これからの時代に求められる建築って?XRがもたらす建築のあり方について
これからの時代は建築の設計から施工までの過程が技術の進歩によりガラッと変わっていくと思います。
これからの時代に求められる建築って?
XR(クロスリアリティ)の技術によって建築はモデリングデータをより重視する時代になると思います。
すでにBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトによって、
モデリングデータを作り建築の設計から施工までを一貫してデータで管理することができる時代になっています。
それがより一般のユーザーにも操作しやすいようになり、モデリングデータを編集することが容易にできるようになると思います。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
この記事の対象者
▶︎XRとは何かを知りたい人
▶︎XRによって建築がどのように変わるのかを知りたい人
上記の方々に対して、私が考えるXRがもたらす建築のあり方についてご紹介します。
この記事が少しでもXRがもたらす建築のあり方を想像する手助けになってくれれば幸いです。
【自己紹介】
Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所
設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。
店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。
現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。
設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!
住宅に関する悩みを解決すべく、ブログやTwitterで情報発信しています。
「いいね!」や「フォロー」していただけるとうれしいです。ヨロシク(b・ω・d)デス♪
それからコメント欄はこれまで皆さんが経験してきたことを発信する場として使っていただければ幸いです。
役立つ情報をみんなで共有できるような書き込みは大歓迎です。
目次
XR(クロスリアリティ)について
まずは、XR(クロスリアリティ)とはどういうものなのかについて見ていきましょう。
XR(クロスリアリティ)とは
XR(クロスリアリティ)とはメタバースではVR(仮想現実)だけでなく、AR(拡張現実)やMR(複合現実)などを含めたXR(クロスリアリティ)という先端技術を使って、
現実世界での日常生活を仮想空間でも同ようにできるだけでなく、より便利にすることを目指して進化しています。
XR(クロスリアリティ)とは
・VR(仮想現実)
→ヘドマウントディスプレイなどを装着し、仮想空間を表示する
・AR(拡張現実)
→スマホなどの画面上で現実空間に仮想の情報を表示する
・MR(複合現実)
→透明な専用メガネを装着し現実空間に仮想の情報を表示する
XRという言葉が生まれたのは、VRやARなどを複合した技術が登場するようになったからです。
たとえば、ヘッドマウントディスプレイを使ったVRのゲームに、ARのコンテンツを組み合わせた場合、
それがVRなのかARなのか境界線を引くのは難しいので、XRという言葉が生まれました。
VR(仮想現実)
VRは目の前にある空間とは「異なる現実」を体験できる技術になります。
よくイメージされるのは、VRゴーグルです。
VRゴーグルを装着することで、現実とは別の世界を体験できるようになります。
パラレルワールドの元になった概念で、最近ではコンサートの映像にVRを取り入れて自宅でLIVE体験ができるなど、用途が広がっています。
AR(拡張現実)
ARは仮想現実に入り込むVRと違い、現実の空間に「非現実の世界」を重ねることで現実世界を拡張する技術になります。
日本でも社会現象になった「ポケモンGO」もAR技術を用いたコンテンツです。
スマートフォンのカメラを通した景色の中にポケモンが登場することで、現実世界にゲームのキャラクターが現れる体験こそがARの世界です。
MR(複合現実)
MRは現実空間と仮想空間を混合し、現実のモノと仮想的なモノがリアルタイムで影響しあう新たな空間を構築する技術全般を指します。
ARと違う点として、現実世界の形状(部屋の形やテーブルの位置)などをデバイスが把握し、
それらにデジタル映像をぴったりと重ね合わせることができます。
つまり、MRは VRとAR を発展させた技術になります。
XRがもたらす建築のあり方
XR(クロスリアリティ)がもたらす建築のあり方について、次のことができるようになると私は考えています。
XRがもたらす建築のあり方
・完成前に空間を体験できる
・設計変更が現場でリアルタイムに
・設計モデルを共有できる
・情報をモデルに添付できる
・公開すれば誰でもアクセスできる
完成前に空間を体験できる
XR(クロスリアリティ)がもたらす建築でできることは、完成前に空間を体験できることです。
現場でもAR(拡張現実)を使って体験することはもちろんですが、遠隔地からでもVR(仮想現実)で空間を体験できるようになります。
これまでは設計でBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトを利用することによりある程度は想像することができましたが、
それを仮想空間で体験できるようになると設計段階でできること増えると思います。
完成前に空間を体験できるとどんなメリットがあるの?
