迷路のような内部空間や小屋組みが面白い![夢テラス]/隈研吾

静岡県静岡市
竣工日/2018.10
シンボル施設/展望回廊
施設床面積/973.55㎡
展示場、カフェ/物見塔
設計者:㈱隈研吾建築都市設計事務所
施工者:建築/木内建設㈱、
機械/旭産業㈱、電気/㈱東海電気工業所

夢テラスのオープニング企画でドラ○エウォークのイベントがあったので、ゲームをするついで?に建物を見学してきました。

雑誌やネットでは目にしていたのですが、実際はおもった以上に見ごたえのある建築でした。

【自己紹介】

Bさん@アーキトリック
一級建築士 第303020号
耐震診断・耐震改修技術者
アーキトリック一級建築士事務所

設計事務所を18年間(2024年現在)運営している現役の一級建築士です。

店舗や旅館を中心に3桁の案件をこなしてきました。

現在は住宅設計やリノベーションを中心に活動をしています。

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見ておくべきポイント

迷路のような内部空間
小屋組みの面白さ
ボルトを埋木する気遣い
ルーバーの納まり
サッシの取り合い

■迷路のような内部空間

中央は階段室みたいに吹抜けの空間があり、階段が吹抜け空間に対して雑然?とかけられていて迷路のようになっていました。

下から見上げた吹抜け空間に階段が自由にかけられているのはとても面白く、上はどうなっているんだろうと早く登っていきたくなるような階段でした。

階段にはささら桁や側桁はなく厚い板を段々にせり出しているつくりになっています。

構造的にどのように持たせているのか?しばらくみていたのですがわかりませんでした。

■小屋組みの面白さ

最上階の木が中央に集まった部分の小屋組みがとても面白かったです。平面が八角形ということもあり中央部分にはかなりの梁?が集められています。

小屋組みの木組みは伝統的な工法らしいのですがここまで現しになっていて、間近で見れる機会はないのでとても面白かったです。

木の枝のような複雑な構造と森のようなインテリアをイメージしたらしいので(中央に幹はないのですが)枝が天に向かって四方八方へとのびていくようなイメージをうまく表現しています。

■ボルトを埋木する気遣い

外部の庇の持ち出し部分をじっくり見ていて、内部の木組みもそうだったのですが、建築金物が見えなかったことに気づきました。

これだけ跳ね出したの庇なのだから建築金物を使わないと持たないだろうと思ってじっくりと見たのですが、

建築金物としてボルト締めされている箇所は目立たないように埋木されていました。

雨風があたる箇所の風化はやはり激しいのか埋木された箇所が丸く現れてきています。

さすがにここまでは伝統工法で作られていなかったことに少しほっとしました。

■ルーバーの納まり

長手方向が奥行きとなるように取り付けられています。奥行きがあるので影がしっかりと落ち、厚みと頑丈さを感じるルーバーとなっていました。

こちらも回廊側からビスなどの金物が見えないように取り付けられていて埋木されていました。

かなり重たいはずの材料ですが、すっきりと見える取り付け方でした。

■サッシの取り合い

ウッドデッキ材とサッシとの取り合い部分ですが、床面は室内側とフラットになるようにサッシが埋め込まれています。この辺の気遣いはさすがだと思いました。

回廊をぐるくると回っていくうちに、ウッドデッキは細長い材料で作られていて、その隙間の寸法が少し狭いことに気づきました。

あまり隙間を取りすぎるとつっかえて転んでしまったり物を落としたとき落ちてしまったりするので、このぐらいの隙間寸法でよいのかもしれないと改めて思いました。

コンセプトを簡単にまとめると

設計事務所にありがちな、なんだか難しい文章だったので簡単にポイントをまとめると以下のようになります。

法隆寺の夢殿にヒントを得て、八角形というジオメトリーに挑戦している
このジオメトリーによって、富士山への正面性と空中を回遊できる事由さを両立させる。
地元静岡県産のヒノキ材を使っている。
木の枝のような複雑な構造と森のようなインテリアを創造する

ちなみに法隆寺の夢殿とはこんな感じです↓

八角形平面の理由について

八という数字から
第2次大戦中の八紘一宇というスローガンを思い出してしまいそうですが…

古事記にもイザナギ・イザナミが地上に降りて最初につくったのが八尋殿(やひろどの)とされています。

仏教にも八に深い意味があります。

お釈迦様が亡くなり荼毘に付したのち、遺骨(佛舎利)は八分され八方に送られ祀られました。(四方八方)

仏教では八大菩薩、八大竜王、八功徳、八解脱(げだつ)ほか多くの八のついた言葉があります。

実際に見学した感想

あいにく行ったときは曇りでしたが、天気の良い日は駿河湾ごしに富士山まで見えたりと360度のパノラマビューを楽しめます。

建築家として八角形というジオメトリーの建物にチャレンジしたかったということと、展望台としての機能がうまくマッチしたといった建物だと思います。

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