遺跡と遺構、遺物の違いについて、言葉の意味をしっかりと理解しよう!

「遺跡(いせき)」はよく聞くけど、「遺構(いこう)」や「遺物(いぶつ)」ってあまりきかないことばです。

「縄文土器」や「前方後円墳」などはテレビでたまに出てくるけど、土の中から発掘された場所やモノにはそれぞれ名称があります。

今回は「遺跡(いせき)」「遺構(いこう)」「遺物(いぶつ)」の違いについて詳しく見ていきます。

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Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
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「遺跡」の中に「遺構」や「遺物」はある

「遺跡」の中に「遺構」や「遺物」はある

「遺跡」は、人類の生活の痕跡が残っている場所のことです。

そして、遺跡の中で発見されたもののうち、移動させることが不可能なものを「遺構」、可能なものを「遺物」と言います。

つまり、「遺跡」の中に「遺構」や「遺物」はあるということです。

遺跡とは

遺跡とは過去の人々の生活の痕跡が残っているもので、工作物や建築物、土木構造物、施設の痕跡など遺構とそれにともなう遺物が一体となって過去の痕跡として残存しているものを指します。 

遺跡は大きく分けて以下の3つになります。

1.歴史的な事件の痕跡がある場所
2.過去の人々の生活の痕跡のある場所
3.過去の人が残した所領や地位、財産

1.歴史的な事件の痕跡がある場所
古跡(こせき)や旧跡(きゅうせき)、古址(こし)とも言います。広島にある原爆ドームなどです。

2.過去の人々の生活の痕跡のある場所
人間の活動の跡が確認できる場所のことを言います。例えば貝塚や古墳、集落跡や神社跡などです。

3.過去の人が残した所領や地位、財産
中世の日本で用いられた言葉で、遺跡 (ゆいせき) と読みます。「藤原某遺跡」「先祖遺跡」「亡父(ぼうふ)遺跡」といったものがあります。

遺構とは

遺構とは動かすことができない人類の痕跡のことです。過去の建築物、工作物、土木構造物などが後世に残された状態のもので、過去の人々の活動の痕跡のうちの不動産的なものを指します。

考古学では遺構は以下のように分類されています。

1.生活にかかわる遺構
2.生業にかかわる遺構
3.生産にかかわる遺構
4.政治や軍事にかかわる遺構
5.交易や交通にかかわる遺構
6.信仰にかかわる遺構
7.葬送にかかわる遺構
8.区画施設
9.その他

1.生活にかかわる遺構
竪穴住居跡、建物跡、柱穴(またはピット)や礎石・礎板、井戸跡、炊事場跡、炉跡、カマド跡、貯蔵穴、トイレ遺構などのこと。

2.生業にかかわる遺構
狩猟における陥し穴、漁労における簗などのこと。

3.生産にかかわる遺構
水田跡、土器や石器の製作跡、製鉄遺構、製銅遺構、製塩遺構、窯業遺構などのこと。

4.政治や軍事にかかわる遺構
宮都跡、官衙(役所)跡、城柵跡、楼閣跡、城館跡およびそれにともなう堀切・土塁・曲輪・馬場などのこと。

5.交易や交通にかかわる遺構
道路跡、港湾遺構、橋跡、一里塚などのこと。

6.信仰にかかわる遺構
寺院跡、神社や神殿の跡、経塚、祭祀遺構、信仰にかかわる塚や祠や石碑(信仰塔)、板碑などのこと。

7.葬送にかかわる遺構
土坑墓、配石墓、環状列石、古墳、火葬墓などのこと。

8.区画施設
塀跡、溝跡などのこと。

9.その他
学校跡、各種の記念碑などのこと。

考古学の対象になりにくい現代に近い過去における建造物の残存部分や、その構造全体のことも「遺構」と呼ぶこともあります。

遺物とは

遺物とは動かすことが可能な人類の痕跡のことです。

過去の人類が残した土器や石器などの動産的なもの(動かすことのできるもの)の総称です。遺物には人工遺物自然的遺物があります。さまざまな道具や装飾品のうち、過去より伝わり、現在は使われなくなったものをいいます。

これらを考古遺物といい、本来は不動産的なものを構成する建物の一部(たとえば建物の柱材や礎石・礎板、瓦など)も、現段階では動産的なものに変化してしまった遺物と区別しています。

人工遺物と自然遺物

人工遺物と自然遺物

人工遺物とは人がつくった遺物のことです。英語では”artifact(アーティファクト)”といわれ人工物や工芸品のことです。

自然遺物とは人の手が加わっていない遺物のことです。英語では、 “remain(リメイン)” といわれ種子・食べ残し・排泄物などがあります。

まとめ

遺跡と遺構、遺物の違いについて

以上、「遺跡」「遺構」「遺物」の違いについてみてきたわけですが

・遺跡:生活の痕跡が残っている場所
・遺構:遺跡のうち動かせないもの
・遺構:遺跡のうち動かせるもの

となります。

最近では都市開発が進み、発掘調査が各地で行われています。発掘調査の成果として「遺構」「遺物」などのことばをニュースでみみにすることがあるかと思いますが、そのことばの違いについて知っていると「遺跡」にたいしての理解がよりいっそう深くなるかと思います。

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