外観の色選びで失敗した!?後悔しないための外観の色を選ぶ時の注意点
注文住宅において外観の色選びは完成して全体を見るまでは成功か失敗かわからないという難しさがあります。
また、経年劣化によってこの色は大失敗だったと気づくこともあります。
経年劣化がわかりにくい色ってどんなの?
経年劣化がわかりにくい色は黄土色です。
黄土色は汚れや色あせが目立たない色です。
とはいえ黄土色をそのまま外壁に使うのは難しいと思います。
サイディングで黄土色を選ぶときは、レンガ調やタイル調のものを選んでテクスチャーや素材感があるものがいいと思います。
外観の色を選ぶ時の注意点は以下になります。
外観の色を選ぶ時の注意点
・色をたくさん使わない
・色の組み合わせに注意する
・きれいな色でも家には不向き
・色あせや汚れが目立つ色は避ける
・シミュレーションを信じすぎない
今回はあらゆる状況を想定して外観の色を選べるように、失敗例をあげながら注意点をご紹介します。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
この記事の対象者
▶︎外観の色選びで失敗したくない人
▶︎外観の色を選ぶときの注意点を知りたい人
上記の方々に対して、後悔しないための外観の色を選ぶ時の注意点をご紹介します。
この記事で外観の色選びがスムーズに決められる人が少しでも増えてくれれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
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外観の色を選ぶ時の注意点
外観の色を選ぶ時の注意点は以下になります。
外観の色を選ぶ時の注意点
・色をたくさん使わない
・色の組み合わせに注意する
・きれいな色でも家には不向き
・色あせや汚れが目立つ色は避ける
・シミュレーションを信じすぎない
色をたくさん使わない
外壁は多くても3色までにおさえるとまとまりがよくなります。
上下左右ストライプで2色にしてアクセントとして3色を使用している家はよく見かけますよね。
屋根の色も含まれるのでバランスは大切です。
同じ3色づかいでも配分が悪いと大きな失敗をしてしまいます。
3色で塗り分けする場合は、
配色のバランス
・ベースカラー
→面積が一番大きい(60〜70%)
・アソートカラー
→面積が2番目に大きい(20〜30%)
・アクセントカラー
→面積が一番小さい(5〜10%)
といったようにバランスを考えることが重要です。
同じ3色づかいでも、使用する面積によって印象は大きく変わります。
3分割のようにして色を分けてしまうとコンセプトがあいまいな外観になってしまいます。
一戸建ての外観は、窓枠や玄関ドアはもちろん門、フェンス、庭、そして個性的な色を好む場合は自家用車の色まで含めて考えてみるとよいと思います。
白、黒、グレーのような無彩色はまとめて一色と考えても良いと思います。
※無彩色とは色みのない色のこと
彩度の高い色を使いすぎると落ち着きのない安っぽい印象になってしまいます。
※彩度とは色の鮮やかさのこと
また、住宅地において周囲との調和を考えずに奇抜な配色を選ぶと、景観を壊してしまってご近所さんとうまくいかなくなることもあります。
色の組み合わせに注意する
色を3色以内におさえて配分もよいのにセンスの悪い外観になってしまったという色選びの失敗もあります。
例えば上下左右で色を変える場合、暖色系と寒色系を組み合わせるとあかぬけないちぐはぐな印象になってしまいます。
※暖色系とは赤、ピンク、オレンジなど暖かみのある色のこと
※寒色系とは青など冷たいイメージの色のこと
ツートンカラーは同色系にまとめたり無彩色やそれに近い準無彩色の紺、茶、ベージュなどとうまく組み合わせてみるとよいでしょう。
境目に黒、白、グレーなどのコントラスト感を調整してくれるセパレートカラーを使うことで上下のバランスをとってくれます。
また、組み合わせた色のどちらを上にするかによってもかなり印象が変わります。
1階のほうが濃い色ならどっしりとした落ち着いた印象になります。
2階のほうが濃ければ個性的な印象になります。
きれいな色でも家には不向き
人それぞれ好みの色やこだわりの色があると思いますが、大きなものの色として合うか合わないかの判断はとても難しいです。
家の形状によっても向き不向きがあります。
ベースカラーを真っ赤や真っ青、ピンクのような濃くて鮮やかな色を選ぶことは周囲との調和を考えて避けたほうが良いと思います。
