建ててから後悔したくない!予算オーバーしてもこれだけは付けたい住宅設備
注文住宅では当初の予算をオーバーすることが多いです。
設備選びではあれもこれもほしくなり、最新機能にもあこがれます。
住宅設備は最新機能があった方がいいの?
一概に最新機能が良いというものではありません。
これから何十年も続く生活のなかで本当に必要な設備や快適に暮らすための設備を見極めることが大切です。
私は17年間(2023年現在)設計事務所を運営してきましたが、
こだわりの強いお施主様は住宅設備にもこだわりすぎて予算をオーバーすることが多いです。
今回ご紹介することを参考に自分にとって必要なものの優先順位をしっかりと考えて選びましょう。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・これだけは付けたい住宅設備
・住宅設備の機能や性能
上記のことがわかります。
初めての注文住宅では今回ご紹介する住宅設備を実際に使ったことがない人がほとんどだと思います。
メーカーがおすすめする最新設備の中にはオーバースペックのものもあり、選んでいるうちにどこを重要視するのかがわからなくなる場合もあります。
家事の効率や光熱費の削減などに欠かせないものもあるのでぜひ参考にしてみてください。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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目次
これだけは付けたい住宅設備
予算オーバーしてもこれだけは付けたい住宅設備は以下になります。
これだけは付けたい住宅設備
・ハンドシャワー、微細シャワーの水栓
・フロアキャビネット内のステンレス等
・取り外せるベンチカウンター
・お湯が冷めない浴槽
・浴室の床の素材
・機能性の高い窓枠とガラス
・断熱性の高い玄関ドア
ハンドシャワー、微細シャワーの水栓
水栓といえばタッチレス機能が良いかどうかは意見が分かれるところです。
どちらの水栓を選んだとしても私がおすすめしたいのは以下の2点です。
・ハンドシャワータイプ
・微細シャワー
ハンドシャワータイプ
ほとんどのメーカーで選べるようになっていると思いますが、キッチンや洗面台でヘッド部分を引き出すとホースが伸びる機能の水栓です。
シンクや洗面ボールの掃除をする際にこの機能があると隅の方まで水をかけることができてとても便利です。
ホースが伸びないと大きな鍋を洗うときに吐水口の下で鍋をひっくり返して水をかけるようになり洗うのが面倒になりがちです。
この機能をつけることで家事も効率化できると思います。
上の写真はTOTOのハンドシャワータイプの水栓です。
微細シャワー
微細シャワーは線の細い密度の高いシャワーで水が真っすぐに落ちるだけでなく、下にいくほど広がる機能の水栓です。
コップなどの小さなものを洗う場合は吐水口に近いところで、
大きなお皿やフライパンを洗う場合は吐水口から離れたところで使用すると汚れがすぐに落とせます。
ザルを洗うときにも便利そうですね。
TOTOでは「水ほうき水栓」がそれにあたります↓
幅広のシャワーなので大きなものも洗いやすくカレーなどの汚れも落としやすいようです。
このようにシャワーと吐水口が別になっていて切り替えて使うようになっています↓
フロアキャビネット内のステンレス等
フロアキャビネットとはシンクやワークトップ、コンロ下の収納スペースのことです。
最近は引き出しタイプがよく選ばれていて、メーカーごとにさまざまな工夫がなされています。
フロアキャビネットは鍋やフライパン、油、お醤油などを収納するので汚れがこびりついたり、シミになったりしやすいところです。
掃除のしやすさだけでなく衛生的にもステンレスやホーローを選ぶと長く清潔に使えます。
PanasonicではL-CLASSでステンレス製の底板が標準仕様、ラクシーナではオプションで選べるようになっています。
・TOTOではザ・クラッソで底板がステンレス製になっています。
・LIXILでは底板だけでなく本体がステンレス製のものも選べます。
・ナスラックではフロアキャビネットも含めてオールステンレスのキッチンが選べます。
・タカラスタンダードではフロアキャビネット内のほとんどがホーロー製になっています。
ホーローとは金属の表面にガラス質を高温で焼き付けたものです。
鍋や保存容器でよく使われていて、熱や湿気に強く汚れが染み込まないのでサッと拭き取るだけで綺麗になり、油はねの多いキッチンでも掃除がとても楽になります。
また、キッチンパネルもホーローにするとマグネットが使えるので使いやすいところに小物入れや棚を取り付けられます。
システムキッチンはワークトップやシンクの素材選びも大切ですが、劣化しやすいフロアキャビネット内の素材にもこだわってみましょう。
取り外せるベンチカウンター
浴室のベンチカウンターの裏側は汚れやすくて掃除が大変です。
また、お子さんと入浴するときや鏡を使うときにちょっと邪魔だなと感じることもあります。
不要だと思っていてもユニットバスには当たり前のようにベンチカウンターが付いています。
そんなお客様の声を反映したのがLIXILさんの取り外しができてまる洗いもできるカウンターです↓
ベンチカウンターを使用しないときには折りたたんで壁にかけることもできます。
シャンプーなどのボトルを置くカウンターも同様に取り外して丸洗いができます。
お湯が冷めない浴槽
このところ光熱費がどんどん値上がりしていますが、お風呂の追い炊きにかかる光熱費はばかにならないと思います。
特に寒い時期など家族が入浴する時間がバラバラだと何度も追い炊きをするようになってしまいます。
