収納は設計段階でどこまで配慮すればいいの?後悔しないクローゼットの作り方
注文住宅ではウォークインクローゼット、シューズクローク、ファミリークローゼットなど、
さまざまな収納を自由に取り入れることができます。
収納スペースはそれなりに費用をかけて作るものなので、家族みんなが便利に使えるものにしたいですよね。
収納は設計段階でどこまで配慮すればいいの?
新居になったとしても生活スタイルをすぐに変えられるわけではないので、
今の生活で使う物をしまえるだけの収納力は確保した方がいいと思います。
クローゼットを作ったけれど便利に使えていないという後悔をなくすために、収納についての注意点をご紹介していきます。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
この記事の対象者
▶︎収納で後悔したくない人
▶︎収納をどのように考えればいいのかわからない人
上記の方々に対して、後悔しないクローゼットの作り方をご紹介します。
この記事が収納を作るときの参考になってくれれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!
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後悔しなクローゼットの作り方
クローゼットを考えるときに以下の点を考えながら設計しましょう。
後悔しなクローゼットの作り方
・どんな使い方なのか考える
・どんなものを収納するのか考える
・家族みんなに役立つ収納?
収納スペースはあればあるほど家の中が片付くと思いがちですが、用途も考えずに作ってしまうと無駄なスペースになってしまいます。
ぜひ家族みんなでどのように使いたいか話し合ってみてください。
どんな使い方なのか考える
シューズクローゼットとクローゼットについてどんな使い方なのか考えてみましょう。
シューズクローク
ウォークイン型にするかウォークスルー型にするかで広さや作りが変わります。
ウォークスルー型にするのであればなぜそうしたいのか考えましょう。
・玄関土間はスッキリさせたい
・家族の靴が多い
・靴の脱ぎっぱなしを見せたくない
家族の靴がうまく片付かないからお客さんと出入り口を分けたい場合は、
家族の年齢や性格も併せてみんながそうしてくれるかを考えてみましょう。
ウォークスルー型はウォークイン型に比べて通路が必要になるので1帖程度は広くしなければなりません。
ウォークスルー型にしたけれど結局そこは通らずに玄関土間に靴を脱いで上がってしまうという声も多いです。
それならばウォークイン型にすればよかったという後悔につながります。
クローク内を通ることで家族の動線が便利に感じるような間取りにできれば自然にみんながウォークスルーするようになります。
例えば、
・クローク内を通った方がリビングへの近道になる
・扉の開閉のストレスがない
玄関ドアを開けてからの動きをシミュレーションしてみましょう。
クローゼット
各居室にクローゼットを設けるかファミリークローゼットをつくって居室には最低限の収納だけにするか、
家の広さや間取り、家族の人数によっても考え方が変わると思います。
ファミリークローゼットはただ衣類や物をつめ込むのではなく、それらがあることで家事の時短や効率化ができるといいと思います。
水まわりや洗濯物を干す場所からの動線をよくして、洗濯物を他の部屋に持ち込まずにたたんでしまえるようにしたり、
家族みんなが利用できるように出入りが便利な場所にしたりと、使い勝手を優先させた方がムダがないです。
各部屋からクローゼットを省くことで部屋を広く使うことができることも、ファミリークローゼットをつくるメリットのひとつです。
どんなものを収納するのか考える
シューズクローゼットとクローゼットについてどんなものを収納するのか考えてみましょう。
シューズクローク
シューズクロークは靴だけでなくいろいろなものを収納できるように考えます。
靴だけを収納するのであれば下駄箱を設置すればいいわけです。
シューズクロークをつくることで扉や照明、コンセント、換気扇などが必要になると下駄箱よりもかなり費用がかかります。
新築では20万〜50万円くらいでしょう。
あまり費用をかけたくない場合は、空間を分けずに棚をつくるだけでも整頓できる場合もあります。
室内まで持ち込めないものを収納するなら、どんなものがあるのかを予め考えて、整頓しやすいつくりにしましょう。
背丈の高いものがある、年に数回しか使わないものがあるという時には、
十分な高さをとって天井のほうまで有効活用できるようにすると良いでしょう。
また、床に置くものの高さを考えずに棚をつくり付けてしまうとゴルフバックのようなものが壁際に置きにくくなることもあります。
棚は取り外しができて高さを変えられる可動棚がおすすめです。
シューズクロークは傘やレインコート、ブーツ、外遊びの道具など湿気のあるものを収納することも多いので、
換気扇や小窓を設けて風を通せるようにしておきましょう。
除湿機や空気清浄機を使用することもあるのでコンセントは必須になります。
クローゼット
ファミリークローゼットは建築基準法では居室とされないスペースであることがほとんどです。
衣類を収納するところは日当たりが良すぎると衣類が日焼けしてしまうので、大きな窓は不要です。
その代わり湿気がこもらないように換気はまめにしなければなりません。
家族みんなの衣類やバック、タオル類などを収納して、着替えもできるような広さがあれば、居室ごとにクローゼットがなくても大丈夫でしょう。
ファミリークローゼットなどで1ヶ所にまとまっていると季節ごとの衣替えも不要になります。
ただし、家族みんなの衣類を取り出しやすいように収納するには、
それなりの広さがあってショップのように見やすく、ハンガーに掛けてあったり棚に乗せてあった方がいいですよね。
また、季節によって不要になる家電なども収納できると便利です。
有効活用するには4.5帖くらいの広さが欲しいところです。
家族みんなに役立つ収納?
シューズクロークやファミリークローゼットなど専用収納スペースは、
家を建てる時に本やインターネットなどを見てつくりたくなるあこがれの設備ともいえます。
ひと昔前の住宅では聞きなれなかったおしゃれな響きを持つ名称です。
家の中にはなかったというわけではなく、納戸という呼び名であったものです。
シューズクロークは0.5帖程度のものから3帖ほどのものまで広さはさまざまです。
床面積が30坪くらいの家であれば玄関にゆとりを持たせて3帖ほどでつくっても無理はないでしょう。
玄関まわりに収納スペースがまとまっていたほうが、あちこちに小さな収納をつくるよりも家の中が片付きやすくなる場合もあります。
ウォークインクローゼットは寝室に隣接しているご家庭も多いですよね。
そうなると主に夫婦の収納スペースとなり、子供部屋にはそれぞれのクローゼットを設置するようになりがちです。
クローゼットをつくっても十分な広さがあれば使い勝手が良くなりますが、
それぞれの部屋があまり広くないなら、収納スペースを一つにまとめて独立させた方がいい場合もあります。
まとめ
今回は収納で後悔したくない人や収納をどのように考えればいいのかわからない人に対して、
後悔しないクローゼットの作り方をご紹介してきました。
まとめると以下になります。
後悔しなクローゼットの作り方
・どんな使い方なのか考える
・どんなものを収納するのか考える
・家族みんなに役立つ収納?
使いやすい収納スペースがあると片付けが楽しくなっていつの間にか習慣になるかもしれません。
家族の意見を聞きながら便利な収納方法を考えてみましょう。
この記事が収納を作るときの参考になってくれれば幸いです。
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