どうしても採用したい場合は、南欧風やカリフォルニアスタイルなど海外の住宅のような外観や外構を参考にして不自然にならないような工夫が必要です。
単に色だけで個性を出すのは無理があります。
また、海外の住宅のような外観にする場合も周囲の景観を壊さない配慮は必要です。
自治体によって一般住宅にも「景観形成方針」が定められているところもあるので、どこでも自由な色選びで家が建てられるわけではないので注意しましょう。
例えば神奈川県川崎市では以下のような決まりがあります。
建築物等の外観の色彩・素材
川崎市景観形成方針
1.斜面緑地に計画する建築物等は、木材や石材などの自然素材や周辺の緑と調和する低彩度の色彩を基調とするように努める。
2.戸建住宅は、周辺の街なみの連続性に配慮した色彩とするよう努める。
3.戸建住宅が隣接する共同住宅は、周辺から突出するため落ち着きのある低彩度の色彩を基調とするように努める。
この他に、人口の少ない小さな市町村でもこのような条例が定められている場合もあるので事前にしっかりとチェックしておきましょう。
住宅街を歩いていると一戸建てには無彩色、準無彩色などが多く選ばれているのが分かります。
ピンクやオレンジ、ブルーなどを選ぶ場合には薄めの色にしたほうが無難です。
外壁材次第で安っぽく見えてしまう場合もあるのでプロの意見を取り入れて慎重に選ぶことをおすすめします。
色あせや汚れが目立つ色は避ける
外壁の汚れには土やホコリ、カビ、コケなどがあり、白や黒は汚れが目立ちやすくなります。
それならば、汚れに近い色を選ぶことによって目立たなくなります。
真っ白ではなくベージュやアイボリー、黒ではなくグレーを選べばいいと思います。
濃い色や明るい色、特に赤っぽい茶色や黄色は紫外線を吸収しやすいため色あせが早く目立ちやすいです。
濃い茶色は重厚感があるので多く選ばれる色ではありますが、色あせのせいで築年数よりも古く見られることがあるので慎重に検討しましょう。
色あせが目立ちにくい色としては、黄土色があげられいます。
おしゃれさを追求するには難しい色かもしれませんが、汚れも目立ちにくく外壁にはおすすめの色です。
とはいえ黄土色をそのまま外壁に使うのは難しいと思います。
サイディングで黄土色を選ぶときは、レンガ調やタイル調のものを選んでテクスチャーや素材感があるものがいいと思います。
シミュレーションを信じすぎない
外観全体の色は完成前に確認することはできないのでカタログと一緒にカラーシミュレーションソフトなどを使用して色選びをすることがあります。
とはいえ、画面やカタログで見るものは小さいサイズです。
完成した実物を見た時にかなり印象が違ってしまったとがっかりする人も少なくないです。
外壁材によっては光沢の有無や太陽の下で見る色が違うなどの理由もあってこんなはずじゃなかったと感じてしまう方もいます。
失敗がないようにするには、他の物件で理想的な外観を見つけたら
「これと同じイメージにしたい」
と伝えることです。
そのような場合の注意点は全く知らないご家庭の住宅をジロジロ見て写真を撮ったりしないことです。
理想の住宅のためとはいえ他人に与えてしまう不快感には気をつけましょう。
モデルハウスで見つかれば一番いいですね。
住宅の外観は完成するまでわからないものです。
カタログやパソコンの画面だけで選ばず、ご自身の目でさまざまな物件を見て回って慎重に検討しましょう。
まとめ
今回は外観の色選びで失敗したくない人や外観の色を選ぶときの注意点を知りたい人に対して、
後悔しないための外観の色を選ぶ時の注意点をご紹介してきました。
まとめると以下になります。
外観の色を選ぶ時の注意点
・色をたくさん使わない
・色の組み合わせに注意する
・きれいな色でも家には不向き
・色あせや汚れが目立つ色は避ける
・シミュレーションを信じすぎない
最近ではVRゴーグルを使って実際の土地にシミュレーション画像を合成して見せてくれるところも増えてきました。
しかしながら、晴れた日や曇りの日などの外観の見え方までは素材を正確に表現できないことがほとんどだと思います。
外壁の素材は現物のサンプルをしっかりと太陽のもとで見て決めないと日光のあたり具合でかなり違った印象になってしまうこともあるので、
外壁を決める際は現物サンプルをしっかりと取り寄せて確認するようにしましょう。
この記事で外観の色選びがスムーズに決められる人が少しでも増えてくれれば幸いです。
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