いま流行りの間取りってなに?間取り決めで失敗しない方法と最高の間取り
住宅の間取りやデザインにはその時期の流行があります。
ここ2〜3年はコロナ禍でおうち時間が増えたことから、
プライバシーを重視した間取りやワークスペース付きのリビング、スキップフロアなどが人気を集めています。
他に流行りを間取りって何?
シューズクロークやランドリールーム、ワークスペース、2階リビングなどを取り入れた間取りが最近では多いです。
私は17年間(2023年現在)設計事務所を運営してきましたが、いま流行りの間取りを希望するクライアントが増えていると感じています。
今回は間取り決めで失敗しない方法と場所ごとの最高の間取りをご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・間取りを決める際の手順とポイント
・場所ごとの最高の間取り
上記のことがわかります。
ライフスタイルの変換で家時間を豊かに過ごすご家族が増えているので、その要望に適した間取り決めが必要になります。
この記事を参考に自分にとって最高の間取りを実現しましょう。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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目次
間取りを決める際の手順とポイント
間取りを決める際の手順とポイントは以下のことに注意して決めていきましょう。
間取りを決める際の手順とポイント
・部屋はいくつ必要?
・居室以外の必要なスペース
・流行の空間デザイン
部屋はいくつ必要?
まずは家族の年齢や人数に合わせてLDK以外に居室がいくつ必要かを考えます。
夫婦やお子さんたちの寝室となる部屋や和室などのゲストルーム、ワーキングルームなどがありますが、
先々のライフスタイルの変化に対応できるかどうかも大切です。
居室以外の必要なスペース
各種収納スペースやランドリールームなどどれだけの数と広さが必要かを考えます。
収納は間取りを決めてからすき間に入れようとすると十分なスペースが取れなくなることがあります。
収納量を把握した上で考える必要があります。
最近では夫婦共働きで休日にまとめて買い物をするというご家庭も増えています。
パントリーにはどのようなものを収納するか、冷凍庫は必要かなどを考えながら広さを決めるようにしましょう。
流行の空間デザイン
ハウスメーカーや工務店の施工例をたくさん見て取り入れたいデザインや形状を選ぶことが多いと思います。
その際、ライフスタイルに合っているのか、暮らしはじめてから光熱費が高すぎることはないかなど、実質的なシミュレーションしてみることが大切です。
例えば以下のようなものを間取りに取り入れるときは注意しましょう。
・吹き抜け
・リビング階段
・廊下の有無
上記のものは、見た目のあこがれと実際の生活ではギャップがあることも多いので慎重に検討しましょう。
このようなことをふまえてひとつずつ見ていきましょう。
場所ごとの最高の間取り
考える場所としては以下のようなところになります。
場所ごとの最高の間取り
・玄関のシューズクロークと土間収納
→玄関まわりをスッキリできる
・洗面所と脱衣所
→洗面所と脱衣所は分けたほうが便利
・ランドリールームとファミリークローゼット
→それらを一直線にまとめる
・LDK
→同じ空間にいながら自分のスペースが確保
・ワークスペース
→位置や広さもしっかりと考慮
・LDKの回遊動線
→リビングに持ち込むものが少なく
・2階リビング
→1階と2階の用途をしっかりと分けてしまう
玄関のシューズクロークと土間収納
玄関にはあまりスペースを割けなくなることも多いようですが、全ての収納を一直線にまとめることでスペースの無駄を省ける場合もあります。
この間取りでは玄関からシューズクローク土間収納を通ってリビングへ直接入れるようになっています↓
シューズクロークは中途半端な広さにすると靴類以外に収納できるものが少なくなってしまうので、
用途を広げたいなら廊下をなくしてでもこのスペースを検討するのもありだと思います。
家族構成にもよりますが、アウトドア用品やゴルフバックなどを収納した上でお子さんが小さいうちはベビーカーや三輪車なども収納できれば玄関まわりもスッキリします。
また、自転車を雨ざらしにしたくない場合など土間に入れられるようにしておくと便利です。
通勤に使用するような自転車はちょっといいものにしたいと思う人も多いですよね。
収納スペースをウォークスルーにすると荷物を持って玄関から入ったときにそのまま収納できてキッチンまで靴を脱がずに運ぶことができます。
そしてキッチンにパントリーだけでなく生活用品の収納スペースがあるとリビングに持ち込まずに済むので整理整頓がラクです。
洗面所と脱衣所
洗面所と脱衣所は分けたほうが便利です。
理由としては、お子さんが思春期になったときに風呂を使用中は洗面所が使えなくなったり、
来客者が使用するときに洗濯物が見えてしまうなどがあげられます。
この間取りのように完全に分けることが難しい場合は同じスペースでもロールスクリーンやパーテーションなどで仕切れるようにしておくといいですね。
ランドリールームとファミリークローゼット
洗濯機をまわして「干す・たたむ・しまう」の作業を1カ所で完結できる間取りにすると家事の効率化につながります。
この間取りはそれらを一直線にまとめていて、外干ししたい時はデッキにも出られるようになっています↓
脱衣所に物干しポールを設置して除湿機や送風機を使用すれば湿気がこもることもなくランドリールームとしての機能をもたせることもできます。
