価格に騙されてる?知らないと後悔するキッチン選びの注意点5選
キッチン選びは価格に惑わされないで!
注文住宅の設備選びでシステムキッチンに力を入れる方は多いのではないでしょうか?
毎日使うものだしできる限りおしゃれなものにしたい、便利な機能を取り入れたいと思いますよね。
システムキッチンは標準仕様が工務店や施工会社によって異なっているので、相見積もりをする際にしっかりと見ておくと良いと思います。
システムキッチンの標準仕様ってなに?
システムキッチンのグレードやオプション機能など標準的な仕様を設定してあるものです。
標準仕様は工務店や施工会社が推しているだけあって価格的に安くなっている場合が多いです。
私は17年間(2023年現在)設計事務所を運営してきましたが、
システムキッチン選びはどのお客様でも予算とオプション機能とのバランスをとるのが難しいことのひとつです。
しっかりと自分の中での選ぶ時の基準ラインを決めておかないと、
メーカーにすすめられるままにオプションを追加して予算オーバーになってしまうなんてことよく起こります。
今回はキッチン選びで重視するポイントについて5つご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・システムキッチンで重視するポイント
・コスパを重視する方法
上記のことがわかります。
システムキッチン選びはブランド、形状、機能、収納、素材などに注意して自分のライフスタイルに合ったものを選ぶことが重要になります。
システムキッチンは毎日、長い間で使うことになります。
メンテナンス費用や掃除のしやすさなどもしっかりと考えてシステムキッチンを選びましょう。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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キッチンでは何を重視するのか?
システムキッチンはこだわるほどに金額がどんどん上がっていきます。
確かに、キッチンの見た目しだいでLDKの雰囲気もかなり変わります。
とはいえ予算には限りがあるので、何を重視して何をあきらめるか検討する際の優先順位を決めておくことをおすすめします。
キッチンで重視するポイントは以下になります。
キッチンで重視するポイント
・ブランド
・形状
・機能
・収納
・素材
ブランド
このメーカーのこの商品を採用したい!というこだわりを持つ方も少なくないです。
同じメーカーでもグレードがあり見た目も機能もかなり違います。
国内の高級キッチンブランドといえばオーダーメイドの「キッチンハウス」や「クッチーナ」などがあります。
このようなところを考えている方はキッチンに300万円以上の予算を組んでいる場合が多いです。
どうしてもこのメーカーのこの商品を採用したいと決めている場合はそれが最重要ポイントということになります。
キッチンに限ったことではありませんが、同じ商品でも工務店や施工会社によって価格は異なります。
メーカーとの付き合いによって仕入れ値や値引率が異なるからです。
メーカーにこだわりがない場合は、工務店や施工会社が推してくれるメーカーの商品から選ぶとお得になることが多いです。
値引きしてくれたりオプションのサービスが充実したりするかもしれません。
形状
キッチンの形状にもいろいろと種類があります。
壁付けI型
昭和の時代には主流となっていたキッチンの形状です。
壁付けでシンクやコンロ、ワークトップが一列に並んでいてスペースをとらず価格帯もリーズナブルなものが多いです。
食器棚や冷蔵庫の位置によっては動線が悪くなることもあります。
Ⅱ型キッチン
コンロとシンクを分けるなど壁付と平行に2列に並べたキッチンです。
アイランドキッチンのようにも見えますが、それよりコンパクトにまとまります。
横移動よりも前後の動きになるので効率が悪くなることもあります。
L型
壁付け型、対面型、どちらも可能なL型になっているキッチンです。
L字の角の部分がデッドスペースになってしまうこともあります。
U型
シンク、コンロ、ワークトップがコの字型になっているキッチンです。
複数人で立つ場合は、ある程度の広さが必要になります。
形によって2カ所ある角の部分がデッドスペースになってしまうこともあります。
ペニンシュラ
左右のどちらかが壁に接している対面型のキッチンです。
LDKに取り入れやすく人気がありますが、収納を充実させるには広めのスペースが必要になります。
アイランド
四方が壁から離れていてアイランド=島のように配置されている対面型のキッチンです。
形状を選ぶときの注意点
四方にスペースが必要なので広さにゆとりのあるLDK向きです。
ひと通り説明してみましたが、キッチンの形状を選ぶ際には見た目のよさだけでなく、広さや間取り、家族のライフスタイルを考えることが大切です。
特にU型やアイランドのキッチンを採用したい場合は間取りをそれに合うように考えなければなりません。
システムキッチンだけにはお金をかけたいという方もいますが、
LDKの広さや形によってはキッチンの使い勝手だけでなく、リビングの居心地まで悪くなってしまう場合もあります。
どうしても対面型のキッチンにしたいとⅡ型キッチンやペニンシュラキッチンを選んだ結果、キッチンの通路を十分に取れずに後悔することもあります。
12〜16帖のLDKを有効活用したい場合は、壁付けのI型やL型が良いと思います。
モデルルームはLDKが一般的な住宅よりも広く天井も高く作られています。
実際に12〜16帖のLDKを見学する機会はあまりないので、
設計図ではゆとりがあるように見えても完成して家具を入れてみるとかなり狭く感じることがあります。
Ⅱ型キッチンやペニンシュラキッチンを検討する場合は建築士のアドバイスをよく聞きましょう。
機能
標準仕様でどれだけの設備があるかは工務店や施工会社によって違います。
驚くことにオプションで水栓をタッチレスにするだけで10万円単位で費用がアップします。
食洗器の有無やガスかIHか、レンジフードにどれだけの機能があるかによっても10万円単位で費用が跳ね上がります。