完成前に空間を体験できるメリットとしては
・施主とのイメージの相違をなくす
・より細部まで設計的な配慮ができる
・工事関係者と共通認識が持てる
などがあげられます。
このことにより、より細かなところまで打ち合わせが可能になります。
また、完成前に仮想空間を公開することで宣伝効果が得られるなどのメリットもあります。
設計変更が現場でリアルタイムに
XR(クロスリアリティ)がもたらす建築でできることは、設計変更が現場でリアルタイムにできることです。
これまでは、設計変更するときは事務所に戻ってパソコンを立ち上げ、図面を描き直さなければならなかったことが、
現場でモデリングデータを変更することにより瞬時に関連する図面を変更することができるようになると思います。
現場でリアルタイムに設計変更できるとどうなるの?
細かな変更にすぐ対応できたり、事務所で仕事をしなくてもよくなったりします。
また、モデリングデータを一元的に管理できれば常に新しいデータを更新することが可能になります。
現場にモデリングデータを重ね合わせてARでアイデアを試してみることも可能になります。
設計モデルを共有できる
XR(クロスリアリティ)がもたらす建築でできることは、設計モデルを共有できることです。
工事現場には多くの職人さんたちが働いています。
そこで働いている誰もが設計モデルを共有することができれば、常に新しいデータを元に工事を行うことができます。
設計モデルを共有できると何がいいの?
打ち合わせにより設計変更が生じた場合にすぐに対応することができたり、人件費や材料のロスを少なくすることができます。
現場において情報を共有できることのメリットはとても大きいと思います。
情報をモデルに添付できる
XR(クロスリアリティ)がもたらす建築でできることは、情報をモデルに添付できることです。
工事現場でMRを用いればその箇所の情報を添付することができます。
例えば工事の打ち合わせ履歴を添付しておけばどのように変更になったかをその場で知ることができます。
今までとどう違うの?
今までは現場監督の指示が必要だったので、監督が伝え忘れてしまっているなどのミスにより工事をやり直さなければならなかったりしましたが、
その現場で作業する前に添付された情報にアクセスすることにより、打ち合わせ履歴を見ることができ変更事項を確認することができます。
現場監督の伝え忘れを防止することや、直接の指示がなくても現場をスムーズに動かすことができるようになります。
公開すれば誰でもアクセスできる
XR(クロスリアリティ)がもたらす建築でできることは、公開すれば誰でもアクセスできることです。
公開する範囲を限定する必要はありますが、モデリングデータをネット上に公開することができれば誰でもその仮想空間にアクセスすることができます。
仮想空間にアクセスできると何がいいの?
遠隔地からでも空間体験が可能になることや、アクセスした人達の意見をもとにマーケティングを行い、
そこで流行るビジネスやコミュニティーが生まれる可能性があります。
また、仮想空間と現実の建築と重ね合わせることにより付加価値が生まれ、今までになかったビジネスも可能になると思います。
まとめ
今回はXRとは何かを知りたい人やXRによって建築がどのように変わるのかを知りたい人に対して、
私が考えるXRがもたらす建築のあり方についてご紹介してきました。
まとめると以下になります。
XR(クロスリアリティ)とは
・VR(仮想現実)
→ヘドマウントディスプレイなどを装着し、仮想空間を表示する
・AR(拡張現実)
→スマホなどの画面上で現実空間に仮想の情報を表示する
・MR(複合現実)
→透明な専用メガネを装着し現実空間に仮想の情報を表示する
XRがもたらす建築のあり方
・完成前に空間を体験できる
・設計変更が現場でリアルタイムに
・設計モデルを共有できる
・情報をモデルに添付できる
・公開すれば誰でもアクセスできる
XR(クロスリアリティ)により設計手法は大きく変わっていくと思います。
BIMソフトがより安価になりモデリングデータを誰もが簡単に扱える時代になれば、仮想空間はより発展していくでしょう。
これからは現実の建築を作るだけでなく、仮想現実でもモデリングデータを公開することで新たな都市空間が生まれる時代になるでしょう。
この記事が少しでもXRがもたらす建築のあり方を想像する手助けになってくれれば幸いです。
この記事が役に立った、面白かったという方はコメントしてくださいね。
また、FacebookやTwitterでみなさんのお役にたてる情報発信しています!
「いいね!」や「フォロー」していただけるとうれしいです。ヨロシク(b・ω・d)デス♪
アーキトリック一級建築士事務所