
この原則は、シンプルな建築にも適用されます。
シンプルな形状や要素の組み合わせは、私たちの脳に親しみやすく、見る者にすっきりとした印象を与えます。
ゲシュタルト要因についてはこちらの記事をご参照ください↓
この記事ではシンプルな建築デザインとは
「空間としての認識にまとまりがあり、
単純な上位下位の順序関係が成り立っているもの」
と定義しています。
建築デザインのシンプルさとは、ゲシュタルト要因による空間のまとまりの単純な構成によって表現されます。
要素の最小化とミニマリズム
シンプルな建築空間を表現するには、要素の最小化が欠かせません。
素材や色、形状を最小限に抑えることで、情報の過多を防ぎ、各要素がより鮮明に浮かび上がるのです。
ミニマリズムとは、余計なものを削ぎ落とし、本質的なものだけを残す哲学です。
こうしたミニマリズムの考え方が、シンプルな建築において重要なデザインの基盤となります。
シンプルなデザインは、要素を洗練された形に簡潔にまとめることで、建築空間の美しさと機能性を最大限に引き出す手段となります。
シンプルな建築の例
シンプルな建築の魅力的な例は数多く存在します。
例えば、古代のギリシャ神殿や日本の伝統的な茶室、モダンなデザインの住宅など、さまざまな時代や文化でシンプルさが表現されています。
これらの建築物は異なる時代や文化でシンプルな美しさが見られます。
余計な要素を削ぎ落としつつも、美と機能性を高い次元で調和させた典型的な実例といえます。
シンプルな建築のデザイン手法
シンプルな建築を実現するためのデザイン手法は幅広くあります。
以下に5つの主要な手法を紹介します。
シンプルな建築のデザイン手法
・素材の統一
・色数を少なくする
・各部の高さや位置の統一
・凹凸を少なくする
・空間を構成する要素を減らす
素材の統一
異なる素材を組み合わせることは、しばしば無駄な複雑さを生み出すことがあります。
一方でひとつの素材を使用することで、全体のデザインに統一感を持たせることができるのです。
素材を統一することで建築物全体のまとまりが生まれシンプルな美しさを引き立ててくれます。
また、複数の素材を用いなければならない場合でもなるべく同じ素材感のものを使用するなど質感を統一するとシンプルさが強調されます。
素材の質感は建築空間にとって重要な構成要素なのでシンプルさを求めるのであれば、なるべく統一することがおすすめです。
色数を少なくする
限られた色の使用は、建築物全体の調和を保つ重要な要素です。
異なる色の組み合わせが過剰になることで、視覚的な混乱やバランスの乱れが生じる可能性があります。
そのため、シンプルなデザインを追求する際には、色数を少なくすることがポイントとなります。
無駄な色の多用を避け、色数を少なくすることで建築物のシンプルな美しさがより際立ちます。
各部の高さや位置の統一
統一された高さや位置は、建物全体のバランスを保つことに繋がります。
建築物の各部分が統一された高さや位置を持つことで、全体の外観に視覚的な調和が生まれ、建物が均整のとれた印象を与えるのです。
また、各部の高さや位置の統一は、見る者に外観の整った印象を与え機能性と美しさの両方を同時に表現することができます。
内部空間の各部の高さや位置についても同様です。
各部のバランスを保つことは、建物のデザインにおいて重要な要素であり、その結果としてシンプルなデザインの印象を一層際立たせる役割を果たします。
凹凸を少なくする
過剰な凹凸は、建築物の外観や構造に不必要な複雑さを生む可能性があります。
一方で、凹凸の少ない外観デザインは無駄な細部を排除し要素間の簡潔な関係を強調します。
これにより、建築全体がシンプルな美しさをより際立たせる効果があります。
外観で凹凸をつける時もゲシュタルト要因を用いて単純な構成にするとシンプルなデザインになります。
シンプルな建築にしたい場合は、空間的なまとまりや形状の把握のしやすさなどを重視しましょう。
空間を構成する要素を減らす
不要な要素を排除することによって、空間のまとまりがより明確になりシンプルな美しさやわかりやすさが強調されます。
空間を構成する要素を減らすことで、余計な情報や混乱が減少し、視覚的に安定したバランスが生まれます。
また、アクセントとして必要な要素をとり入れることでもシンプルで効果的なデザインが実現できます。
不必要な装飾や複雑な構造を排除することで、建築物の魅力が最大限に引き立ち、見る人に明確な印象を与えます。
空間を構成する要素を減らしてデザインの本質を浮き彫りにすることは、シンプルな美しさを実現する手段として重要です。
まとめ
今回はシンプルな建築が好きな人や注文住宅をシンプルな外観にしたい人に対して、
シンプルな建築にするための5つのデザイン手法をご紹介してきました。
まとめると以下になります。
シンプルな建築のデザイン手法
・素材の統一
・色数を少なくする
・各部の高さや位置の統一
・凹凸を少なくする
・空間を構成する要素を減らす
注文住宅は実際の暮らしやすさが重視されるので、どうしても設備や機能が付加的になって美しさが失われがちです。
シンプルな建築が一概にいいとはいえませんが、人間は乱雑さの中で法則性を見出せた時に感動や美しさを感じる生き物です。
シンプルさの表現は建築空間の把握のしやすさでもあり、落ち着いた雰囲気や無駄のない洗練された空間を実現することができます。
これを機に自分にあったシンプルな建築デザインを考えてみるのも良いかもしれませんね^_^
この記事が少しでもシンプルな建築にしたい人のお役に立てれば幸いです。
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アーキトリック一級建築士事務所