シングルレバーの水栓とタッチレス水栓をLIXILさんのカタログで比べてみると12万円の差があります。
予算を考えるときはここまでと決めていてもカタログで最新の機能を見ると数千万円のうちのほんの10万円という気持ちになってしまいますが、
一度冷静になって、我が家に本当に必要なものか、暮らしはじめてからメンテナンスは必要か、かかる費用はどれくらいかなどを考えてみてください。
食洗器も毎日汚れた食器を入れるだけでなく定期的に内部の掃除をしないとカビが生えたり、ゴキブリが入り込んだりすることもあります。
浄水機能付きの水栓を選ぶと定期的にカートリッジを交換しなければならないので数ヶ月ごとに5,000〜10,000円程度の費用がかかります。
便利になる分だけ日頃の気配りや手入れが必要になります。
また、万が一故障した時には修理代が高くつくこともあるので後々のことも考えて慎重に検討しましょう。
収納
収納にはシンク下などのフロアユニットと吊戸棚、カップボードのような周辺収納があります。
ひと昔前まではシンク下の収納は開戸が主流でしたが、最近では引き出しタイプが人気を集めています。
グレードをアップするごとにフロアユニットの充実度がアップするともいえます。
LIXILさんの高級グレード「リシェルSI」の標準仕様となっているフロアユニットらくパッと収納はですが↓
たっぷり入る大容量の収納というだけでなく、出し入れする際の姿勢に合わせて設計された立体構造になっています。
対面型でも壁付け型でもこれが標準仕様なので収納を充実させることを重視している方におすすめです。
周辺収納はどのメーカーでもひと通りそろえるとかなり高額になります。
使いやすさもしっかり計算されていますがインテリアとしておしゃれなものになっていて、組み合わせ次第では100万円以上になります。
見た目だけで選ばず、この位置にこれだけの奥行きでこの幅のスペースがあったら何を収納できるかをシミュレーションした上で無駄のない選択をしましょう。
特に吊戸棚については単に収納スペースが増えるからという理由で設置したけれど、ほとんど役に立っていないという声もあります。
素材
システムキッチンのシンクやワークトップは素材によっても価格がかなり変わります。
ひと昔前のキッチンはほとんとがステンレス製でしたが、最近は人造大理石や各メーカーによって様々な新素材が発売されています。
ステンレス製は耐久性、耐水性、耐熱性が高く汚れやニオイもつきにくく、初期費用が安いというメリットがあります。
一方でカラーバリエーションもなく無機質な印象で経年によって水アカやすりキズが目立つようになります。
シンクに水が落ちる音が気になるという声もあります。
その点、人造大理石はキズがつきにくく、ワークトップとシンクのつなぎ目がない仕様は掃除がラクです。
デザインも豊富で高級感がありますが、価格はそれほど高くはないです。
各メーカーのワンランク上の素材としては以下のようなものがあります。
各メーカーのワンランク上の素材
・LIXIL:セラミックトップ
・タカラスタンダード:クォーツストーンワークトップ
・TOTO:クリスタルカウンター
・Panasonic:グラリオカウンター
LIXIL:セラミックトップ
ガラスや焼き物のように高熱で成形されるものです。
タカラスタンダード:クォーツストーンワークトップ
水晶を粉砕して樹脂で固めて加工したものです。
TOTO:クリスタルカウンター
ハイブリッドエポキシ樹脂を使用したものです。
Panasonic:グラリオカウンター
有機ガラス系のスゴピカ素材を仕様したPanasonic独自の人造大理石です。
素材を選ぶ際は、デザイン性を重視するか耐久性、掃除のしやすさを重視するか、ライフスタイルによって考えてみましょう。
ワークトップやシンクの素材をワンランク上げると数十万円単位で費用もアップしますが、
キッチンは毎日水や油を使うところなので、長く使うことを考えるとお金をかける価値はあると思います。
コスパを重視するならメーカーで揃えない
キッチンはお金をかければかけるほどおしゃれで便利になることはわかりますが、
限られた予算の中でなるべくリーズナブルに日々の作業がしやすいキッチンにしたいところです。
注文住宅で設備選びをしていると最新の機能を備えたものやとてもおしゃれなものをたくさん目にします。
そこで注意したいのが
「本当にここまでの機能が必要なのか?」
ということです。
グレードアップするごとに便利な機能が増えていきますが、
機能が10こあるものと6こあるものを比べて実際に使用するのは6こで十分ということもあります。
最新のハイテク機能は実生活の中で使いこなせるものなのか、ないと困るものなのかを考えることも大切です。
カタログを見ているとあれもこれも揃えたくなりますが、インテリアショップやホームセンターなどものぞいてみてみましょう。
特に周辺収納はメーカーで揃えるよりもかなり費用を抑えられることがあります。
イメージだけで全て揃えてしまうよりも実際に生活してみて、
ここにこんなものがあったらいいなと感じたものを取り入れていくのもいいと思います。
まとめ
今回はキッチン選びの注意点を知りたい人や何を重視したらいいのか知りたい人に対して、
知らないと後悔するキッチン選びの注意点を5つのポイントでご紹介してきました。
まとめると以下になります。
キッチンで重視するポイント
・ブランド
・形状
・機能
・収納
・素材
各メーカーのワンランク上の素材
・LIXIL:セラミックトップ
・タカラスタンダード:クォーツストーンワークトップ
・TOTO:クリスタルカウンター
・Panasonic:グラリオカウンター
システムキッチン選びはブランド、形状、機能、収納、素材などに注意して自分のライフスタイルに合ったものを選ぶことが重要になります。
システムキッチンは毎日、長い間で使うことになります。
メンテナンス費用や掃除のしやすさなどもしっかりと考えてシステムキッチンを選びましょう。
この記事が少しでもキッチン選びの際のお役に立てれば幸いです。
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