その位置で大丈夫?後悔しないコンセントと照明の選び方と配置

注文住宅ではコンセントや照明、スイッチなどの数や位置、高さを自由に決めることができます。

住宅にはたくさんの電気設備がありますが、使いやすい家にするためには電気についての知識を持つことが大切です。

注文住宅でコンセントの数や位置についての後悔はとても多いです。

使いやすいコンセントってどう考えればいいの?

具体的に使う家電をリストアップしたり、使い勝手をイメージしたりする必要があります。

たこ足配線をすれば対応できるのですが、1カ所のコンセントからは1,500W〜2,000Wまでしか対応していないので、

1,000Wを超える消費電力のものを同時に使用するとブレーカーが落ちることもあります。

消費電力ってどうすればわかるの?

家電製品などの説明書に記載されています。

その数値を足していくと消費電力の合計になります。

私は住宅設計やリノベーションを中心に設計をして17年になります。

コンセントの数や位置についてしっかりと打合せをしてコンセント図や回路図を作るので、6ヶ月点検時のクレームはとても少ないです。

コンセントの許容範囲については以下のことを頭に入れておきましょう。

コンセントの許容範囲

・1ヶ所のコンセントで15アンペアで1,500W

・1ヶ所のブレーカー(回路)で20アンペアで2,000W

上記のことを頭に入れておき、場合によっては回路を分けたり専用コンセント((専用の回路)を使用するなどの対策が必要です。

また、位置についてはその場所につける設備によって変わるので設備の図面を参考にして取付位置を考えましょう

また、ダウンライトはしっかりと照度計算をしたり、間接照明は意外に使わないので自分のライフスタイルをしかりと振り返りましょう

この記事を読むと以下のことがわかります。

この記事でわかること

・各場所のコンセントの数や位置

・ダウンライトや間接照明の注意点

上記のようなことがわかります。

コンセントの数や位置について後悔しないためには、

設計時に具体的に使う家電をリストアップしたり、しっかりと使い勝手をイメージして工務店や設計事務所に伝えることです。

使う家電や使い勝手は家族や自分にしかわからないので、理解してもらえるまでしっかりと根気強く伝えましょう。

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【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を17年間(2023年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

設計事務所のブログを始めて2年目で月間25000PVを達成!