洗濯乾燥機を使用して干す必要がない場合は、洗面所の作業台でたたんでファミリークローゼットに収納すればOKです。
この間取りの最大の特徴はコの字型にすることで、水まわりにも日が差し込でジメジメしたスペースにならないことです。
また、庭やリビングが丸見えにならないのでプライバシーも守られます。
LDK
LDKは家族が集まる場所なので整理整頓しやすくみんなが過ごしやすいスペースを確保できるのが理想です。
これは4人家族のLDKの一例の間取りです↓
食事をする、テレビを見る、子どもたちが宿題をするなどそれぞれの場所を別にできるようにすると、同じ空間にいながら自分のスペースが確保できます。
ワークスペース
コロナ禍が長く続きリモートワークやお子さんが自宅で勉強することが増えたことで、リビングにワークスペースを作るご家庭が増えたようです。
様々な用途があるので工夫しだいで長く便利に使えるはずです。
例えば、スマホで音楽を聴いたり動画を見たりするときにちょっと離れたところで集中できる、部屋にこもってゲームをしないようにパソコンをリビングに設置するなど、
お子さんたちの成長に合わせて使いかたを考えてみるのも良いでしょう。
暮らしはじめたときにはよく使っていたのに数年後には不要になってしまったということがないように、
位置や広さもしっかりと考慮しておきましょう。
カフェのカウンター程度の奥行きではお子さんが小さい頃は良くても、成長とともに使い勝手が悪くなってしまいます。
10年先まで視野に入れて検討しましょう。
LDKの回遊動線
この間取りの特徴としては玄関からリビングに直接入るだけでなく、
廊下のファミリークローゼットに上着やバッグをしまって洗面脱衣所で手洗いや着替えをしてリビングに入るという動線もあります。
家族はそれを習慣にすればリビングに持ち込むものが少なくなります。
ランドリールームも兼ねた洗面脱衣所がキッチンに隣接し外干しする場合はキッチンからデッキテラスに出られます。
このような動線を作るだけでも家事が効率化できます。
2階リビング
住宅密集地で周囲の建物が近く、1階のリビングは日当たりが悪い、視線が気になるような立地環境の場合は2階リビングがおすすめです。
2階リビングのメリットとしては以下のことが挙げられます。
・視界が開ける
・日光を取り込みやすい
・視線が気にならない
などがあります。
この間取りは1階に水まわりや収納を集約して2階は家族が集まる場所、
来客者が多くてもゆったりおもてなしできる場所として広めのLDKにアイランドキッチンを採用した例です↓
和室もあるので小さなお子さんが集まった時の遊び場としても、来客者が宿泊する際にも便利です。
キッチン周りにもゆとりがあり、パントリーや生活収納への動線も確保されています。
トイレや洗面もあるので生活空間として不足はなく、気候の良い時期はルーフデッキでもくつろげます。
目隠し壁を設置しておけば周囲の視線も気になりません。
このように1階と2階の用途をしっかりと分けてしまうのもいいと思います。
間取りのワンポイントアドバイス
コロナ禍以降リモートワークが中心になってそのまま継続している人も少なくないようです。
リビングなどにワークスペースを設けるのも良いのですが、切り替えがうまくいかない場合は、
玄関脇のような日常生活から離れたところに仕事部屋を作るという方法もおすすめです。
仕事に拘束されている時間はしっかりと集中できて、
休憩時間はリビングなどを通らなくても外に出られるような環境を作ったほうが気分転換になるという声もあります。
生活空間に入るとどうしても気が緩んでしまうんですよね…w
また、ライフスタイルの変化に対応できるような間取りを考えることも大切です。
お子さんがいる間は子ども部屋として使っていても成人して別々に暮らすようになったときに、用途のない部屋になってしまうのはもったいないです。
例えば、お子さんが2人の場合は広い部屋の真ん中に仕切りを作るご家庭も多いと思います。
夫婦2人の生活になったらその部屋を利用してそれぞれのプライベートを充実させるのも良いかもしれません。
夫婦は2人だけになるとほどよい距離を保って過ごすのが円満の秘訣ともいわれいます。
可動式の間仕切り収納などを部屋の中央に置けば実際はひと部屋の空間でありながら、
それぞれが自由に過ごしても負担にならずに、何かあったときには声がけができるので安心です。
まとめ
今回は流行りの間取りを知りたい人や間取り決めで失敗したくない人に対して、
間取り決めで失敗しない方法と場所ごとの最高の間取りをご紹介してきました。
まとめると以下になります。
間取りを決める際の手順とポイント
・部屋はいくつ必要?
・居室以外の必要なスペース
・流行の空間デザイン
場所ごとの最高の間取り
・玄関のシューズクロークと土間収納
→玄関まわりをスッキリできる
・洗面所と脱衣所
→洗面所と脱衣所は分けたほうが便利
・ランドリールームとファミリークローゼット
→それらを一直線にまとめる
・LDK
→同じ空間にいながら自分のスペースが確保
・ワークスペース
→位置や広さもしっかりと考慮
・LDKの回遊動線
→リビングに持ち込むものが少なく
・2階リビング
→1階と2階の用途をしっかりと分けてしまう
ライフスタイルの変換で家時間を豊かに過ごすご家族が増えているので、その要望に適した間取り決めが必要になります。
この記事を参考に自分にとって最高の間取りを実現しましょう。
この記事が少しでも間取り決めのお役に立てれば幸いです。
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