過ごしやすいLDKってどんな間取り?一級建築士がおすすめする最高の間取りと注意点

皆さんが注文住宅を建てるときに最も重要視するのは、リビングの間取りではないかと思います。

LDKは家族が長い時間滞在する場所になります。

注文住宅に置いてLDKをいかに快適にするかでその家の良し悪しが変わってきます。

過ごしやすいLDKってどんな間取りなの?

過ごしやすいLDKとは、回遊性があったり、荷物をリビングに持ち込まなくて済んだり、家事動線がコンパクトな間取りなどです。

私は17年間(2023年現在)設計事務所を運営してきました。

その中で数多くのLDKの設計をしてきましたが、LDKが過ごしやすいとその住宅は7割かた成功したと言ってもいいできになります。

今回はおしゃれさはもちろんですが、過ごしやすい、使いやすいLDKとはどんな間取りなのか一級建築士の目線でご紹介します。

それぞれの間取りに最高のリビングにするための重要ポイントやおすすめ商品もご紹介できればと思います。

この記事を読むと以下のことがわかります。

この記事でわかること

・間取りを考える際に大事なポイント

・究極の間取りの例

上記のことがわかります。

間取りを作る際にリビングの壁の面積、動線、家族のライフスタイルの変化などをしっかりと考えて作りましょう。

回遊動線のあるリビングや家事が楽になる間取り、ウォークスルー収納のある間取りなど、究極の間取りの例がこれから家を建てる方の参考になれば幸いです。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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間取りを考える際に大事なポイント

