シンプルな建築デザインをするには?まずはゲシュタルト要因を理解しよう!

シンプルな建築デザインってとても抽象的な言葉だと思います。

建築空間をシンプルにするには、まず人間のものに対する認知機能の仕組みを知らなくてはなりません。

そんな人間のものに対する認知機能の仕組みですが、「ゲシュタルト要因」というものがあります。

ゲシュタルトってなに?

「ゲシュタルト」とは、ドイツ語で「Gestalt:形態」を意味します。

語源としては「ゲシュタルト心理学」という心理学からの言葉になります。

人間の認知機能として、ある「要素」を知覚した時、それ単体として知覚するだけでなく、それ以上のまとまりのある全体を知覚する機能があります。

その認知機能の要因としてまとめられたものが、ゲシュタルト要因と呼ばれているものです。

今回はこのゲシュタルト要因から派生して建築空間を認知する場合はどのようにすればよいのかや、

シンプルな建築デザインをするにはどこを気おつければよいかなど一緒に考えてみましょう。

ゲシュタルト要因

ゲシュタルト要因は次の7つが有名です。

※ちなみに要因は近年でも発見され続けていて、現在では10以上あると言われています。

近接の要因

距離の近いもの同士がまとまって認識される要因です。

左図のように黒丸が配置されている場合、右図に囲った点線のように3つのグループにまとまって見えてくるというものです。

類似の要因

色や形、方向などが似ている同士がまとまって認識される要因です。

左図のように黒丸と白丸が配置された場合、右図に囲った点線のように4つのグループにまとまって見えてくるというものです。

閉合の要因

閉じて完結した形が認識される要因です。

左図のかけた丸は右図の閉じた丸に、隣の図は四角形に斜め線が足されたもののように見えてくるというものです。

連続の要因

繋がりの良い形として認識される要因です。

図は波のような曲線と斜めの直線というように見えるというものです。

共通運命の要因

同じように並べられたものは仲間として認識される要因です。

左図のように黒丸が配置された場合、右図に囲った点線のように3つのグループにまとまって見えてくるというものです。

同じように動いたり点滅したるするものも仲間として認識するなど、パラパラ漫画が動いているように見えるのも同じ要因と言えます。

面積の要因

重なりあった図のうち、面積の小さい方が図、大きいほうが地(背景)として認識される要因です。

対称性の要因

対称的なものに囲われた部分が図として認識される要因です。

S条件による空間の認識

前述したゲシュタルト要因は空間を認識する場合の空間的なまとまりに深く関わっています。

次に空間的なまとまりとしてのS条件というものをみていきましょう。

S条件とは

1941年Goldfingerが論文Sensation of spece (Architectuer Review 1941.11)において、その建築空間における物的条件の整理を行っています。

それをさらに一般化したものが上図にあげたS条件となります。

S条件は廣部達也教授の「建築設計論特論」の講義のレジメより抜粋したものです。

人間が空間的なまとまりを感じる場合の条件が図解されています。

この図は、人間がそこにいる場合、その場所をものの配置や形態、質の違いなどを手がかりに述べることが出来るというものです。

例えば左の一番上の図では「私は少し高くなった土地の上にいる」や、右の一番下の図では「私はL 型の壁と一本の柱の間にいる」など…

この「場所を述べることが出来る」ということが空間的なまとまりを意味するということになるわけです。

空間の結合と分節について

S条件ような物的条件によって空間単位が成立し、建築構成要素の相互の位置、形態や質の関係で図として地から区別されることによって分節が起こります。

さてここで質問です。

「結合と分節とは同義である」

と言われると納得する人はどのくらいいるでしょうか?

全く逆の言葉に聞こえますが…

結合するとは、結合する前の状態は分節されているから結合したように見える

分節するとは、分節する前の状態が結合されているから分節したように見える

ということです。

実際の建築空間ではこの結合や分節が緩やかであり、人の認知機能に大きく影響されます。

つまり、ゲシュタルト要因により図としてのまとまりを強く感じること「空間の結合と分節」ができれば、S条件による空間的なまとまりとして「場所を述べることが出来る」ということになります。

ハッセ図で建築総体を考える

ハッセ図(Hasse diagram)とは数学における集合を単純に図示する方法のことです。

上の図はひとつの樹をハッセ図で表すことを図解したものです。

極小元(gestalt単位)を、幹(連続の要因)、枝(連続の要因)、葉のしげみ(類似・共通運命の要因)とした場合

・葉のしげみ→葉のしげみ全体→枝としげみ全体
・枝→枝全体→枝と幹

枝としげみ全体枝と幹が合わさりひとつの樹を成立させているといった図となります。

ハッセ図を利用することで建築空間をひとつの図として表すことができます。

※極小元をどうとらえるのかでハッセ図自体は変わってきますが、上位下位の順序関係で建築空間の全体を表すことができます。

シンプルな建築デザインとは

さて、建築デザインの話にもどります。

「シンプルな建築デザインとは何?」

ゲシュタルト要因やS条件、空間の結合と分節、ハッセ図について述べてきたわけですが、ひとつの考え方として

空間としての認識にまとまりがあり、単純な上位下位の順序関係が成り立っているもの

ということが出来ると思います。

具体的な方法としては

・素材の統一
・色数を少なくする
・各部の高さや位置の統一
・凹凸を少なくする
・空間を構成する要素を減らす


などがあげられると思います。

素材の統一

素材を統一することでまとまりを生み出すことができます。

色数を少なくする

色数を少なく同系色でまとめることで(類似の要因)まとまりを生み出すことができます。

各部の高さや位置を統一

各部の高さや位置を統一することで(共通運命の要因)まとまりを生み出すことができます。

凹凸を少なくする

凹凸を少なくすることで(閉合の要因)シンプルな形として認識することができます。

空間を構成する要素を減らす

空間を構成する要素(床、壁、天井以外の建築要素)を減らすことでまとまりを生み出すことができます。

まとめ

正直なところ、私はシンプルな建築デザインが一概に良いとはいえないと思います。

しかしながら、私は建築デザインをまとめる際には前述した

・素材の統一
・色数を少なくする
・各部の高さや位置の統一
・凹凸を少なくする
・空間を構成する要素を減らす

などを心がけています。

建築デザインに限らず、ロゴやイラストをデザインする時にもゲシュタルト要因を用いて構図や全体のまとまりにバランスを取ったりデザインする人間は自然と行っています。

今回は、シンプルな建築デザインとは

空間としての認識にまとまりがあり、単純な上位下位の順序関係が成り立っているもの

と定義しましたが、これだけが正解ではないと思います。

空間のまとまりを生み出すのは自分の認識によるところが大きいのも事実です。

これを機に自分にあったシンプルな建築デザインを考えてみるのも良いかもしれませんね^^

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