坪単価は信用できない!?注文住宅の坪単価で建物価格を計算してはいけない理由

家づくりには正しい知識が必要です。

注文住宅を建てる際にハウスメーカーや工務店のホームページをみると、「坪単価」という表記があります。

例えば、

坪単価25万円と買いてあったら、30坪の家が750万円で建つんだと考えてしまうかもしれません。

えっ、そうじゃないの?
じゃあ坪単価ってなに?

と思った方に今回は表示価格に騙されない「坪単価」の計算方法をご紹介します。

注文住宅の予算を考える際の参考になれば幸いです。

私は住宅やリノベーションを中心に設計事務所を17年間(2023年現在)運営してきましたが、

広告などでこの坪単価に騙されて施工会社を決めてしまって後悔する人が多いのに驚いています。

一般的に坪単価は【価格÷面積】で算出されますが、

価格内に含まれている仕様や面積についても各社様々な違いがあるので、一概に比較できないという実情があります。

この記事を読むと以下のことがわかります。

この記事でわかること

・坪単価の計算方法の仕組み

・坪単価を安くする方法

・標準的な坪単価

上記のようなことがわかります。

注文住宅の場合は仕様の自由度があり坪単価も高くなりがちです。

坪単価は最終的な結果に過ぎないことに注意しましょう

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【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!

