トイレに窓って必要なの?窓付きトイレのメリット・デメリットについて

実家のトイレは換気扇がなく臭気がこもってしまうので窓で換気しています。

昔の家で風通しはいいので窓を少し開けるだけで換気できますが、トイレの窓が隣の家の台所に近いので、音や気配を感じてしまい集中することができません。

ちなみに自宅のトイレには窓がありますが、今まで一度も開けたことがありません。

そもそもトイレに窓って必要なの?

あくまでも私の意見ですが「トイレに窓は必要ない」と思います。

改正建築基準法が施行された2003年7月以降、全ての建造物に24時間換気システムを設置することが原則として義務付けられました。

24時間換気システムでしっかりと換気できればトイレの臭気が室内に広がることはありません

ただし、換気扇も機械ですからメンテナンスが必要であったり機械自体の寿命があります。

一般的に換気扇の寿命は24時間換気に使用した場合は10年とされています。

今回は窓付きトイレのメリット・デメリットを取り上げ、「トイレに窓は必要なのか?」を考えてみたいと思います。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

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窓付きトイレのメリット

窓付きトイレのメリットとして代表的なものは以下のとおりです。

・昼間は明るい
・換気ができる
・窓枠に物が置ける

昼間は明るい

昼間は照明をつけなくても太陽の光が入ってくるので明るくなります。

別荘や広い庭に面して大きな窓を付けられるのであればとても開放感があっていいのかもしれません。

しかしながら、一般の住宅では隣からの視線が気になります。

停電時を考えると窓付きトイレにしたほうがいいのですが、停電は年に何回もあることではないので、その時のためだけに窓を付けるのは少し考えたほうがいいと思います。

換気ができる

窓を開ければ自然に換気ができます。

春や秋の天気のいい日など外の新鮮な空気を取り込むのは気持ちいいかもしれません。

大きな窓を開ければ換気扇よりはやく空気を入れ替えてくれます。

しかしながら、同時に外の空気が入ってきたり、室内の暖かい空気が抜けてしまったり、せっかく高気密の家を作ってもトイレの窓を開けることで台無しになってしまいます。

窓枠に物が置ける

トイレの窓枠の膳板のところに消臭剤や一輪挿し、替えのトイレットペーパーなどを置くことができます。

トイレにはちょっとしたものが置ける棚は必要だと思います。

私の場合は携帯をもってトイレに入ることが多いので、ペーパーホルダーの棚に置くことが多いです。

窓は外からの視線の都合上、座る位置から離して作るので窓枠に置くものは位置により限られてくると思います。

窓付きトイレのデメリット

窓付きトイレのデメリットで代表的なものは以下のとおりです。

・断熱性能が落ちる
・費用がかかる
・防犯性能が下がる
・紫外線による劣化
・掃除が面倒

断熱性能が落ちる

断熱材の入った壁と比べると窓は熱貫流率が高くなります。(熱貫流率とは熱の伝わりやすさを示す数値のこと)

つまり窓は熱が伝わりやすいので、室内の熱が逃げやすいし、外から熱が侵入しやすいということになります。

高断熱の住宅を作る上で窓の断熱性能はとても重要です。断熱性能を高めるには高性能の窓を使うか窓を少なくすることが求められます。


冬場などトイレの窓から熱が逃げて他の部屋との温度差が大きくなりヒートショックを起こしてしまう原因にもなります。

費用がかかる

壁を作るよりも窓を作るほうが施工手間や材料費などの費用がかかります。

小さい窓なら住宅用のサッシはとても安いのですが、それでも外壁サイディングとプラスターボードクロス貼りなどの仕上げのほうが安いです。

外壁がサイディングの場合は窓の四方にコーキングが必要になったり、防水テープを貼る必要があります。

コーキングは10年〜15年で劣化してしまうので、足場を組んでコーキングの打ち替えをなければなりません。

窓を作るとその分のメンテナンス費用も上がります。

防犯性能が落ちる

トイレに窓を付けると開けっぱなしにするケースが多くなります。

人は頭と片側の肩まで(450mm程度)の開口部があれば侵入できます。

トイレの窓には格子を付ける場合が多いのですが、格子を付けたからと言って安全だとは限りません。

格子を取付けてあるネジがむき出しになっていてドライバーがあれば簡単に取り外せるものもあります。

紫外線による劣化

窓付きトイレに日差しが入ると機器やクロスなど紫外線で焼けて劣化してしまいます。

特に2階の西側にある窓付きトイレは西日があたり劣化は激しくなります。

直射日光があたる部分のクロスの剥がれや日焼けしやすいです。

またプラスチック製品なども紫外線で容易に劣化してしまいます。

窓を設ける場合は直射日光を遮る庇や、UVカットしてくれるロールスクリーンを取付けましょう。

掃除が面倒

窓が小さいと身体を乗り出して外側から窓ガラスを掃除する事ができません。

窓枠にホコリがたまりやすいので掃除をする箇所が増えます。

サッシに土埃やホコリがついている状態で結露と乾燥を繰り返すとサッシに取れない汚れがついてしまいます。

まとめ

今回は「トイレに窓は必要なのか?」を考えながら窓付きトイレのメリット・デメリットを取り上げてきました。

もう一度確認すると

窓付きトイレのメリット
・昼間は明るい
・換気ができる
・窓枠に物が置ける


■窓付きトイレのデメリット
・断熱性能が落ちる
・費用がかかる
・防犯性能が下がる
・紫外線による劣化
・掃除が面倒


となります。

もちろん上述したものだけではないのですが、やはりデメリットの方が大きいと思います。

換気扇のないトイレには必要ですが、いまでの家は24時間換気システムが設置されているのでトイレの臭気の広がりの問題はないです。

トイレの窓は昔の家のなごりのようなものだと思います。

当たり前のようにトイレに窓を付ける前に「トイレに窓は必要なのか?」を考えてみましょう。

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