LDKは家の中で一番広くて一番使用時間が長い部屋、マイホームのシンボルみたいな位置付けです。

見た目や機能性のどちらも備えたLDKにするためには大事なポイントがいくつかあります。

間取りを考える際の大事なポイントは以下になります。

間取りを考える際に大事なポイント

・壁の面積がどれくらいあるか

・リビング内に階段や吹き抜けがあるか

・LDKの動線に無駄はないか

・家族のライフスタイルの変化をイメージ

壁の面積がどれくらいあるか

壁の面積がどれだけあるか、壁とサッシや窓の面積がそれぞれどのくらいかで家具を設置できるスペースが変わります。

一面が大開口の掃き出し窓になる場合は窓側には家具を置けなくなります。

リビングの広さと設置したい家具をイメージしながら間取りを考えましょう。

リビング内に階段や吹き抜けがあるか

玄関から廊下があるかでリビング内の間取りも変わります。

リビング内に階段や吹き抜けがあるか、水まわりの扉があるかなどによって間取りに工夫が必要になります。

LDKの動線に無駄はないか

テレビの前を横切るようになったり、歩く距離が無駄に長くなったりしないように、扉や収納の位置をしっかりと考えるようにしましょう。

家族のライフスタイルの変化をイメージ

お子さんが小さいとき、中高生になったとき、夫婦2人になったときなど最適な間取りが変わっていきます。

そのような変化に対応できるかどうかも大切な要素です。

究極の間取りの例

究極の間取りの例を以下にあげてみます。

究極の間取りの例

・回遊動線のあるリビング

・家事が楽になる間取り

・ウォークスルー収納のある間取り

回遊動線のあるリビング

回遊動線の醍醐味は行き止まりがないため折り返す必要がありません。

LDKが24帖以上ある場合はアイランドキッチンを採用してもゆとりのある広さになります。

アイランドキッチンは名前の通り壁に接している部分がなく周囲をぐるっと回りながら作業ができ、どの方向からでも買い物してきた荷物が置けるのも便利です。

アイランドキッチンは他の形状に比べてあらゆる部分で初期費用が高くなります。

どこから見てもデザイン上完成されていなければならないということを考えても高くなる理由がわかります。

アイランドキッチンにしたいと考えるご家庭は、キッチンの予算を多めにとっていることが多いです。

おしゃれで高級ランクのキッチンメーカーといえば国内では「キッチンハウス」があげられます。

オーダーキッチンをメインにしていますが、各パーツを人気のラインナップから選んで組み合わせるプランもあります。

予算としては約200万円〜になりますが、興味がある方はショールームに足を運んでみてください。

アイランドキッチンはこのように周囲に壁や仕切りがないので、料理の際に部屋全体に湯気やニオイが拡散して、

リビングのカーテンやソファーにニオイが染み付いてしまうこともあります。

その対策として換気量が高いハイパワーのレンジフードを選んで室内も換気のしやすいような窓の配置にすることをおすすめします。

リビングの窓で失敗する事例としては、家具やテレビの配置と窓の位置関係がうまくいかないことがあります。

大開口の掃き出し窓にする場合はテレビを90度のところに置けるよう、窓の位置に気をつけましょう。

テレビの上部に高窓などをつけておくと風の通り道ができます。

回遊動線では廊下や通路を有効活用できるように、通路に沿って収納や作業場を作ることが重要なポイントです。

玄関ホールから洗面所やファミリークローゼットを経由しながらLDKに入れれば、荷物を持ち込まずに済みます。

家事が楽になる間取り

キッチン横のパントリーから水まわりへ続く動線をうまくまとめると、家事の効率がアップして便利になります。

リビングから浴室へ行くときにも廊下に出る必要がなければ来客者と顔を合わせることなく浴室に入ることができます。

少し前まで1階で洗濯をして2階のベランダで干すことがあたり前でしたが、

最近ではランドリールームを設けて洗濯物を干し、取り込み、たたむ作業まで1カ所で簡潔できる間取りが人気です。

洗濯乾燥機にして干すという作業をなくすこともできます。

ファミリークローゼットへの動線をつくることでそのまま収納もできます。

外に干したいものがあるときのためにウッドデッキに物干しスペースを作っておくのもよいでしょう。

リビングから玄関への通路にもなっているので、

ランドリールームには天井の方まで上げられる物干しポールを設置しておくと干したときに邪魔にならなくて便利です。

高めの位置に窓を設置すれば日光を当てることもできます。

また、湿気がこもらないように除湿器や送風機があるといいと思います。

便利なアイテムとしてはPanasonicさんのホシ姫さま、ナノイー・ナノイーXが搭載された部屋干しファンがおすすめです。

ホシ姫さま
部屋干しファン

部屋干しファンは送風のみなので電気代も安価です。

ナノイーで除菌して室内干しの気になるニオイを防いでくれます。

洗濯機で洗えないスーツやコートなどについた菌やタバコ、ペットのニオイ、体臭なども除菌・脱臭してくれます。

ただし、ランドリールームを独立させることで洗面脱衣室が狭くなってしまうと不便です。

小さなお子さんと一緒に入浴するような場合はなるべく広さを確保しておきましょう。

ウォークスルー収納のある間取り

この間取りは、玄関から直接リビングへ入る動線と土間収納からファミリークローゼットをウォークスルーしてキッチン側から入る動線に分かれた間取りです。

ファミリークローゼットからは洗面→脱衣室→浴室へとつながる動線もあり外遊びから帰ったお子さんや部活帰りの中高生は着替えて汚れを落としてからリビングに入れます。

この間取りでは土間収納を広めにとってあるので、家の中まで持ち込めないベビーカーやおもちゃ、アウトドア用品などがしっかりと収納できます。

また、ファミリークローゼットもひと部屋分の広さがあり収納だけではなく、書斎のようにも使えます。

土間収納やファミリークローゼットをウォークスルーにすることで、

朝はダイニングで食事をして洗面所で身なりを整えて、ファミリークローゼットで着替えをして、荷物を持って出かけたり、

帰宅時は手洗いをしてファミリークローゼットに荷物を置いて着替えてリビングに入るなど、一連の動きで多くのことができます。

このように通路の役割も備えているので開けっぱなしの方が便利なところもあります。

扉を省くことで他の設備に費用をかけて充実させても良いでしょう。

リビング内に収納を設けるよりも、なるべくモノを持ち込まずに済むような収納方法であれば、常にリビングはスッキリと片付きます。

また、この間取りのような水まわり・トイレの配置であればリビングへの影響がほとんどないので廊下がなくても気になりません。

廊下がないことで気になるのはリビング内の階段です。

冬は2階から冷たい空気が降りてきてリビングが寒いなんてことになります。

暖かい空気は上昇するので1階は寒さを感じやすくなります。

リビングのニオイやテレビの音が2階に広がってしまうこともあります。

そのようなことを軽減するにはリビングに階段入り口だけが面している間取りにして、扉を設けるという方法があります。

タチカワブラインドより

こちらは住宅内の間仕切り製品を豊富に取り扱っているタチカワブラインドさんの引き戸、折れ戸の例です。

リビング階段には様々な形状がありますが、断熱性能の低い住宅ではリビングのエアコンの設定温度をどんなに上げても熱が逃げてしまうため、光熱費だけが高くなってしまいます。

リビング階段を採用するのであれば、建物の「断熱性能」「省エネ性能」「創エネ」のZEH基準を満たす高断熱住宅にすることで過ごしやすい室温をキープでき光熱費を抑えることが可能になります。

まとめ

今回は過ごしやすいLDKにしたい人や最高の間取りを知りたい人に対して、

一級建築士がおすすめする最高の間取りと注意点をご紹介してきました。

まとめると以下になります。

間取りを考える際に大事なポイント

・壁の面積がどれくらいあるか

・リビング内に階段や吹き抜けがあるか

・LDKの動線に無駄はないか

・家族のライフスタイルの変化をイメージ

究極の間取りの例

・回遊動線のあるリビング

・家事が楽になる間取り

・ウォークスルー収納のある間取り

間取りを作る際にリビングの壁の面積、動線、家族のライフスタイルの変化などをしっかりと考えて作りましょう。


この記事で過ごしやすいLDKを実現する人が少しでも増えてくれれば幸いです。

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アーキトリック一級建築士事務所

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