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注文住宅の坪単価の実情

それでは坪単価について詳しくみていきましょう。

1坪の広さは畳2枚分の約3.3㎡になります。

一般的に坪単価は【価格÷面積】で算出されますが、

価格内に含まれている仕様や面積についても各社様々な違いがあるので、一概に比較できないという実情があります。

坪単価とは

注文住宅における「坪単価」とは1坪あたりの建築費のことです。

坪単価はハウスメーカーや工務店ごとに提示の基準が違っていて、このように提示しなければならないという決まりがないという実情があります。

なので、広告に書かれている「坪単価〇〇万円〜」という金額を真に受けて、すぐに問い合わせすることはおすすめできません。

そのまま計算できない理由

そのまま計算できない理由は以下になります。

そのまま計算できない理由

・坪単価の仕様の内訳が違う

・算出方法が違う

・坪単価と床面積は比例しない

坪単価の仕様の内訳が違う

坪単価として表記されている価格が

坪単価の仕様の内訳

・A建物のみ
建物を建てて、キッチン、ユニットバス、トイレなど最低限の設備があるだけで、そのまま生活することはできない状態

・B生活に必要なものを含む
照明やカーテン、エアコンなどそのまま生活できるような設備が含まれている状態

見積もりを作成してもらうと、Aのような表記をしている会社の方が別途費用の照明やエアコンなどが追加になるので高くなります

ただし、どちらにも言えることはキッチンやユニットバス、トイレなどの設備はその会社が標準としているもので見積書が作成されているので、

それ以上の機能を求めると価格がアップします

キッチンでは、

・タッチレス水栓にしたい
・食器洗浄器が欲しい
・フロアキャビネットを引出を変更したい
・カップボードもセットにしたい


などの要望かなえるととたんに数十万円から中には100万円以上高くなることもあります。

また、玄関ドアでのスマートコントロールキーや各部屋のシャッターなどもオプションになっていることが多いので、それらを付けると坪単価はすぐに上がります。

算出方法が違う

ふたつ目は算出方法の違いです。

坪単価は【価格÷面積】で算出されますが、面積にも2種類あるので注意しましょう。

坪単価を算出する面積の違い

・A延べ床面積
各階の床面積の合計でロフトやバルコニー、玄関ポーチや吹抜けなどが含まれない

・B施工面積
実際に施工する面積のことでロフトやバルコニー、玄関ポーチや吹抜けなどが含まれる

B施工面積はA延べ床面積よりも大きくなります。

価格が同じであれば大きな数値で割った方が安くなります。

坪単価はどのような数値で計算するのか定義がないので注意しましょう。

延べ床面積を使用している会社が多いようですが、施工面積を使用して安く見せている会社もあります

延べ床面積24坪と施工面積30坪で仮に本体価格が2,400万円として実際に計算してみると、

・延べ床面積の坪単価は100万円
・施工床面積の坪単価は80万円


となりかなり印象が違います。

坪単価と床面積は比例しない

3つ目は、面積が半分になっても価格は半額にはならないことです。

理由は簡単で、坪数が半分になってもキッチンやユニットバス、トイレが半分なくなるわけではないからです。

一般的には延べ床面積が狭くなるほど坪単価は高くなります。

そのようなことから、広告に表記されている坪単価を基準にして施工会社を選ぶのは危険です。

坪単価の安さで決めてしまい、

・生活するのに足りないものがあった
・窓の断熱性能が低すぎた


などの失敗があるので注意しましょう。

坪単価は最終的な結果に過ぎない

家が狭くなるほど坪単価自体は高くなるります。

そして、同じ床面積であれば2階建てより平屋建ての方が基礎や屋根の工事費用が多くなるので、坪単価は高くなります。

まずは家族の人数や年齢によってどれだけの広さが必要なのかを考えましょう。

例えば4人家族の平均的な坪数は30〜35坪といわれています。

それくらいの広さがあれば、3LDK〜4LDKの住宅が可能ということになります。

夫婦2人であれば、25〜28坪程度だと思います。

夫婦2人が2,000万円以下で終の住処を建てる場合の暮らしやすい間取りについてはこちらの記事をご参照ください↓

家族にあった広さで予算を考えた時に何を重視して家を建てたいのかが大切になります。

坪単価は最終的に〇〇万円になったという結果を表している表記だということに注意しましょう

坪単価の高い安いだけでなく、どのような内容の見積もりになっているかをしっかりとみるようにしましょう。

例えば坪単価が高くなる事例として、

坪単価が高くなる事例

・屋根や外壁を長持ちする素材にする

・床暖房や全館空調を採用する

・太陽光発電を設置する

・窓や玄関ドアを高い機能性にする

・水まわりの設備のグレードを上げる

などいろいろな要素があります。

一方で坪単価が低くなり事例として、

坪単価が低くなり事例

・キューブ型や総2階で凹凸が少ないシンプルな外観

・屋根の面積や雨どいが少ない片流れ屋根にする

・内装はなるべく同じ安価なクロスを選ぶ

・仕切りをなるべく少なくする

・和室をなくす

といったことが考えられます。

同じ予算でも高気密・高断熱の住宅性能の高い注文住宅にしたい場合は、坪数を抑えて外観をシンプルにすることや、

広さを重視する場合は、キッチンやユニットバスのグレードを下げ、吹き抜けや床暖房をあきらめる

などライフスタイルに合わせた家づくりを考えましょう。

標準的な坪単価

注文住宅というだけで坪単価を低くすることは難しいかもしれません。

ローコスト住宅であれば建材や設備の自由度は低くなりますが、坪単価30〜40万円も可能です。

ただし、ローコスト住宅はそれをうりにしている施工会社を選ぶことが大切です。

住宅金融支援機構が毎年フラット35を利用した人たちのデーターを集計していますが、

2021年の注文住宅における全国の平均値は、

フラット35利用者の平均値

・住宅面積:約38坪

・建築費用:約3,570万円

・坪単価:90万円を超える

現在の情勢では木材が入手しにくいことや鉄鋼や原油価格の高騰、

さらに円安が進んで建築資材が高騰しているため、坪単価はかなり高めになっています。

くれぐれも安い表記に惑わされないように、内容をよく確認しましょう。

まとめ

今回は坪単価で施工会社を決めようとしている人や坪単価で注文住宅の予算を考えている人に対して、

注文住宅の坪単価で建築価格を計算してはいけない理由をご紹介してきました。

まとめると以下になります。

そのまま計算できない理由

・坪単価の仕様の内訳が違う

・算出方法が違う

・坪単価と床面積は比例しない

坪単価の仕様の内訳

・A建物のみ
建物を建てて、キッチン、ユニットバス、トイレなど最低限の設備があるだけで、そのまま生活することはできない状態

・B生活に必要なものを含む
照明やカーテン、エアコンなどそのまま生活できるような設備が含まれている状態

坪単価を算出する面積の違い

・A延べ床面積
各階の床面積の合計でロフトやバルコニー、玄関ポーチや吹抜けなどが含まれない

・B施工面積
実際に施工する面積のことでロフトやバルコニー、玄関ポーチや吹抜けなどが含まれる

坪単価が高くなる事例

・屋根や外壁を長持ちする素材にする

・床暖房や全館空調を採用する

・太陽光発電を設置する

・窓や玄関ドアを高い機能性にする

・水まわりの設備のグレードを上げる

坪単価が低くなり事例

・キューブ型や総2階で凹凸が少ないシンプルな外観

・屋根の面積や雨どいが少ない片流れ屋根にする

・内装はなるべく同じ安価なクロスを選ぶ

・仕切りをなるべく少なくする

・和室をなくす

フラット35利用者の平均値

・住宅面積:約38坪

・建築費用:約3,570万円

・坪単価:90万円を超える

注文住宅の場合は仕様の自由度があり坪単価も高くなりがちです。

坪単価は最終的な結果に過ぎないことに注意しましょう。

この記事で坪単価を信用して後悔する人が少なくなれば幸いです。

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アーキトリック一級建築士事務所

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