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コンセント図でチェックすること

一般的な注文住宅における配線計画は、まずは施工会社によって標準仕様とされているコンセント数で提案されます。

設計事務所の場合はコンセント図によって配置したい場所に表記されます。

その図面を見ながら、

「ここにも必要」

「ここはいらない」

などの要望を出して調整して聞きます。

設計の段階であれば1カ所増やすごとに数千円程度で済みますが、

工事が進んでから変更をお願いすると費用が大幅にアップするので注意しましょう。

標準仕様の目安は2帖ごとに1カ所程度が多いです。

このコンセントは、2口でも3口でも1カ所のコンセントで同時に使用できるのは、

15アンペアで1,500W、20アンペアで2,000Wまでということを覚えておきましょう。

これを知らずにコンセント数を決めてしまうと特にキッチンでは大失敗が起こってしまいます。

コンセントの数と位置

コンセントの数と位置について注意した方がいい場所は以下になります。

注意した方がいい場所

・水まわり
→キッチンまわり
→洗面台、洗濯機まわり

・リビング
→テレビまわり
→ソファーまわり

・寝室、子供部屋
→ベッドまわり
→デスクまわり

・収納スペース、バルコニー
→収納スーペース内
→ベランダやバルコニー、玄関

コンセントの数や位置、高さを決めるときには、

「一般的にはこうですよ」

という話を参考にしすぎないほうがいいと思います。

家族がどこでどのように使用するかを具体的にシミュレーションしてみましょう。

水まわりのコンセントの数と位置

水まわりのコンセントの数と位置は以下になります。

水まわりのコンセントの数と位置

・キッチンまわり
→90〜100cmの位置

・洗面台、洗濯機まわり
→100〜110cmの位置

キッチンでは必要な家電をあげてみて同時に使用するものの消費電力を考えます。

1カ所のコンセントから延長コードで「たこ足配線」になってしまうと、

気づかないうちに容量をオーバーしてブレーカーが落ちたり最悪の場合は発火したりすることもあります。

特にオーブンレンジやトースター、電気ケトルのような1,000Wを超えるものは専用のコンセントを設置しましょう。

位置を固定して毎日使用するものは置く場所を決めてその高さに合わせてコンセントを設置すると便利です。

キッチンまわりは床付近にも1カ所は必要ですが、ほとんどのコンセントは90〜100cmの高さにあったほうが便利です。

カップボードやカウンター、ワークトップの天板から15cmくらい上部の位置になります。

洗面台、洗濯機まわりは洗濯機の高さがあるので、もう少し高めに100〜110cmくらいがよいでしょう。

洗面台で歯ブラシや髭剃りなどを充電する際もこのくらいの高さの方が便利です。

また、床付近に設置する場合は洗濯機や洗面台に隠れてしまうことは避けましょう。

ホコリや湿気を含んでコンセントに付着すると危険です。

リビングのコンセントの数と位置

リビングのコンセントの数と位置は以下になります。

リビングのコンセントの数と位置

・テレビまわり
→3口が2カ所
→壁掛けTVは100〜110cmの位置

・ソファーまわり
→フロアコンセント

位置や高さに「一般的」が通用しないのがリビングです。

不足しがちなのはテレビまわりです。

最近では壁掛けテレビを採用するご家庭が増えているのでテレビを設置するスペースには、

床付近に2カ所と100〜110cmくらいのところにコンセントを設置しておくとよいでしょう。

テレビまわりにはDVDレコーダーだけでなく保存用のHDやテレビキャスト、ゲーム機などたくさんのコンセントが必要になります。

たこ足配線にならないように気をつけましょう

ソファーまわりは床に埋め込み式のフロアコンセントがあると便利です↓

Panasonic

パナソニック床用コンセント

こちらは住宅向けの床用コンセントですが、電源だけでなくテレビ用配線やLANなども取り出すことができます。

寝室、子供部屋のコンセントの数と位置

寝室、子供部屋のコンセントの数と位置は以下になります。

寝室、子供部屋のコンセントの数と位置

・寝室
→ベッドの枕元

・子供部屋
→デスクより少し高い位置や床用コンセント

それぞれの居室ではどこにどんな家具を置くのかわからないままコンセント位置を決めてしまうのは失敗のもとになります。

寝室や子供部屋などは床から20cm程度のところに3カ所あればいいかと考えて失敗するご家庭があります。

スマホの充電用にベッドの枕元にコンセントは必須です。

また、子供部屋のデスクまわりにはデスクよりも少し高いところや床用コンセントを設置しておくとよいでしょう。

収納スペース内、バルコニー

収納スペース内、バルコニーのコンセントの数と位置は以下になります。

収納スペース内、バルコニー

・収納スペース内
→充電用のコンセント

・パントリー内
→家電や冷蔵庫用のコンセント

・ベランダやバルコニー、玄関
→屋外コンセント

収納スーペースの中にも1カ所ずつコンセントを設置しておきましょう。

掃除機の充電や除湿機、消臭器などの利用が考えられるからです。

また、パントリー内にも設置しておくとキッチン家電や冷蔵庫などに使用できます。

見逃しがちなのが、ベランダやバルコニー、玄関です。

屋外コンセントがあれば高圧洗浄機や照明を使用したり、広さがあればBBQなどの際に便利です。

照明で注意すること

照明で注意しなければならないことは、第一に広さに適した明るさかどうかです。

ダウンライトは照度計算をする

最近ではLDKや居室をダウンライトのみにするご家庭も増えています。

天井にでっぱりがないことでスタイリッシュな印象になります。

ホコリがたまることがないので掃除も楽です。

ですが、ダウンライトはシーリングライトに比べて照射角度がかなり狭く主に真下を照らすものです。

広いリビングでダウンライトだけにすると、個数が足りなくて暗かったり隅の方まで光が届かないなどの失敗が起こりやすいです。

また、LDKのような広いスペースをダウンライトだけにするとかなりの個数が必要になり、

配線工事+器具本体+取付費用などで初期費用が高くなります。

シーリングライトなら1カ所で済むところを十数カ所に分けるのですから、配線工事や取付工事が大変になります。

広いLDKの場合はシーリングライトやペンダントライトと併用したほうが明るさはもちろん費用も抑えられるので検討してみましょう。

最近ではシーリングライトでもかなり薄型で天井に設置してもでっぱりが気にならないものもあります。

どうしてもダウンライトだけにしたい場合は照度計算や分布図でしっかりと確認して、

場合によっては照射範囲の広い「拡散タイプ」などに変更するなどの対策をしましょう。

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間接照明は意外に使わない

間接照明には以下のタイプのものがあります。

・コーブ照明
→天井を照らす

・コニース照明
→壁を照らす

・ディスプレイ用のブラケットライト

などがあります。

おしゃれなリビングにしたくて採用したけれど、使用する機会がないというご家庭もあります。

そのような間接照明は通常のものに比べて費用が高くなるのはもちろん、特別な形状で掃除が大変になります。

これまでのライフスタイルを振り返って使用する機会が少ないようであれば、

おしゃれなフロアライトやスタンドライトを購入したほうがリーズナブルです。

リビングは家族が集まって食事をしたりテレビを見たりする一番生活感の出る場所です。

おしゃれさも大切ですが、暮らしやすさを考えて選ぶことをおすすめします。

間接照明は玄関や寝室などに採用すると使いやすいかもしれません。

まとめ

今回はコンセントや照明で後悔したくない人や電気設備を考える際の注意点を知りたい人に対して、

後悔しない電気設備の選び方と配置についてご紹介してきました。

まとめると以下になります。

コンセントの許容範囲

・1ヶ所のコンセントで15アンペアで1,500W

・1ヶ所のブレーカー(回路)で20アンペアで2,000W

注意した方がいい場所

・水まわり
→キッチンまわり
→洗面台、洗濯機まわり

・リビング
→テレビまわり
→ソファーまわり

・寝室、子供部屋
→ベッドまわり
→デスクまわり

・収納スペース、バルコニー
→収納スーペース内
→ベランダやバルコニー、玄関

コンセントの数や位置について後悔しないためには、

設計時に具体的に使う家電をリストアップしたり、しっかりと使い勝手をイメージして工務店や設計事務所に伝えることです。

それから、コメント欄はこれまでみなさんが経験してきたことを発信する場として使っていただければ幸いです。

役立つ情報をみんなで共有できるような書込みは大歓迎です。


この記事がこれから注文住宅を建てようと考えている方々のお役に立てれば幸いです。

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