おしゃれさだけで選んだら後悔する！平家を陸屋根にする際の注意点

平屋を建てる際に外観のさまざまな部分にこだわりたいと考えている人は多いと思います。

特に木造平屋建の屋根は建物全体の印象を大きくかえます。

今回は陸屋根のことについての注意点をご紹介します。

陸屋根とは、傾きのない平らな屋根で平屋根やフラットルーフとも呼ばれています。

陸屋根は鉄筋コンクリート造のような構造の時によく用いられる屋根形状です。

木造平屋建の住宅での陸屋根は雨漏りや強度の面で注意しないと色々な問題が発生します。

私は17年間(2023年現在)設計事務所を運営してきましたが、陸屋根の木造住宅はデメリットが多いのであまりおすすめしていませんでした。

しかしながら、最近では防水の性能も上がってきているので木造平屋建てでも陸屋根を採用する場合が増えています。

陸屋根のデメリットとしては、

などが挙げらえます。

あと、しっかりと陸屋根の施工実績のある施工業者を選ぶことも大切です。

この記事を読むと以下のことがわかります。

上記のようなことがわかります。

強度計算や防水工事、その後のメンテナンスをしっかり行えば、陸屋根でも安心安全な生活ができます。

陸屋根にして屋上を作ると家にいながらアウトドアが楽しめたり、ガーデニングが楽しめます。

陸屋根はデメリットもありますが、屋上まで使える間取りを考えて楽しい注文住宅を実現しましょう。

【自己紹介

Bさん@アーキトリック
一級建築士　第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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木造住宅と陸屋根

まずは木造住宅と陸屋根の関係について見ていきましょう。

木造住宅には不向きな陸屋根

陸屋根は本来、マンションのような中高層の建物であり、鉄筋コンクリート造や鉄骨造のための屋根形状です。

鉄筋コンクリートは構造上、必然的に陸屋根になります。

陸屋根は木造住宅では難しいといわれており、一般住宅でも鉄骨造に採用されることが多いです。

それでも、スタイリッシュな外観や屋上の設置などを希望して木造住宅でも陸屋根が採用されることがあります。

庭が作れない住宅でも屋上があれば子供や犬を遊ばせたり、洗濯物を干せたりできるので確かに便利です。

木造住宅では雨漏りしやすいということから推奨されていませんでしたが、

防水の技術もかなり進歩してきたので、最近では重量と防水に十分注意すれば木造でも陸屋根は可能です。

木造住宅で陸屋根を採用して安心安全に暮らすためには、さまざまな条件をクリアしなければなりません。

木造平屋建てでの陸屋根の注意点

実は平屋建てでは、スタイリッシュでモダンな外観にするために陸屋根や片流れ屋根が選ばれることが多いです。

平屋建ては2階建てや3階建てに比べて外壁の面積が小さいこともあって屋根の主張が強くならないようにするデザイン傾向があります。

平屋建てで陸屋根を採用すると通常より天井が高く開放感のある住宅になります。

なるべく部屋の仕切りをなくして、開放感を大切に建てることが平屋の醍醐味ともいます。

ワンフロア全てが高天井になると素敵ですよね。

木造住宅で陸屋根にする場合は以下の3つに注意することが必要になります。

屋根と外壁のつなぎ目が直射日光や風雨にさらされているので劣化しやすい状態になります。

また、陸屋根は平らで傾斜が少ないので雨水が溜まりやすくなります。

排水環境が悪いと雨漏りの原因になります。

木造住宅は鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べて重さに耐えられないので、屋根の素材も軽いものを選ぶことになります。

