【2階リビング】狭小住宅でおすすめの間取り!?2階リビングの5つのメリット
注文住宅の間取りを考える際にリビングの場所をどこにするのか重要視するご家庭は多いと思います。
リビングは住宅の中ではメインの部屋になります。
大きな選択肢は1階にするか2階にするかです。
どんな住宅が2階リビングに向いているの?
2階リビングに向いている住宅は、
・土地が狭い
・人通りが多い
・隣家が密集している
などの狭小住宅には向いていると思います。
結論から言うと2階リビングのメリットは、
2階リビングの5つのメリット
・日当たり、眺めがいい
・プライバシーが守られる
・開放感がある
・広い空間が取れる
・耐震性がアップする
などのメリットがあります。
しかしながら、2階リビングならではの配慮しておきたいこともあり、それがデメリットに感じることもあります。
2階リビングを間取りとして採用するときは、
メリット・デメリットを整理して、自分自身のライフスタイルにピッタリあっているかをしっかりと考えましょう。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
この記事の対象者
▶︎2階リビングの間取りを検討している人
▶︎2階リビングのメリット・デメリットを知りたい人
上記の方々に対して、狭小住宅でおすすめの間取りである2階リビングの5つのメリットをご紹介します。
この記事で2階リビングの間取りを検討する人が少しでも増えてくれれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!
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目次
2階リビングの5つのメリット
2階リビングの5つのメリットは以下になります。
2階リビングの5つのメリット
・日当たり、眺めがいい
・プライバシーが守られる
・開放感がある
・広い空間が取れる
・耐震性がアップする
日当たり、眺めがいい
2階リビングの醍醐味は、なんといっても遮るものがなく日当たりがいいことです。
家の向きにもよりますが、日が差し込む時間が長く冬の日中は暖房いらずというお宅もあります。
立地にもよりますが、カーテンを開けると目の前に景色が広がります。
大きな窓にすると広々とした空間が楽しめます。
最近ではテレワークが推奨され自宅のリビングで仕事をする人も多くなりました。
そうなってみてわかることなのですが、目線の先に景色があるととても快適に過ごせます。
私の場合は2階が設計事務所なので普段は2階で作業しています。
天気の良い時には景色のよい2階のアウトドアリビングで作業することが多いです。
2階リビングは日当たりや眺めはいいのですが、夏は結構暑いです。
特に南向きで2階にリビングがある住宅では真夏は室温がかなり上昇します。
日当たりが良いのはデメリットに感じられるかもしれませんが、日当たりが良いのはメリットの方が大きいと思います。
2階リビングでは風の通りも良くなるので、私の設計事務所ではエアコンを設置せずに自然換気だけで過ごしています。
夏の暑さが辛いのは一年のうちで7,8月の2ヶ月間だけです。
私の場合はその期間は事務所で作業することを減らし、外での仕事をするようにしています。
しかしながら、そのような暮らしができない人が大半だと思います。
そのような場合は以下のことに配慮して2階リビングを作りましょう。
日当たりが良すぎる対策
・窓の断熱性能を高める
・庇などで日差しを遮る
庇の深さは、夏至の太陽の南中高度78°の光を遮り(外壁に直射日光が当たらないようにする)、
冬至の南中高度32°で光が室内の床全面に入るように設定しましょう。
冬至の南中高度32°の時に室内に太陽の光を最大限に取り込められられれば、冬でも暖かな2階リビングを作ることができます。
プライバシーが守られる
2階にリビングを設けたいと考えているご家庭では、道路に面していたり隣家との距離が近かったりするケースが多いと思います。
やはり人の目線は気になりますよね。
庭を広くすることができれば周囲の目もそれほど気にならなくなりますが、
周囲の目線対策として目隠しフェンスをつけると、せっかくのリビングが狭くて暗い感じになってしまいます。
その点、2階にリビングがあると視線が感じにくくなりフェンスなどは必要なくなります。
2階リビングで生活している目線と周囲の人との目線の高さが違うからです。
私も2階で過ごすことが多いので、周囲の目線を気にすることなく作業に没頭することができています。
プライバシーがしっかりと守られることは快適に暮らす上では欠かせない要因だと思います。
開放感がある
リビングが2階にあると、天井を高くできバルコニーとつながりを持たせることにより、実際よりも広々とした空間を演出できる効果があります。
特に屋根の断熱性を高めて勾配天井にするとかなり空間が広く感じられます。
日常の生活空間を2階にすることでロフトや屋根裏収納を有効利用することもできます。
また、キッチンだけでなく水まわりを2階に集約することで家事動線も快適になります。
浴室が2階にあると洗濯をしてそのままバルコニーで干すことができます。
洗濯が多いご家庭ではいちいち2階に上がったりすることなく洗濯物が干せるのでメリットは大きいと思います。
洗面所や浴室が2階にあると光を取り込みやすく風通しも良いのでカビが生えにくくなります。
洗濯物を室内干しにする際もリビングの大きな窓ごしであれば乾きも早くて便利です。
ただし、水まわりを2階にすると施工費が高くなる場合があるので予算のこともしっかりと見極めましょう。
また、家具を2階に設置する際は大きなテレビや冷蔵庫、食器棚が搬入できるように間口も考えておきましょう。
特に折り返し階段の場合は踊り場がある程度広くないと、幅のあるものが2階に上げられない場合もあります。
あとは、隣家と近い場合は夜には注意が必要です。