そのようなご家庭では冷めにくい構造の浴槽にすることをおすすめします。
TOTOの魔法びん浴槽は2重断熱構造で長時間お湯が冷めないので、寒い冬に4時間以上たっても2.5℃しか下がらないというものです。
家族構成によっては光熱費を年間5,000〜10,000円は節約できるそうです。
浴室の床の素材
浴室の掃除が大変な箇所として床をあげる人は多いと思います。
浴室の床で重要視したいポイントは以下のようなことが挙げられます。
・汚れがつきにくい
・乾きやすくてカビに強い
・保温性が高い
・クッション性がある
TOTOのユニットバスで標準搭載されている「ほっカラリ床」は表面に特殊処理が施されているので皮脂汚れなどが落としやすくなっています↓
また表面が乾きやすくなっていて翌朝には靴下で歩けるほどカラリと乾くそうです。
TOTOの浴室には2022年10月に発売された「床ワイパー洗浄」を搭載することもできます。
TOTOがキッチンや洗面台で採用している「きれい除菌水」を浴室の床に吹き付けて菌やカビの増殖を抑える効果があります。
排水口まわりもきれい除菌水で洗浄されるのでぬめりも防止できます。
浴室の床には水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムによって生じる水アカや、皮脂や石鹸カスの油脂が溜まって発生するカビを防ぐためにまめに掃除をしなければなりません。
毎日最後に入浴した人がしっかり流してくれればいいのですが、面倒だからとそのままにしてしまうことって意外に多いです。
「床ワイパー洗浄」は浴槽の自動洗浄ほど効果なオプションではないので、長くきれいを保ちたい場合はおすすめの機能になります。
お風呂は家族みんなが1日の疲れをとる癒しの空間です。
省エネで清潔が保てることを大切に考えて設備を充実させましょう。
機能性の高い窓枠とガラス
窓の断熱性が低いと外気の影響をうけて室内の快適性が損なわれます。
日々の生活に大きな影響を与えるリビングや寝室の掃き出し窓などは、冷暖房効果が低下したり結露によってカビが発生したりしないように、
機能性の高い窓枠とガラスを選ぶことをおすすめします。
特にリビングに大開口窓を採用する場合は、窓の面積が多くなればなるほど外気の影響を受けてしまうので、
冷暖房効率をよくするためには窓枠やガラスの性能はこだわって選びましょう。
窓枠にはアルミサッシに比べて費用は少々高くなりますが、樹脂サッシの方が外気の影響を受けにくく結露も防いでくれます。
そして、断熱性能、遮熱性能を備えた複層ガラスを採用すれば窓からの熱の出入りをかなり抑えることができます。
アルミサッシを選ぶ場合はLIXILのサーモスAのような性能があれば大開口でも安心です。
アルミ製でありながらフレームを極小化しガラス面積を最大化、複層ガラスの空気層を厚くすることでアルミ窓として国内最高水準の断熱性能を実現しています。
テラスに面した掃き出し窓はもちろん腰窓やFIX窓も性能にこだわることで省エネ効果もアップし過ごしやすいリビングになるはずです。
断熱性の高い玄関ドア
玄関ドアは軽くて錆びにくいアルミ素材がコスパが良いとされ、表面に木製の化粧シートを貼ったものが多く選ばれていますが、断熱性はイマイチです。
玄関ドアに断熱性がないと冬は玄関まわりがとても寒くなり、洗面所やトイレが玄関付近にあると夜遅い時間や早朝はつらくて大変になります。
断熱性が高いのは木製ドアですが、価格もかなり高くなってしまいます。
アルミ製でも断熱性を備えたものがあり、一般的なものよりは高くなってしまいますが、ここはケチらずによいものを選んで欲しいところです。
おすすめとしてはYKKapのヴェナートD30で、約4センチの断熱材が入っています↓
また、LIXILのグランデル2は一般的な玄関ドアより20mmほども厚さがあります↓
このようなドアも検討してみましょう。
最近の一戸建ての玄関ドアにはスマートコントロールキーが多く採用されています。
スマホやリモコンキー、カードなどを身につけていればドアに近づくだけで自動解錠し、ドアが閉まればオートロックするものもあります。
オートロックは締め出しをくらって大失敗なんてこともありますが、
最近では遠隔操作が可能になり外出先でもスマホで自宅の鍵を解錠、施錠できる機能もあります。
家族の誰かが鍵を持たずに出て閉め出されてしまった場合もそのような機能があれば安心です。
玄関ドアは断熱性、気密性、防犯面でも機能性の高いものを選ぶことをおすすめします。
まとめ
今回はこれだけは付けたい住宅設備を知りたい人や住宅設備は何を基準に選べばいいのか知りたい人に対して、
建ててから後悔したくない!予算オーバーしてもこれだけは付けたい住宅設備をご紹介してきました。
まとめると以下になります。
これだけは付けたい住宅設備
・ハンドシャワー、微細シャワーの水栓
・フロアキャビネット内のステンレス等
・取り外せるベンチカウンター
・お湯が冷めない浴槽
・浴室の床の素材
・機能性の高い窓枠とガラス
・断熱性の高い玄関ドア
初めての注文住宅では今回ご紹介する住宅設備を実際に使ったことがない人がほとんどだと思います。
メーカーがおすすめする最新設備の中にはオーバースペックのものもあり、選んでいるうちにどこを重要視するのかがわからなくなる場合もあります。
家事の効率や光熱費の削減などに欠かせないものもあるのでぜひ参考にしてみてください。
この記事が少しでも住宅設備を選ぶときの参考になってくれれば幸いです。
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