雪が降ることが多い地域で積雪量が多い時が心配です。

このような不安をなくすために、防水工事と強度計算をしっかりと行いましょう。

陸屋根の実績が豊富な施工会社を選んで依頼するようにしましょう。

陸屋根にはパラペットという外周に設けられた低い壁があり、雨水が外壁をつたって流れないようになっています。

雨漏りのリスクを抑えるためにはパラペットの下にある排水溝に落ち葉や土、ゴミが詰まらないように定期的な点検やメンテナンスが必要になります。

平屋建ての陸屋根のデメリット

平屋建ての陸屋根のデメリットは以下になります。

真夏の暑さを感じやすい

陸屋根は屋根と天井のスペースが小さいので、屋根にこもった熱が部屋にダイレクトに伝わってしまいます。

十分な断熱効果を得るためには断熱材のグレードを上げて遮熱などの対策が必要です。

平屋に屋上といったイメージはあまりありませんが…

屋上に庭園を作って芝生を植えると真夏は室温の上昇を抑え、冬は保温効果が得られます。

屋上のある平屋も素敵ですよね。

ただし、住宅街でそれをやると周囲の2階建て3階建ての家から屋上が丸見えになって落ち着かないです。

屋上つきの平屋は自然に囲まれた場所に向いているかもしれないですね。

屋根裏収納ができない

陸屋根の場合は屋根裏収納はあきらめなければなりません。

陸屋根の場合は屋根裏のスペースが取れないからです。

平屋では収納スペースが不足しがちなので、屋根裏収納を有効活用するご家庭もありますが、

平屋の陸屋根の場合は屋裏収納を設けることができないです。

陸屋根にする場合は間取りでしっかりと納戸を確保したり、他の方法で収納スペースを十分に確保しましょう。

建築費用が高くなる

陸屋根はシンプルな形状ですが、防水加工を施すため初期費用が高くなりがちです。

平屋の陸屋根の場合は屋根と基礎の面積も大きくなります。

屋根や基礎の面積が大きくなると建築費用も高くなります。

防水材料には以下の種類があります。

・アスファルト防水
・シート防水
・塗膜防水
(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂）

それぞれにメリット、デメリットがあり素人ではわかりにくいので、

陸屋根の施工が得意な施工会社としっかりと相談して決めましょう。

平屋の屋根形状の選び方

平屋の屋根形状で陸屋根以外だと片流れ屋根がよく採用されます。

陸屋根に見える屋根

陸屋根に見えて実は片流れの屋根という形状もあります。

片流れ+三方パラペット屋根がそれにあたります。

パラペットで屋根が隠れるので片流れの屋根でも陸屋根に見えるわけです。

屋上を作る場合は別ですが、外観をスタイリッシュにしたい場合はこの形状をすすめられる場合も多いです。

このような形状であれば雨水がたまることもありません。

屋根は雨漏りが起きにくいガルバリウム鋼板などが良いでしょう。

ただし、片流れ屋根では雨水が一方向に流れるので、台風や豪雨の際にはそこにある雨どいに大きな負担がかかり壊れやすいです。

雨どいに不都合があると屋根で受けた雨が外壁に流れてしまい、劣化の原因となるのでまめに点検しておきましょう。

平屋の屋根選び

平屋には片流れの屋根が選ばれることが多いようです。

片流れにするメリットは

平屋建てで陸屋根や片流れ屋根にする場合は、

正方形や長方形のシンプルな形になることが多いので、間取りに無駄なスペースができにくいというメリットもあります。

強度計算や防水工事、その後のメンテナンスをしっかり行えば、陸屋根でも安心安全な生活ができるでしょう。

屋上も有効活用するなどして自然と緑を取り入れた素敵な暮らしを実現させましょう。

まとめ

今回は陸屋根のデメリットを知りたい人やおしゃれさだけで陸屋根にしようと考えている人に対して、

平屋の木造住宅を陸屋根にする際の注意点をご紹介してきました。

まとめると以下になります。

強度計算や防水工事、その後のメンテナンスをしっかり行えば、陸屋根でも安心安全な生活ができます。

陸屋根にして屋上を作ると家にいながらアウトドアが楽しめたり、ガーデニングが楽しめます。

陸屋根はデメリットもありますが、屋上まで使える間取りを考えて楽しい注文住宅を実現しましょう。

この記事でおしゃれさだけで陸屋根にする人に注意点をお伝えできれば幸いです。

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アーキトリック一級建築士事務所

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