1階にリビングがあるご家庭では2階は寝室であることが多いので、
2階リビングで夜遅くまで大音量でテレビなどをつけていると迷惑をかけることもあります。
隣家と近い窓は防音サッシ(2重窓)を採用することも検討し、周囲への配慮も忘れないようにしましょう。
広い空間が取れる
木造住宅で広い空間を取る場合は、梁のスパンが重要になります。
※梁のスパンとは柱と柱をつなぐ梁の距離のことです。
梁や柱の上に乗っている荷重が重くなると、梁成や梁幅が大きくなります。
木造の場合は梁成や梁幅には限界があるので当然、梁のスパンにも限界があります。
しかしながら、2階リビングは建物が2階建ての場合にはその上が屋根だけになるために、梁や柱にかかる荷重が小さくなります。
結果として、梁のスパンを大きくすることができるために広い空間が取れるようになります。
LDKを広く取りたい場合は、なるべく柱のない広い空間が必要になります。
2階リビングにすれば梁のスパンを大きく取ることができるため、広いLDKの空間を実現することができます。
耐震性がアップする
リビングや水まわりを2階に集約すると1階の間取りにゆとりができて居室を充実させることができます。
また、1階に寝室や子ども部屋などを設けることによって柱や壁の量が増えて耐震性がアップします。
住宅は1階に柱や壁が多い方が耐震性には良いです。
日本は地震大国なので大きな地震が起きた時に被害を最小限にできる耐震性はとても重要です。
1階に広いLDKを作りたいがために、無理に梁のスパンを取ったり柱を抜いたりすれば耐震性は低くなります。
耐震性をアップするためにも、1階に居室を設け2階をリビング(LDK)にするのは理にかなっていると思います。
2階リビングで想定しておくこと
2階リビングで想定しておくことは以下になります。
2階リビングで想定しておくこと
・日当たりがよすぎる
・荷物を持って階段を上がるのが大変
・高齢者のための気配り
・1階の防犯を重視する
・1階にもトイレや洗面台を設置する
日当たりがよすぎる
2階リビングは周囲に遮るものが少ないので夏は暑すぎて大変なこともあります。
夏の強い日差しを防ぐためにはサンシェードやオーニング、窓の断熱性や遮光性などをしっかりと考えておきましょう。
また、ペットがいるご家庭では暑さでペットがダウンしないように夏の間は留守の時でもエアコンをつけっぱなしにするご家庭も多いと思います。
窓だけでなく、壁や屋根などの断熱性能をしっかりと確保しないと光熱費が高くなるので注意しましょう。
荷物を持って階段を上がるのが大変
2階にキッチンがあるので生活に必要なものは2階まで持って上がらなければなりません。
その点に不便を感じる人が多いのも事実です。
宅配便が来るたびにわざわざ1階に下りて受け取るのが大変だったりします。
このような場合は宅配ボックスの設置を検討しましょう。
階段との付き合いは1階リビングの家より増えることは間違い無いので、
上り下りがしやすいように蹴上や踏面の設計をしっかりとしましょう。
高齢者のための気配り
高齢者にとって階段の上り下りは大変です。
ご家庭に高齢者がいらっしゃる場合はトイレと浴室を1階にするなど、高齢者への工夫は必要になります。
また、高齢者でも上がり下りのしやすい階段にするには以下の配慮が必要になります。
階段を緩やかにするように設計段階で注意しましょう。
また、体を壁にもたれながら登ることも考えると手すりや壁の強度もしっかりと考えましょう。
1階の防犯を重視する
2階のリビングにいると1階の音があまり聞こえないです。
防犯面を考えた時に玄関をしっかり施錠したり、窓にしっかりと防犯対策を施すことが大切です。
玄関ドアを電気錠などにしてオートロックしたり、窓にはルーバーや面格子などを設置しましょう。
最近では防犯カメラの映像が外出先でもスマートフォンで見れたりするものが多いです。
また、不審な動きをすると録画が始まったりするなど高性能のものも多なっています。
2階リビングにする場合はしっかりと1階の防犯対策に配慮するようにしましょう。
1階にもトイレや洗面台を設置する
水まわりを2階に集約した場合でも、1階にも洗面台を設けた方がいいと思います。
帰宅時の手洗いやうがいの場所として利用頻度が多いためです。
また、1階に寝室や子ども部屋を設けるのでトイレもしっかりと設置しましょう。
夜のトイレにわざわざ2階に上がらなければならないのは苦痛だと思います。
1階と2階にトイレや洗面台があれば、家族で朝に取り合う争いもなくなります。
高齢になるとトイレが近くなるので寝室の近くにトイレがあった方がいいと思います。
まとめ
今回は2階リビングの間取りを検討している人や2階リビングのメリット・デメリットを知りたい人に対して、
狭小住宅でおすすめの間取りである2階リビングの5つのメリットをご紹介してきました。
まとめると以下になります。
2階リビングの5つのメリット
・日当たり、眺めがいい
・プライバシーが守られる
・開放感がある
・広い空間が取れる
・耐震性がアップする
2階リビングで想定しておくこと
・日当たりがよすぎる
・荷物を持って階段を上がるのが大変
・高齢者のための気配り
・1階の防犯を重視する
・1階にもトイレや洗面台を設置する
2階リビングにするならやはり生活動線をしっかりと確保したいところです。
日当たりも良くて環境によっては眺めも良い2階リビングですが、
庭やガーデニングを楽しみたいご家庭は1階にリビングがあった方がいいかもしれません。
2階リビングを間取りとして採用するときは、メリット・デメリットを整理して自分自身のライフスタイルにピッタリあっているかをしっかりと考えましょう。
この記事で2階リビングの間取りを検討する人が少しでも増えてくれれば幸いです。
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