設計とデザインの違いってなに?設計者とデザイナーの仕事の違いから考えてみる

設計とデザインの違いってあまり考えたことがないと思います。

インテリアデザイナーや建築デザイナーと呼ばれる人たちがなぜ設計者ではなくデザイナーと呼ばれるのか…

設計とデザインの違いってなに?

英語は「Design/デザイン」は日本語では「設計」のことです。

しかしながら、日本では「設計」と「デザイン」という言葉の使われ方が違っています

今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。

この記事の対象者

▶︎設計とデザインの違いがわからない人

▶︎設計者とデザイナーの仕事の違いがわからない人

上記の方々に対して、店舗設計を長年やってきた私の経験から、設計者とデザイナーの仕事の違いをご紹介します。

この記事が設計とデザインという言葉の意味を考えるきっかけになってくれれば幸いです。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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設計とデザインの違い

私たちが何気なく設計とデザインを区別して使っているのですが、言葉の使われ方をしっかりと意識できれば設計とデザインの違いは理解できると思います。

設計とデザインの言葉の違いから見ていこうと思います。

言葉としての意味

デザインは、英語でDesignと書きます。

日本語では、「設計」という意味です。

よって、設計とデザインは本来、同じ意味と考えてください。

ただし、デザインの意味は建築に限らず、服飾や物、インテリア、芸術など、色々な場面で使う用語です。

一方、設計は建築や機械などを作る際に用いられる言葉です。

デザインという言葉は広範囲に使われていて、設計ということも含めた使われ方をしています。

デザインは主に表面的なこと

デザインは主に表面的な形や色、テクスチャーなどを決める際に使われます。

デザインすることはその物全体の見た目やバランスを決めることです。

例えば、服飾デザインの場合

服のイメージを絵で表現する時にデザインするといいます。

しかしながら、型紙を作る際にはデザインという言葉は使いません。

デザインは表面的なことの絵を描くことをいう言葉です。

設計は具体的な作り方の説明

設計は具体的な作り方の説明する図面を作成するときに使われる言葉です。

例えば、車を作る過程を考えると…

車のデザインというと、表面的な形や色、テクスチャーなど目で見えることをいうのに対して、

車の設計という、その車がどのように作られているのか説明する図面の作成などのことを意味します。

設計者とデザイナーについて

次に設計者とデザイナーの仕事の違いについて、私の経験から考えてみたいと思います。

店舗デザイナーの仕事

店舗を作るときにまず、店舗デザイナーが絵を描きます。

店舗デザイナーは店舗のイメージを絵(パース)で表現します。

イメージを絵で表現する段階で、使う素材の外型寸法や細かな納まりなどを決めることもあります。

店舗デザイナーの描いた図面は、実際に作れるかどうかの施工図ではないので、意匠的な意味合いの強い図面になります。

私が一緒に仕事をしてきたデザイナーはCADを使えない人たちがほとんどでした。

そのため、店舗デザイナーの描いた手書きの図面をCAD化する作業がひと手間ありました。

CADを使う店舗デザイナーの図面は、寸法がきっちりと取れていない表面的なイメージを優先させてしまう図面を描くことが多かったです。

設計者の仕事

設計者は店舗デザイナーが書いた絵を元に図面をCAD化したり、法規をチェックします。

実際に見積もりで数量を拾う場合は設計者が作成した図面を利用します。

また、現場を収めるための図面としても利用します。

デザイン画をもとにイメージを崩さないように実際の材料の寸法でCAD化します。

店舗設計の場合の設計図は施工図に近いと思います。

実際の材料の寸法をもとにして図面化するのでデザイン画のイメージを壊さないようにするには慣れが必要です。

両方の視点で考える必要性

建築設計の仕事は両方の視点で考える必要性があると思います。

デザイナー的な視点で意匠を考えたり、設計者的な視点で説明的な図面を描くなどの両方の視点が必要になるからです。

また、建築デザイナーと呼ばれる人たちは法規的なことをあまり考えない傾向があります。

もちろん、デザイナーの描く絵はあくまでも最初のイメージ画だからということもありますが…

私は法規に強いデザイナーにあったことがありません。

法規的なことは設計者に任せているといった場合が多いので、時には法規的なことの抜け道を強いられる場合があります。

しかしながら仕事のできるデザイナーは、法規的な規制があった場合でも、それに応じでデザインを変えることができます。

ひとりで建築を設計する場合は、まずはデザイナーとして全体の意匠デザインをしてから建物のコンセプトを明確にし、

次に設計者としてより具体的に考えていくといった流れになると思います。

よって、建築設計をする上では全体のデザイナー的な視点や設計者的な視点の両方を持つ必要があると思います。

まとめ

今回は、設計とデザインの違いがわからない人や設計者とデザイナーの仕事の違いがわからない人に対して、

店舗設計を長年やってきた私の経験から、設計者とデザイナーの仕事の違いをご紹介してきました。

まとめると以下になります。

■設計とデザインの違い

英語は「Design/デザイン」は日本語では「設計」のことです。


■日本での使われ方の違い

・デザインは主に表面的なこと

・設計は具体的な作り方の説明

■設計者とデザイナーの仕事の違い

・店舗デザイナー:意匠的な意味合いの強い図面や絵(パース)をかく

・設計者:法規をチェックし、施工図に近い設計図を描く

・設計者とデザイナーの両方の視点で考える必要がある

設計とデザインは英語では同じ意味の言葉ですが、日本では言葉の使い分けがされています。

デザインと設計の視点をしっかりと意識して使い分けると、良い設計ができるようになると思います。

建築設計の時は両方の視点で考えないと良い建築は作れないからです。

しっかりと意識して両方の視点を使い分けるようにしましょう。

この記事が設計とデザインという言葉の意味を考えるきっかけになってくれれば幸いです。

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アーキトリック一級建築士事務所

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